3070アマガサIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アマガサ (3070 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:卸売り業

業績・業態、マーケット環境を考慮した妥当な公募価格が想定されている
 業績は過年度からほぼ横バイであり、今後も高い成長は見込みにくい業態ではある。その中で、小売業態は店舗数の増加に伴って伸びてはいるものの、依然として赤字事業となっている。

 06.12期の会社発表業績予想ベースでのEPSは約18千円で、想定されている公募価格に対するPERは約10〜11倍の水準となる。最近のマーケット環境や上記の状況を十分加味した、妥当な公募価格で想定されていると考える。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/12 06/6中 06/9 3Q 06/12予
売上高(百万円) 4.4%
6,026

2,985

4,751
6.4%
6,409
営業利益(百万円) -24.9%
191

106

252
71.0%
326
経常利益(百万円) -13.9%
234

122

254
46.8%
343
当期利益(百万円) -16.5%
124

56

126
37.9%
171
総資産(百万円)
純資産(百万円)
5,026
716
5,010
759
5,386
829
--
--
株主資本比率(%) 14.3% 15.1% 15.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.6%
17.3%
2.4%
7.4%
4.7%
15.2%
--
--
発行済株式数 9.6 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
12,920
74,598
5,854
79,063
13,123
86,319
17,813
--
配当(円/株) 625 -- -- 2,000

事業概要
ノンレザー婦人靴の卸売り業・小売業
 アマガサは、10代から20代前半の女性向けに、ノンレザー素材を用いたカジュアル婦人靴のデザイン・企画、卸売り販売、小売販売を主たる業務としている。ノンレザー素材とは、合成皮革と呼ばれるケミカル素材だけではなく、人工皮革や合成繊維、布地、その他雑材などの天然皮革以外の素材の総称を指す。

 エレガンスブランドの「ジェリービーンズ」とカジュアルブランドの「ミンクス」の2つのブランドを中心として、靴専門店や百貨店、アパレルショップ等の取引先店頭やアマガサの小売店舗等の販売チャネルを通じて、消費者に販売している。

 また、アマガサの自社ホームページやインターネット上の仮想店舗を使用したウエブ通販による販売も行っているほか、一部アパレル企業との取引において、相手先ブランドによる販売を目的とした商品のデザイン・企画、卸売り販売も行っている。

情報開示の状況
投資家向けページはあるが、ニュースリリースが無い
 アマガサのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトとなっている。IRのページが、というよりも、会社全体として、ニュースリリースのページが無いのは寂しい。ニュースリリースの掲載がないために、上場承認などに関する情報発信が、サイトトップからされていない。

収支の状況
06.12期業績予想は第三四半期に盛り返したことで、達成ペースか

05.12期は卸売り部門では、春物・初夏商品が低気温の影響を受けて停滞したことに加えて、主要取引先である大手スーパーや百貨店の販売不振があった。一方で梅雨明け以降には天候が回復したことでサンダルを中心に夏物商品の販売が増加したこと、ブーツの販売が伸長したことが好影響となった。卸売り部門全体としては、ほぼ前期並み、微減の販売実績となった。

 小売部門については、03年9月から本格的に進出したもので、05.12期中には、6店舗を新規出店し、3店舗を退店した結果、期末の店舗数は前期末比3店舗増の12店舗となった。直営店販売は、店舗数の増加のほか、POS情報の活用や店舗のリニューアル、ノベルティの充実や雑誌への広告掲載などの販売促進を行ったことなどによって、対前期比で+約94%とほぼ倍増した。ただし、利益面では、販売促進費の増加などによって、営業損失を計上。

 06.6中間期は、卸売り部門では個人消費の回復などの寄与はあるようだが、天候不順による気温低下や長雨などの影響もあった模様。小売部門では、中間期末までに3店舗を新規出店、既存店舗の移設リニューアルを1店舗、2店舗を退店した結果、期末の店舗数は13店舗となった。

 売上高の大半を依然として占めている卸売り部門での売上はほぼ横這い〜微減傾向にある。これに対して小売部門は、伸び率こそ高いものの、販売高全体に占めるシェア・影響は小さく、また経年的に営業赤字を計上している事業となっている。事業全体としての印象は、伸び悩み感がある。

【表1 事業部門別の販売実績(百万円)】
               05.12期  06.6中
卸売り販売(靴専門店等) 5,435 2,642
小売販売(直営店)      591  341
合計              6,026 2,984

 06.12通期の会社発表業績見通しは、06.6中間期の達成ペースからはやや苦しそうな印象だったが、第三四半期決算は好調であり、3Qまでの進捗率をみれば、通期の業績予想もインラインと考えられる。

 アマガサが保有している土地・建物は、06.6中間期末の帳簿価格が約23億円であるのに対して、05.9末の不動産鑑定評価に基づく評価額は約12億円となっている。減損損失の計上判定としては、対象外となったとのことで損失の認識は、これまで決算上はされていない。今後の不動産の評価価格の動向や、事業の収益性評価次第ではあるが、潜在的な損失可能性のある項目としては残っている。

株式の状況
ストックオプションなし、VC保有ウエイトも極小

A. 発行済み株式数 8,000株(06.8に1:4株式分割後)
B. 公募 1,600株
C. 売出し 800株(売出し元は会社関係者)
D. ストックオプション残高総数 なし
 E. うち潜在株式に算入する数 なし
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,600株

 目論見書での想定発行価格は19万円で、この価格に基づく公募によるアマガサの手取り概算額は約264百万円とされている。資金使途は、直営店舗の出店資金と運転資金に充当する予定。

 株主名簿ではベンチャーキャピタルとみられる株主の保有数は40株で、全体に占めるウエイトは小さい。既存株主へのロックアップは無い模様。



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