IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アマガサ (3070 ヘラクレス)IPO |
業績・業態、マーケット環境を考慮した妥当な公募価格が想定されている 業績は過年度からほぼ横バイであり、今後も高い成長は見込みにくい業態ではある。その中で、小売業態は店舗数の増加に伴って伸びてはいるものの、依然として赤字事業となっている。 06.12期の会社発表業績予想ベースでのEPSは約18千円で、想定されている公募価格に対するPERは約10〜11倍の水準となる。最近のマーケット環境や上記の状況を十分加味した、妥当な公募価格で想定されていると考える。 個別データ(肩は対前期比(%))
アマガサは、10代から20代前半の女性向けに、ノンレザー素材を用いたカジュアル婦人靴のデザイン・企画、卸売り販売、小売販売を主たる業務としている。ノンレザー素材とは、合成皮革と呼ばれるケミカル素材だけではなく、人工皮革や合成繊維、布地、その他雑材などの天然皮革以外の素材の総称を指す。 エレガンスブランドの「ジェリービーンズ」とカジュアルブランドの「ミンクス」の2つのブランドを中心として、靴専門店や百貨店、アパレルショップ等の取引先店頭やアマガサの小売店舗等の販売チャネルを通じて、消費者に販売している。 また、アマガサの自社ホームページやインターネット上の仮想店舗を使用したウエブ通販による販売も行っているほか、一部アパレル企業との取引において、相手先ブランドによる販売を目的とした商品のデザイン・企画、卸売り販売も行っている。
アマガサのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトとなっている。IRのページが、というよりも、会社全体として、ニュースリリースのページが無いのは寂しい。ニュースリリースの掲載がないために、上場承認などに関する情報発信が、サイトトップからされていない。 |
05.12期は卸売り部門では、春物・初夏商品が低気温の影響を受けて停滞したことに加えて、主要取引先である大手スーパーや百貨店の販売不振があった。一方で梅雨明け以降には天候が回復したことでサンダルを中心に夏物商品の販売が増加したこと、ブーツの販売が伸長したことが好影響となった。卸売り部門全体としては、ほぼ前期並み、微減の販売実績となった。 小売部門については、03年9月から本格的に進出したもので、05.12期中には、6店舗を新規出店し、3店舗を退店した結果、期末の店舗数は前期末比3店舗増の12店舗となった。直営店販売は、店舗数の増加のほか、POS情報の活用や店舗のリニューアル、ノベルティの充実や雑誌への広告掲載などの販売促進を行ったことなどによって、対前期比で+約94%とほぼ倍増した。ただし、利益面では、販売促進費の増加などによって、営業損失を計上。 06.6中間期は、卸売り部門では個人消費の回復などの寄与はあるようだが、天候不順による気温低下や長雨などの影響もあった模様。小売部門では、中間期末までに3店舗を新規出店、既存店舗の移設リニューアルを1店舗、2店舗を退店した結果、期末の店舗数は13店舗となった。 売上高の大半を依然として占めている卸売り部門での売上はほぼ横這い〜微減傾向にある。これに対して小売部門は、伸び率こそ高いものの、販売高全体に占めるシェア・影響は小さく、また経年的に営業赤字を計上している事業となっている。事業全体としての印象は、伸び悩み感がある。 【表1 事業部門別の販売実績(百万円)】 05.12期 06.6中 卸売り販売(靴専門店等) 5,435 2,642 小売販売(直営店) 591 341 合計 6,026 2,984 06.12通期の会社発表業績見通しは、06.6中間期の達成ペースからはやや苦しそうな印象だったが、第三四半期決算は好調であり、3Qまでの進捗率をみれば、通期の業績予想もインラインと考えられる。 アマガサが保有している土地・建物は、06.6中間期末の帳簿価格が約23億円であるのに対して、05.9末の不動産鑑定評価に基づく評価額は約12億円となっている。減損損失の計上判定としては、対象外となったとのことで損失の認識は、これまで決算上はされていない。今後の不動産の評価価格の動向や、事業の収益性評価次第ではあるが、潜在的な損失可能性のある項目としては残っている。
A. 発行済み株式数 8,000株(06.8に1:4株式分割後) B. 公募 1,600株 C. 売出し 800株(売出し元は会社関係者) D. ストックオプション残高総数 なし E. うち潜在株式に算入する数 なし F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,600株 目論見書での想定発行価格は19万円で、この価格に基づく公募によるアマガサの手取り概算額は約264百万円とされている。資金使途は、直営店舗の出店資金と運転資金に充当する予定。 株主名簿ではベンチャーキャピタルとみられる株主の保有数は40株で、全体に占めるウエイトは小さい。既存株主へのロックアップは無い模様。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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