2144やまねメディカルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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やまねメディカル(2144 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

07.3期までは高成長だが、08.3期には踊り場に入るリスクが懸念される
 不振の新規事業をリストラし、本業である通所介護事業では施設増加に伴って利益幅が増加しつつある。足元の利益の伸び率は高くなっている。成長性は評価できると思うが、07.3期中には、新規に開設した施設はあるものの、契約解消や閉鎖があったために、ネットでの施設数は増加していない。このため、08.3期にかけての増収は期待しにくい状態。

 07.3期予想ベースのEPS約1万円に対して、想定されている公募価格のPERは約23倍となる。今期内に施設数の増加があれば、より高く評価されるだろうが、現在の施設開設ペースでは08.3期の利益水準は07.3期と比較して大幅に増加することは見込みにくい。このため、PER25〜30倍程度の評価が当面は妥当と考える。


連結データ(肩は対前期比(%)、06.3期のみ個別)
決算期 05/3 06/3 06/9中 06/12 07/3予
売上高(百万円)
1,672
67.3%
2,797

1,521

2,344
12.1%
3,136
営業利益(百万円)
-235

323

164

317
44.7%
468
経常利益(百万円)
-248

286

150

290
41.5%
405
当期利益(百万円)
-256

316

61

141
-25.8%
234
総資産(百万円)
純資産(百万円)
--
--
1,762
167
1,865
229
1,914
310
--
--
株主資本比率(%) -- 9.5% 12.3% 16.2 --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
16.3%
189.9%
8.0%
26.5%
15.2%
45.6%
--
--
発行済株式数 22.66 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
--
13,950
7,351
2,685
10,117
6,239
13,675
10,347
--
配当(円/株) -- -- -- -- --

事業概要
介護保険法による通所介護サービス事業等
 やまねメディカルでは、通所介護事業と、そのフランチャイズ事業、人材紹介事業とIT事業を行っている。

 通所介護事業では、「デイサービスセンターなごやか」のブランド名で、直営の通所介護施設を首都圏中心に42箇所展開している。介護保険で要介護・要支援の認定を受けた利用者に対して、送迎、入浴、食事の世話やレクリエーション、介護予防などの介護サービスを提供している。

 フランチャイズ事業では、「なごやか」の同一ブランド名でフランチャイズ展開を行っており、07年1月末時点のフランチャイズ事業所は9事業者10施設になっている。

 人材紹介事業では、子会社を中心として、高技能を有する専門技術職の人材に重点を置いた紹介事業を行っている。

 IT事業としては、子会社で、インターネットを利用した各種情報提供を行っている。


収支の状況
本業の通所介護事業は順調に推移
 06.3期は、通所介護事業で期中に4箇所のデイサービスセンターを新規に開設し、1箇所の営業権を譲り受けた。期末時点での直営デイサービスセンター数は42箇所となった。

 フランチャイズ事業では、期中に9箇所で新規開設した一方、3箇所のデイサービスセンターを運営していた医療法人とのフランチャイズ契約を解消したことで、期末時点では12箇所となった。

 また、事業の多角化と通所介護事業での従業員の確保を目的として、期中には人材紹介事業を立ち上げた。以上によって、売上高は、対前期で+57%の増収となった。売上高の増加に伴って、前期まで経常損失を計上していた利益項目でも黒字化し、当期は営業利益以下の項目で黒字決算となった。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
            06.3期   06.9中
通所介護    2,771 +163.6% 1,503
フランチャイズ   19  +90.4%  11
人材紹介       5    -    5
IT           -     -    0
合計       2,797 +156.9% 1,521

 06.9中間期は、通所介護事業ではデイサービスセンターを2箇所新規開設し、2箇所を閉鎖した。期末時点の施設数は、前期末と同数となっている。フランチャイズ事業では2箇所で契約解消・閉鎖をしたことで、期末の施設数は10箇所に減少。

 新規事業であるIT事業と人材紹介事業については、IT事業は競合が厳しいこと、人材紹介については、紹介対象となる介護・看護職が予想以上に人材不足だったことから、立ち上がり局面での業績が会社予想を下回った。このため、一旦子会社での両事業を縮小して、現在では、再建計画について検討をしている段階となっている。

 07.3期業績予想は対前期で増収増益の見込みとなっている。第三四半期までの進捗状況からは、達成には問題なさそう。当期利益の見通しが対前期で減少するのは、法人税負担の発生によるものと考えられるので、基本的に増収増益と考えてよいと思われる。

 新規事業の失敗はあるが、むしろ早期に対策を実行して、事業をそのまま継続することでの被害の拡大を食い止めた点について、評価すべきと考える。本業である通所介護事業での事業拡大と利益率については問題がないので、本業回帰することで、問題は解消するだろう。

 ただ、近年の状況をみると、フランチャイズでの契約解消が何件か発生しており、このためにフランチャイズの施設数が増加していない点が課題とみる。

株式の状況
ストックオプションなく、VC保有分も当面は売却不可
 ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルの保有株があり、ロックアップ対象にはなっていないが、全数が上場後半年間の保有確約の対象になっている。

A. 発行済み株式数 20,860株(06.3に1:20株式分割後)
B. 公募 1,800株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 400株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 22,660株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 520株
既存株主へのロックアップ情報: ないが、05.9に実施した第三者割当増資(分割後860株)は、上場後半年間の保有確約の対象。割当先は300株が中国銀行、40株が事業会社、残520株はVC。

 目論見書での想定発行価格は23万円で、この価格に基づく公募による、やまねメディカルの手取り概算額は、約371百万円とされている。資金使途は、直営通所介護施設10箇所の開設に伴う設備資金に250百万円、その運転資金に121百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示あり
やまねメディカルのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライト、上場承認のプレスリリースとなっている。

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