2140テラネッツIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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テラネッツ(2140 札証アンビシャス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

アバター制作で、どこまで成長できるか
 下記業績予想では過年度実績ともども、法人税の実質負担が織り込まれていない。この分を考慮した実力での07.12期予想EPSは約4千円となり、想定されている公募価格のPERは約30倍となる。

 業態としては面白みがあり、足元の成長性を考えるとPER30倍は妥当か、やや割安にも見えなくもない。しかし、テラネッツの場合、業績を牽引している事業は、アバター制作等であり、年々倍増していくような潜在成長力のあるマーケットとは考えにくい。株式需給面でも、ベンチャーキャピタルの売却リスクがある。

 以上のネガティブ要素も考慮すると、想定公募価格で十分に評価されているとみる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/12 06/9 3Q 06/12予 07/12予
売上高(百万円)
218

239
84.6%
403
73.7%
700
営業利益(百万円)
1

62

107
43.9%
154
経常利益(百万円)
-1

31

69
114.9%
147
当期利益(百万円)
-9

27

63
120.8%
139
総資産(百万円)
純資産(百万円)
99
3
426
397

--
--
株主資本比率(%) 2.5% 93.2% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
7.3%
6.7%
--
--
--
--
発行済株式数 19.92 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
127
1,341
19,941
3,154
--
6,965
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
デジタルコンテンツの制作・販売、ゲームソフトの開発・販売・配信
 テラネッツは、デジタルコンテンツの制作とオンラインゲームの運営を主たる業務として、オーダーメイドCOM事業、ネットワークコンテンツ事業、企画営業事業を行っている。

 オーダーメイドCOM(OMC)事業は、イラストレーターやライターなど、創作を行う技術を持つ人々をとりまとめて、専用に開発したインターネット上の運営管理システムによって、消費者向けまたは企業間取引向けに提供する事業。06年度上半期の登録クリエーターは3,000人以上。

 ネットワークコンテンツ事業では、オンラインゲームの企画・開発・運営、アバターの制作・販売、トレーディングカードゲームの制作・販売を行っている。

 企画営業事業では、コミュニケーションサイトの運営管理、メディア関連企業・携帯電話関連企業のニーズに対してコンテンツを提供している。具体的には、タカラトミーの版権を管理するティーツーアイエンターテイメントとの共同事業で、「リカちゃん」のバーチャル着替えサービスや、携帯電話のデコレーションメールの素材提供を行っている。

情報開示の状況
まだ開示なし
 テラネッツのウエブサイトには、2月1日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。関連情報としては、決算広告と会社概要、上場関連のニュースリリースが掲載されている程度になっている。
収支の状況
07.12期予想の達成可能性は、「??」
 05.12期は、東京に保有していた実在店舗を経費削減のために閉店し、ウエブ上での継続とした。オーダーメイドCOM事業の売上高は前年割れした一方、ネットワーク事業の売上げが伸びたことで、売上高全体では前期比+9%の増収となった。先の経費削減策などによって、経常損失は前期の約51百万円から約1百万円弱まで縮小した。

 06.6中間期では、アバターの受注が拡大した模様。
 
表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
             05.12期 06.6中
オーダーメイドCOM  75 -14.7% 59
ネットワークコンテンツ142 +29.6% 63
企画運営         -   -   45
合計           218 +9.8% 168

 06.12期は第3四半期まで実績が出ているが、実績の進捗率からみると、通期の業績予想の達成にはややリスクがあるように見える。

更に、07.12期の業績予想では、06.12期の見通しを遥かに上回る予想が提示されている。テラネッツの業績は足元では好調そうだが、アバター制作とリカちゃんの着替えサイトの貢献が大きい模様。これらのコンテンツ事業を次年度も維持するだけで、07.12期の高い目標が達成されるとは、信じがたい。07.12期の業績見通しについては、もう少し詳細な説明がないと投資家としてはに納得できないだろう。

 テラネッツは当期未処理損失が残っているために、実質的な法人税の負担がこれまで無い状態だった。07.12期の業績予想でも、まだ負担は発生しないと見込んでいる模様で、以降の年度には当期利益が税負担分減額されることになる。

株式の状況
ベンチャーキャピタルの保有分は無視出来ないウエイト
 ストックオプションは、発行済み株式数に占めるウエイトはそれほど高くない上、当面行使できない。ベンチャーキャピタルの保有株については、全体に占めるウエイトが約2割と比較的高い上に、ロックアップの対象にはなっていない。公募・売り出しの枚数を超える売り圧力がある。

A. 発行済み株式数 17,420株
B. 公募 2,500株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 500株(売出し元は会社関係者400株、法人100株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 1,325株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 19,920株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 4,100株
既存株主へのロックアップ情報: 売り出し人になっている会社関係者1名に180日間。対象株数は2,540株。また、ストックオプションは上場後180日間の保有確約の対象。(元々行使可能になるのは、その先だが)

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
06年5月  1,325株 8万円 08年6月〜15年4月

 目論見書での想定発行価格は12万円で、この価格に基づく公募によるテラネッツの手取り概算額は263百万円とされている。資金使途は、200百万円を設備投資に、残額を運転資金に充当する予定。



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