IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
中広(2139 名証セントレックス)IPO |
当面は、公募価格近辺での評価が妥当と想定 06.3期に大口の広告主が消失したことで一気に減収減益となり、07.3期はその後の業容拡大によって対前期では増収増益の見通しだが、それでも、大口契約のあった05.3期の水準までには回復しない。 こうした大口契約の有無による業績の変動が大きくなる可能性があることと、ベンチャーキャピタルの保有株放出による軟需給の可能性があることを考慮すると、07.3期業績予想ベースのEPS約33円に対して、PER8倍強で設定されている想定公募価格は、妥当な水準に思える。 まずは1%を切る可能性の高い配当性向をもう少し上げるところから、会社には考えて欲しいところ。 個別データ(肩は対前期比(%))
中広は、広告代理、販売促進策の企画運営等の広告事業と、これに加えての新規の自社媒体事業として、中部地区を中心に、地域限定型の月間生活情報誌の各家庭への無料配布や、求人情報誌の発行、教育研修の企画運営と通信販売を行っている。 自社媒体事業は、生活情報誌部門と求人情報誌部門、教育研修部門、通信販売部門に4区分される。 生活情報誌部門では、岐阜県可児市・美濃加茂市をターゲットに約53千部、高山市周辺をターゲットに50千部、大垣市・瑞穂市をターゲットに73千部、多治見市をターゲットに45千部、各務原市をターゲットに53千部、彦根市で50千部、桑名市45千部、鈴鹿市58千部、中津川市・恵那市30千部、関市・美濃市35千部となっている。(部数は06.12月) 求人情報部門では、地域ごとに求人情報を集めて、求人情報誌を新聞折り込みによって配布している。06.12月末時点では、岐阜県6地区、愛知県2地区、滋賀県1地区の9地区で配布している。発行は週刊、月2回など、エリアによって異なる。 教育研修部門では、民間企業・地方自治体・社会福祉協議会・学校等各種団体の研修・講演会・コンサート・シンポジウム・セミナー等の企画運営を行っている。この部門では広告代理業務を活用して、媒体による告知・ポスター等の制作を行うほか、クライアントニーズによって、講師の送迎やアフターフォローなどのサービスまで行っている。年間の企画本数は約300本。 通信販売部門では、4店舗でインターネット通販を行っている。 広告事業では、広告主の要望に応える媒体の選択、デザインの提案、販売促進策の企画運営を行っている。主な取り扱い媒体は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット・各種印刷物。 営業拠点は、岐阜・名古屋・東京・大阪の4拠点で、岐阜・名古屋では主に教育分野・不動産分野の広告を取り扱い、東京では主にエンターテイメント、福祉分野を中心に広告を取り扱っている。 |
06.3期は自社媒体事業では、生活情報誌のカバーエリアを彦根・瑞穂市にまで拡大したこと、教育研修部門で求人求職マッチングイベントを実施するなどしたことによって、対前期比+約10%の増収となった。 広告事業では、アビバジャパン向けの売上がなくなったことで、対前期比 - 約26%の減収となった。アビバ向けの売上高は05.3期で約1.5百万円だったので、この分を除いたベースでは、06.3期も対前期比では増収になっている。 06.9中間期では、自社媒体事業で生活情報誌のカバーエリアを桑名市・鈴鹿市まで拡大、インターネット通信販売では、楽天サイトのページ充実と商品ラインナップの充実を図った。広告事業では、期中に大阪支社を開設し、ハウジング関連を中心に、新規広告主の開拓と取り扱い広告の増加を図った。 07.3期予想では前期にアビバ向けの大口売上が消失したこと以降は、特に目立った変動は無い模様。中間期の売上高進捗率は、通期見通しのほぼ半分となっている。利益項目では、通期見通しの半分の実績に達していない点は若干気懸かりだが、今期はおおむね順調に推移していると考えてよいように感じる。 表1 事業セグメント別販売実績(百万円、前期比%) 06.3期 06.9中 自社媒体 1,321 +10.3% 738 広告 2,905 -27.0% 1,497 合計 4,227 -18.4% 2,235 05.3期は、特別損失で和解損失を約162百万円計上し、法人税等調整額として法人税の戻りが約148百万円あったために、この両者でほぼ相殺されることになり、経常利益額と当期利益とがほぼ同額の水準になった。
ベンチャーキャピタルの保有株式の総数630千株のうち、約200千株は売り出しの対象になっている。上場後に市場放出される可能性があるのは、約400千株となる。発行済み株式数に占めるウエイトとしては、特別に大きいものではないが、公募・売り出しの規模が小さく、地方証券取引所での上場ということで取引数が大きくはならないことを考慮すると、ネガティブ要因になりえる。ストックオプションについても、同様の影響が考えられる。 A. 発行済み株式数 6,200千株(単元1,000株、05.11に1:100株式分割後) B. 公募 500千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 250千株(売出し元は会社関係者25千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 458千株 E. うち潜在株式に算入する数 458株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 7,158千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 630千株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年2月 458千株 150円 07年4月〜15年1月 目論見書での想定発行価格は280円で、この価格に基づく公募による中広の手取り概算額は120百万円とされている。資金使途は、新規拠点展開のための事業所賃貸借費用、什器等リース費用、人材採用費用などの運転資金に充当する予定。
中広のウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。が、現在掲載されているコンテンツは、決算広告だけになっている。無いよりはマシだが、もう少しなんとかなるのではないかと思う。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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