2138ウェブドゥジャパンIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ウェブドゥジャパン(2138 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

業績面だけで判断した株価高騰は期待しにくく、事業の成長イメージが頼り
 インターネット関連、中でもIT人材派遣と広告関連のビジネスモデルのため、成長性の期待が高いところだが、07.3期見通しまでの状況では、意外なほど伸びていない。

 一方で、07.3期見通しベースのEPSによる想定公募価格のPERは約40倍となる。これは近い将来に利益額が倍増するイメージだが、足元の業績から判断すると、携帯サイトでの広告ビジネスが軌道に乗って拡大するなどの新たな展開が発生しない限り、しんどいのではないかという印象を受ける。

 過去に185千円でストックオプションを発行していることも、公募価格の設定に影響している可能性もある。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3会予
売上高(百万円)
1,852
+51.6%
2,808

1,654
+26.1%
3,541
営業利益(百万円)
65
+331.9%
281

89

--
経常利益(百万円)
63
+340.0%
275

87
+5.2%
290
当期利益(百万円)
45
+186.5%
130

50
+24.2%
162
総資産(百万円)
純資産(百万円)
671
101
1,234
462
1,145
512
--
--
株主資本比率(%) 15.0% 37.4% 44.7% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
9.3%
45.2%
22.3%
28.2%
7.6%
9.8%
--
--
発行済株式数 39.688 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,146
2,535
3,283
11,631
1,268
12,899
4,078
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
IT関連の業務受託・請負業、携帯電話に特化した広告業等
 ウェブドゥジャパンは、自社運営の仕事検索サイト「CROOZ! キャリア」を媒体とし、IT・インターネット業界に特化した人材ビジネス事業と、携帯公式コンテンツの配信や、企画・開発・運用を中心としたコンテンツビジネス事業、自社開発による携帯電話専用ロボット型検索エンジン「CROOZ!」を活用した、キーワード連動型広告サービスを展開する広告ビジネス事業の3事業を、法人・個人向けに提供している。

人材ビジネス事業では、テクニカルアウトソーシングサービス、人材紹介サービス、人材派遣サービスの3サービスを、IT・インターネット業界に特化して行っている。また顧客の要望に応じて、紹介予定派遣サービスも行っている。さらに、これらのサービスを行うために必要な人材の確保・維持を目的として、自社媒体として仕事検索サイトを運営している。

 テクニカルアウトソーシングサービスは、あらかじめウェブドゥジャパンに登録している個人のITプロワーカーを選定して、取引先企業とウェブドゥジャパン、ITプロワーカーの3者間で委託作業内容の合意が出来た場合に、この3者間で期間を定めた業務委託契約または請負契約を締結し、取引先企業にサービスを提供している。

 人材紹介サービスでは、職業安定法に基づいて有料職業紹介事業を、人材派遣サービスでは労働派遣法に基づいて、一般労働者派遣事業を行っている。

 コンテンツビジネス事業では、携帯コンテンツ配信事業者から、携帯電話用ゲームなどのエンターテイメント系コンテンツの企画、サイト開発、アプリ開発、デバッグ、運用、保守を一括、または部分的に受託する受託開発サービスと、使用許諾を受けた著作物をもとに自社開発したコンテンツを、通信キャリアの公式サイトを通じて配信するコンテンツプロバイダーサービスを展開している。

 コンテンツビジネス事業では、コンテンツ配信事業者から受託開発費用と保守運用費用、レベニューシェアにより会員数に応じた収益を得ており、ユーザーからは、通信キャリアを通じて、月額利用料を収益として得ている。

 広告ビジネス事業では、自社開発の検索エンジンから検索したキーワードによって表示されるキーワード連動型広告や広告配信システムによって表示されるキーワード連動型広告を一般ユーザーがクリックすることで、ウェブドゥジャパンが広告主から収益を得ている。

 一般ユーザーが広告をクリックすることで発生する収益については、自社サイトの場合には、代理店手数料を除いたものがウェブドゥジャパンの収益となり、提携サイト内の場合には、だ入れ点手数料と提携サイトへの媒体費を除いたものがウェブドゥジャパンの収益となる。
収支の状況
07.3期通期見通しの達成にはやや不安感あり
 06.3期は、人材ビジネス事業では、IT・インターネット業界の景況感が回復基調になっていることを受けて、需要が堅調に推移したことなどで、売上高は前期比+約59%の増収となった。

コンテンツビジネス事業では、携帯電話で受信可能な地上デジタル放送の開始や第三世代携帯電話が本格的な浸透時期になったことを背景に、市場が堅調に成長しており、売上高では対前期比+約26%の増収。

 06.9中間期でも、人材ビジネス事業に関しては、景況感の回復が継続していること、コンテンツビジネス事業では、既存のスロット・パチンコ携帯ゲームコンテンツの受託開発などの新規自社コンテンツのサービス追加があったことなどで順調に推移している模様。

 広告ビジネス事業では、キーワード連動型広告サービスに注力して、売上高は増加基調にあるものの、06.3期は営業損失を計上しており、06.9中間期でも、サービスの付加価値への追加投資や営業人員の増強などのコストアップがあり、引き続き営業赤字の事業となっている。

表1 事業部門別の売上高・営業利益の実績(売上高/ 営業利益、百万円、前期比%)
                     06.3期       06.9中
人材ビジネス     1,508(+59.2%)/ 41(+7.1%)   893/ 17
コンテンツビジネス  1,138(+26.1%)/ 330(+211.4%) 539/ 174
広告ビジネス       160(--)/ -91(--)      221/ -102
合計          2,807(+51.6%)/ 280(+331.9%) 1,653/ 89

 07.3期の会社発表業績見通しでは、売上高こそ前期比+約26%の増収が見込まれているものの、利益ベースではほぼ前期並みにとどまる見通しとなっている。また、06.9中間期の進捗状況をみると、決して良いものではなく、ネット関連の事業構造から、下期に利益偏重傾向にあるのかもしれないが、この季節変動についても特段の記載はされていない。通期見通しが本当に達成できるペースなのかは、現在の状況では判断しにくい。

株式の状況
ストックオプションのウエイトは大きいが、大半の行使開始は上場から半年後
ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは低いものの、ストックオプションの未行使残高は大きい。発酵済み株式数に占めるシェアは1割を超える。ただし、大半は07年8月以降にしか行使できないため、上場直後の時点では流通しない。

A. 発行済み株式数 31,247株(06.2に1:5株式分割後)
B. 公募 2,500株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 4,600株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 5,988株
 E. うち潜在株式に算入する数 5,941株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 39,688株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 136株
既存株主へのロックアップ情報:ないが、06.3の第三者割当増資1,247株は保有確約対象

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
05年8月  5,940株  35,000円 07年8月〜15年8月
06年3月    47株  185,000円 08年3月〜16年3月
同上       1株  185,000円 06年3月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は17万円で、この価格に基づく公募によるウェブドゥジャパンの手取り概算額は約375百万円とされている。資金使途は、企業ブランドイメージ向上のための広告宣伝費等の運転資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示されている
 ウェブドゥジャパンのウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、ニュースリリースとIRカレンダー、決算広告となっている。ニュースリリースには、上場関連の資料と業績見通しが掲載済み。また、社長ブログが開示されているが、更新は06年10月で止まっている。



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