IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
あおぞら銀行(8304 東証)IPO |
最終的には優先株式の処理方法次第だが、この分を考慮すると割高か 想定されている売出し価格590円に対して、会社発表の今期業績予想ベースのEPSは、優先株考慮前で25円、全優先株式の考慮後で約20円となる。このベースでの対売出し価格のPERは、23〜30となる。他の大手金融機関と比較すると、優先株式を考慮する前段階で、既に他行のバリエーションに並ぶ水準になる。 優先株式の存在に目をつぶれば、或いは、優先株式が消却されるということであれば、妥当な売り出し価格と考えられなくもないが、優先株式の存在を考えると、売り出し価格には割高感がある。 連結データ(肩は対前期比(%))
あおぞら銀行グループは、あおぞら銀行と連結子会社9社で構成されている。事業分野は銀行業務が中心で、本店と支店17店において、預金業務・貸出業務、内国為替業務、外国為替業務と債券業務を行っている。 証券業務部門では、商品有価証券売買業務や有価証券投資業務と、投資信託の窓口販売を行っている。また、06年4月には提供商品の拡大を目的に、あおぞら証券を設立した。 また、子会社では信託業務を行っているほか、債権管理回収業務、ベンチャーキャピタル業務、国債業務等を子会社で行っている。
あおぞら銀行のウエブサイトには10月17日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースとして、上場関連の資料が掲載されているだけとなっている。大手金融機関としては、お粗末な現状となっている。 グローバルオファリングなので情報開示が統制されている点は理解するとしても、英語ページには上場の件自体がリリースされていない点など、準備不足の感がある。 |
06.3期は、資金利益以外の非金利収入が前期比+約59%と増加し、更にコストダウン効果と、ローンポートフォリオが改善したことで与信関連費用が409億円の益となった。これらによって、経常利益・当期利益では対前期で増益となった。 06.3期は前期同様に特別損益で貸倒引当金取崩し額を計上しているが、前期よりも金額を大きく計上していること、更に法人税調整額でのプラスも前期と比較して大きくなっている。こうした要因によって、経常利益よりも税引き後利益のほうが大きくなっていることに加えて、大幅な対前期での増益となった。 経営再建が進むに連れて、年次を追って収益水準は向上しているが、今期の見通しでも法人税の実施的な負担は織り込まれていない。下記のように優先株が残っており、これの普通株への転換が進み、普通株式が希薄化することも考慮する必要がある。希薄化を最大で見積もった場合の今期見通しベースEPSは約40円となっているが、法人税の負担を考慮すると、実態は約20円となる。 優先株式の普通株転換に伴う希薄化効果は約2割なので、法人税考慮後・希薄化考慮前でのEPSは約25円とみる。 ■優先株式 あおぞら銀行は、経営破綻〜再建のプロセスで、整理回収機構等を引受け先とした優先株式を発行しており、現在でも第四種と第五種の優先株式が残っている。これらの普通株式への転換条件等については、以下の通り。 #4甲種優先株式 残存株数 24,072千株 当初払込価格 500円 普通株取得の条件 優先株1株に対して普通株5株 一斉取得の期日 18年4月 一斉取得の条件 1000円を取得日直前の平均価格で割った数を優先株数に乗じる #5丙種優先株式 残存株数 258,799株(整理回収機構が売り出し時に行使した174,534千株を除く) 当初払込価格 600円 普通株取得の条件 市場平均価格に基づく取得価格(450円〜540円の幅)で600円を割ったものに、優先株数を乗じる 一斉取得の期日 12年10月 一斉取得の条件 600円を直前の市場平均価格で割ったものに優先株数を乗じる 以上の行使条件と、想定売出し価格が590円とされていることを合わせて考えると、第四回も第五回も、一斉取得を待たずに行使したほうが、条件が良い。特に、第四回の「取得比率5」は、破格の好条件となっている。 一斉(強制)取得までは共に相当な期間があるが、適宜行使される可能性があるので、第四回については、取得比率5として、普通株120,360千株相当、第五回は、行使比率1程度と想定して普通株258,799千株相当と考えて、計379,159千株の潜在株式と考える。
あおぞら銀行は06年9月に2:1の株式併合(普通株式・優先株式とも)を実施し、06年9月時点の発行済み株式数は、普通株式約1,417,435千株(取引単位は千株)、優先株式約457,405千株で、整理回収機構が174,534千株の優先株の取得請求権を行使することによって普通株式は約232,712千株増加する見通し。 上記の優先株の行使条件も考慮した上で、売り出し時に増加する普通株式を加えて、上場時点の想定発行済み株式数は、2,029,306千株とした。(目論見書は#5丙種を取得価格450円で普通株に換算して、計2,115,573株としている。) 上場にあたっての公募はなく、売り出しが615,809千株(うち国内338,695千株)とオーバーアロットメントによる売出しが50,804千株予定されている。目論見書での想定売り出し価格は590円。 売り出し人であるサーベラス、オリックス、東京海上、整理回収機構には180日間のロックアップが付されている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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