7825SRIスポーツIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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SRIスポーツ(7825 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:その他製品

高く評価できる点を見つけること自体が難しい銘柄
会社発表の07.12期想定EPS約12千円に対しての想定公募価格21万円は、PER約17倍となる。SRIスポーツの業績面では、売上高はヒット商品の開発・販売状況次第だが、ほぼ横ばい〜微増、利益面では原料コスト増もあって、こちらも大きな伸びは期待しにくい。

 資本関係からは、住友ゴムとの親子上場となる。スポーツ用品については、親会社の事業との関連性が薄いことから、市場に開放するという趣旨だろうが、評価される点とはならない。株式の需給面では、唯一の既存株主である親会社にロックアップが付されている点が評価されるだけとなる。

 以上を考慮すると、高く評価できる点がなかなか見付からない状態で、公募価格には特に割安感がない。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 04/12 05/12 06/6中 06/12予
売上高(百万円)
57,707
-4.6%
55,060

29,882
5.9%
58,303
営業利益(百万円)
11,352
-38.1%
7,026

4,893

--
経常利益(百万円)
11,228
-35.2%
7,274

4,931
1.2%
7,359
当期利益(百万円)
6,329
-43.4%
3,582

2,192
-2.3%
3,501
総資産(百万円)
純資産(百万円)
38,991
20,500
44,237
22,169
46,012
25,374
--
--
株主資本比率(%) 52.6% 50.1% 55.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
28.8%
30.9%
16.4%
16.2%
10.7%
8.6%
--
--
発行済株式数 290 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
21,824
70,690
12,352
76,445
7,559
87,497
12,072
--
配当(円/株) 8,150 4,000 2,000 --

事業概要
各種スポーツ用品の製造、販売
 SRIスポーツは、03年7月に、スポーツ用品の製造・販売に関わる事業を承継する住友ゴムの100%子会社として設立された。設立と同時にオーツタイヤ(株)と(株)日本ダンロップを吸収合併し、現在に至る。SRIスポーツは、当社と子会社17社、関連会社3社で構成され、「スポーツ用品事業」と「その他事業」を展開している。

 SRIスポーツの親会社である住友ゴムは、タイヤ事業、スポーツ事業、産業品その他事業などを展開しており、当社グループは、スポーツ事業に属している。

 スポーツ用品事業のうち生産・仕入れでは、ゴルフクラブについては、SRIスポーツがゴルフクラブヘッドを主に中国の関連会社から仕入れ、ダンロップゴルフクラブに有償支給し、同社で製品として完成している。ゴルフボールについては、企画・開発をSRIスポーツで行い、自社工場で生産しているほか、一部製品については子会社に委託生産している。シューズ、キャディバッグ、グローブ等のゴルフ用品については、主としてSRIスポーツで企画・開発したものを外部に生産委託している。

 テニス用品のうち、テニスボールについては、SRIスポーツが企画・開発したものを住友ゴムの子会社に生産委託しているほか、低価格品については、外部に生産委託している。ラケット等の用品については、一部を外部仕入先から仕入れているほか、SRIスポーツで企画・開発したものを外部に生産委託している。

 スポーツ用品事業の販売に関しては、国内ではSRIスポーツが生産・仕入れしたスポーツ用品を、主に全国の販売子会社を経由して、スポーツ量販店や専門店等に販売している。海外では、米国・マレーシア・英国・オーストラリアの子会社がスポーツ量販店やゴルフ場等に販売しているほか、台湾・韓国では現地代理店を通じて、スポーツ量販店等への販売を行っている。

 また、ライセンスビジネスとして、当社のブランドをスポーツウエアやスポーツシューズのメーカーに貸与し、ライセンス収入を受け取っている。

 その他事業としては、ゴルフトーナメントの運営や、ゴルフ・テニススクールの運営等を子会社で行い、ゴルフ場の運営を子会社・関連会社で行っている。
収支の状況
「ゼクシオ」の販売状況と原料コストの影響が大
 05.12期は、前期に発表して売上に貢献したゴルフクラブ「ゼクシオ」が2年目となり、販売が鈍化したことで、スポーツ用品事業では対前期比4.8%減の49,085百万円、売上高全体でも対前期比4.6%減の前期と比較して減収となった。更に、住友ゴムからスポーツ用品に関わる産業財産権を買い取ったこと(買取り金額が約82億円、過年度の支払い料が約11億円)に伴う償却費やロイヤリティの清算等が発生し、コスト増加要因となった。こうしたことから、利益面でも、営業利益以下では対前期比で減益となった。

 06.6中間期では、スポーツ用品事業でゴルフクラブの主力商品「ゼクシオ」を全面的にモデルチェンジし、1月から順次発売を開始し、更に4月からはヘッドやシャフトの色を選んで組み合わせることができる「カラーカスタム」の受注を開始したことも寄与して、ゴルフクラブの販売は好調となった。

 ゴルフボールでは、新製品3種類を販売開始したものの、ボール全体では継続品が振るわなかったことで軟調に推移、キャディバック・シューズなどのゴルフ用品では新製品の投入によって前年同期並みの売上を確保した。テニス用品は国内・海外の両市場で共に好調に推移し、特に韓国向けの販売が増加した。

 その他事業では、連結子会社で運営していたゴルフスクール事業を持分法適用会社に移管したことで、売上高は減少している。

 費用面ではゴルフクラブやゴルフボールの原材料であるチタン、カーボン繊維、合成ゴム等の価格が上昇したことがコスト増加要因となっている。

 07.12期の会社発表業績予想では、若干の増収と、当期減益が見込まれている。原材料価格については会社想定を超えて上昇する可能性もあるが、中間期での進捗状況をみると妥当な見通しとみられる。

【表1 事業の種類別セグメントでの販売実績(百万円、%)】
             05.12期 前期比 06.6中
  ゴルフ用品     42,605 -5.9%  24,917
  テニス用品      5,990 +3.1%  3,252
  ライセンス収入     490 -0.3%   227
スポーツ用品事業計 49,085 -4.8%  28,397
その他事業        5,974 -2.7%  1,485
合計           55,060 -4.6%  29,882

 スポーツ用品事業では、ゴルフクラブ等の新製品の発売が1〜3月に集中する一方、旧モデルの特価販売が下期に行われることが多いため、売上高では上期・下期でのウエイトに差はないものの、利益ベースでは上期に偏る傾向にある。04.12期実績では、利益ベースで7:3程度で上期に偏っている。

株式の状況
VCの保有やストックオプションの無い、親子上場
 SRIスポーツは05年9月に1:2の株式分割を実施し、06年6月時点の発行済み株式数は260千株となっている。上場にあたっての公募が30千株、売り出しが70千株(売り出し元は親会社住友ゴム工業)、オーバーアロットメントによる売出しが15千株予定されている。ストックオプション等の希薄化要素は存在しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は290千株とした。

 目論見書での想定発行価格は21万円で、この価格に基づく公募によるSRIスポーツの手取り概算額は、約5,935百万円とされている。資金使途は、生産・技術研究開発のための設備投資に2,800百万円、国内外の販売体制の整備と商品の安定的供給体制の構築のための投融資に2,200百万円、残額935百万円は借入金の返済に充当する予定。

 公募・売り出しの前時点では、株主は親会社である住友ゴムが260千株を100%保有している。このうち70千株以上が売り出し対象となっているので、上場後の親会社シェアはおよそ60%前後になる。住友ゴムに対しては上場後180日間のロックアップが付与されている。しかも、支配権を保持するためには、これ以上市場売却することは住友ゴムにとっては好ましいことではない。ロックアップの有無に関わらず、既存株主である親会社が上場後に追加で保有株を売却することは考えにくい。

情報開示の状況
開示なし
 9月12日時点でSRIスポーツのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されていない。参考になる情報としては、財務諸表が1期分掲載されているだけとなっている。



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