6258平田機工IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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平田機工(6258 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

業績は高原状態か
 06.3期はFPD関連と自動車関連の需要増加によって大幅な増収増益決算となったが、07.3期見通しでは、需要増加も落ち着いて前年度並みの高い水準を維持する見通しとなっている。

 今の段階ではここから先の業績の伸びは織り込みにくいので、今期業績ベースでのEPS1,500円に対してPER約17倍となる想定公募価格は、高くも無く安くもない印象。どちらかと言えば、先行き決算の下振れリスクやベンチャーキャピタルの保有株売却リスクなど、ネガティブな項目があるので、公募価格以上の価格付けは難しいかもしれない。

 むしろ配当利回り株として、50円=公募価格に対して2%ぐらいの配当を行ったほうが、株価の安定には良いように思う。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 07.3会予
売上高(百万円)
36,088
23.3%
44,457
1.2%
45,000
営業利益(百万円)
1,581
93.9%
3,065

--
経常利益(百万円)
1,382
119.8%
3,039
2.0%
3,100
当期利益(百万円)
707
80.9&
1,278
25.2%
1,600
総資産(百万円)
純資産(百万円)
50,559
13,404
59,414
14,747
--
--
株主資本比率(%) 26.5% 24.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
2.7%
5.3%
5.1%
8.7%
--
--
発行済株式数 10.756 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
65.7
1,246
118.8
1,371
148.8
--
配当(円/株) 10 12.5 17.5

事業概要
自動車関連とFPD関連生産設備を主とした自動省力機器の製造販売
 平田機工グループは平田機工と連結子会社13社で構成されており、自動車関連生産設備とFPD関連生産設備、自動省力機器の製造・販売を主たる業務としている。

 自動車関連生産設備では、主に国内・北米の自動車メーカーのエンジン・トランスミッション生産設備の製造・販売を行っている。

 FPD関連生産設備では、フラットパネルディスプレイ生産設備の製造・販売を行っているが、スピンレス塗布ユニットを搭載したFPD用レジスト塗布装置を開発したことで、液晶パネルの大型化への対応を行っている。また、液晶やカラーフィルター業界向けの搬送・ハンドリングシステムも生産している。

 半導体関連生産設備では、主に半導体製造前工程での熱処理装置と搬送・ハンドリング装置等を生産している。また、半導体製造装置で使用している真空技術を応用して、有機EL製造装置も手掛けている。

 物流機器・家電関連生産設備としては、無人電車や立体自動倉庫等でのロジスティックシステムを含めた生産設備を製造し、主にタイヤ業界向け・家電業界向けに販売している。
収支の状況
北米向け自動車関連とFPD関連で好調だが、07.3期で伸びは一服か
 06.3期は、自動車関連で、北米を中心に自動車エンジンラインの受注が好調であったことで対前期で増収となった。FPD関連でも、2,160mm×2,460mmのガラス基板を使用する第8世代のFPD関連の受注が堅調、半導体関連で売上時期が遅れるものがあった模様だが、物流機器・家電関連でもタイヤ生産設備の受注が伸びたことで、増収となった。

 06.3期の当期利益は、貸倒引当金繰入額を184百万円、特別損失に計上したこと等によって、経常利益と比べて減少している。

表1 事業部門別の06.3期販売実績(百万円、%)
自動車     17,456 +13.2%
FPD       10,431 +23.5%
半導体      5,022  -2.5%
物流機器・家電 8,519 +107.6%
その他      3,027  +1.9%
合計      44,457  +23.2%

 07.3期はFPD分野で国内での主要顧客の投資が引き続き堅調であり、自動車分野では国内メーカー向けの需要増加を見込んで、対前期比で+1%程度の若干増収を見込んでいる。経常利益についても、ほぼ横ばいの見通し。当期利益については、前年度に特別損失を計上したことの反動で増益となるだけで、今期見通しが本来の水準に戻るだけのことになっている。

 06.3期実績から07.3期予想への流れをみると、印象としてはFPD関連と自動車関連の好況も今期で落ち着くように思われ、ここからの更なる業績の伸びは今の段階では織り込みにくい。

株式の状況
ストックオプションはないが、VC保有ウエイトはそこそこ
 06年11月の平田機工の発行済み株式数は9,256,090株(取引単位は100株)で、上場にあたっての公募が1,500千株、売り出しが500千株(売り出し元は自己保有124千株、会社関係者等376千株)、オーバーアロットメントによる売り出しが100千株予定されている。ストックオプション等の希薄化要素は無い。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は10,756千株とした。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は、株主名簿から約984千株と推定する。ベンチャーキャピタルを含めた全ての既存株主にはロックアップは付されていない。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは約1割となる。

 目論見書での想定発行価格は2,500円で、この価格に基づく平田機工の公募による手取り概算額は、約3,467百万円とされている。資金使途は、事業の拡大・効率化を目的とした工場建屋の建設と機械装置購入の資金に176百万円、有利子負債の返済に2,810百万円、新会社の設立資金と子会社の持分買取費用として481百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 平田機工のウエブサイトには、11月11日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースは結構マメに発表されており、上場承認のニュースは掲載されているが、それだけとなっていて、他に参考となる情報は掲載されていない。まだ同族企業の体質から脱していない印象。



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