3830ギガプライズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
| IPO初値分析・株式投資  | What's New  | LINKs  | SITE MAP  | IPO株日記  |

ギガプライズ(3830 名証セントレックス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

良い中間決算を早期に開示できていればよかったのでは
 07.3期の会社発表の業績予想が達成できることが確実なら、このベースでのPERが約25倍程度となる想定公募価格には割安感がある。

 それでも、在京の会社が名古屋に上場することの不自然さ等々のリスク要因がある上に、11月13日の段階では9月末の中間決算も開示されておらず、更に第一四半期実績の進捗状況をみると、通期見通しの達成には不安感のある状況になっている。

 今期の見通しが達成できることが一目瞭然になるような中間決算が、今後出ればよいのだが。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/6 1Q 07/3予
売上高(百万円)
1,061
16.6%
1,237

316
35.4%
1,675
営業利益(百万円)
36
189.3%
103

8

--
経常利益(百万円)
32
218.5%
102

6
76.8%
180
当期利益(百万円)
12
389.1%
59

3
76.1%
104
総資産(百万円)
純資産(百万円)
610
132
718
218
624
221
--
--
株主資本比率(%) 21.6% 30.3% 35.5% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.2%
9.2%
14.1%
27.2%
0.9%
1.5%
--
--
発行済株式数 14.334 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
846
9,190
4,137
15,186
233
15,435
7,283
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
マンション向けISP事業とシステム開発事業等
 ギガプライズは新築マンション、既存マンション、賃貸マンション、短期滞在型マンションに対して、マンションデベロッパーやゼネコン、電気設備会社等と連携して、マンション向けISP事業と生活総合支援ASP事業を行っている。

 マンション向けISP事業では、マンションの棟内ネットワークの設計、工事現場の調整、ネットワーク機器の調達・設定、インターネット回線の手配受託等を行うインターネットアクセスシステム導入サービスと、インターネットアクセスシステム導入工事の終了後に、主としてマンション居住者向けにインターネット接続や、メール、ホームページスペース、セキュリティWEBカメラ、IP電話等のサービスを提供するインターネットサービスとを行っている。

保守サポートサービスとして、インターネットマンションを提供する他の会社の電話サポート業務や現地機器保守業務も受託している。

 生活総合支援ASP事業では、ASPセキュリティシステムサービスとASPコンシェルジェサービスとを行っている。

ASPセキュリティシステムサービスでは、ソニーの入退室管理システム、ドコモ・システムズの留守モード等を提携販売し、韓国のHYNDAI TELEVOMMUNICATIONとホームオートメーションシステムの日本国内の独占販売契約を締結して、商品開発を行っている。また、気象庁の緊急地震速報を活用して、地震の発生を揺れが到達する前にインターホンで各家庭に知らせる防災システムについても開発中。

 ASPコンシェルジェサービスでは、マンション居住者へのポータルサイトの導入と運営サービスを行い、マンション居住者に掃除、メンテナンス情報、宅配情報等の管理情報サービスや、居住地域の地域情報、居住者間のコミュニケーションサービス等を提供している。

 また、システム開発事業として、業務系、制御系、ブログ系、モバイル系、SNS系などのアプリケーションソフトの開発受託を行っている。
収支の状況
第一四半期の進捗割合でいけば、07.3期通期見通しは未達ペース
 HomeIT事業では、ワンルームマンション向けのインターネットアクセスシステムの工事割合が増加(ワンルーム向けの他の種類と比較して売上単価が高いのかは不明)、05年9月には短期滞在型マンション向けへのインターネットサービスの営業権を他社から譲り受けて、その後ギガプライズで営業を開始した。また、ホテルやオフィスビルへのLAN工事、保守運用サービスも開始したこと等もあって、同事業での06.3期売上高は前期比+約19%の増収となった。

 システム開発事業では、医療福祉分野向けが安定的に推移したほか、大手企業が運営する点ターネットサービス向けシステム、ECサイト向けシステム、インターネットリサーチ会社向けシステム等を開発し、06.3期売上高は対前期比+約13%の増収となった。

表1 事業部門別06.3期の販売実績(百万円、前期比%)
HomeIT    621 +19.9%
システム開発 602 +13.7%
その他     13  +7.6%
合計     1,237 +16.6%

 収支の季節変動としては、マンション建設工事の竣工とシステム開発の委託元である企業の検収が3月に集中するために、売上高が第四四半期に集中する。逆に12月には給与の追加支給があるとのことで、第三四半期の労務費が増加し、第三四半期の損益が悪化する。

 以上の事情は下半期の中での出し入れになるが、上期・下期のバランスで過年度実績をみると、売上高で40-45:55-60のバランス、利益ベースでは55-80:20-45のバランスとなっている。利益面では上期計上のウエイトが高い傾向にある。

 以上を考慮して、07.3期の第一四半期実績と通期予想とを比較すると、第一四半期実績は売上高については、通期見通し達成ペースとなっているが、利益額では、若干苦しい印象を受ける。第一四半期の費用計上について特殊な事情があったのかもしれないが、特に開示されていない。このままのペースでいけば、05.3期実績並みの低水準に利益額は戻ることになる。

株式の状況
ストックオプションの影響は軽微だが、ロックアップウエイトも低い
 06年10月時点のギガプライズの発行済み株式数は13,015株で、上場にあたっての公募が1,000株、売出しが200株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように319株あり、上場半年程度で全数が行使可能となるので、潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は14,334株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
00年8月 10株 25,050円 02年9月〜10年7月
05年3月 191株 5万円 07年4月〜14年3月
05年3月 118株 5万円 05年4月〜14年3月

 目論見書での想定発行価格は18万円で、この価格に基づく公募によるギガプライズの手取り概算額は約150百万円とされている。資金使途は、借入金の返済と運転資金に充当する予定。

 14法人の既存株主には1年間のロックアップが付されている。ロックアップ対象の株式数は1,540株。ロックアップの期間が1年と長く設定されているのは珍しい。ベンチャーキャピタル系の株主は、株主数も保有株式数も多くはないが、全数がロックアップ対象となっている模様。

 結論としては、ストックオプションの行使による希薄化効果は小さい反面、ロックアップのウエイトも低い状態。

情報開示の状況
開示あり、上場前段階としては十分
 ギガプライズのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージ、財務ハイライト、業績見通し等のニュースリリースと、上場前段階としては必要な情報が揃っている。



IPOを申し込む時に便利な銀行・証券会社はどこか?管理人が解説します > 「IPOのための証券会社・銀行選び」

 | 2006年IPO一覧(既上場)  | IPO初値分析・株式投資 |
本資料における個別銘柄に関する注意事項
 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
その他の重要な注意事項
本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送