3823アクロディアIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
| IPO初値分析・株式投資  | What's New  | LINKs  | SITE MAP  | IPO株日記  |

アクロディア(3823 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

高い成長性を持ち、人気化する可能性はあるものの、業績予想の達成には不安感も
 携帯電話向けのミドルウエアを提供する業態であり、足元では高い成長率になっている上、今後の成長性も高いとみられ、面白い銘柄といえる。

 一方で、06.3期は特需が発生したことで大幅な増収となったものの、07.3期見通しでは、理由がはっきりしない中で、更に大幅な増収が予定されており、業績の下振れリスクは存在する。また、ベンチャーキャピタルの売却圧力とストックオプションの行使による希薄化効果も一定量は織り込む必要がある。

 以上の要素を考慮しても、アクロディアの成長性は高く評価される可能性は高い。07.3期業績予想は本当に信頼できるのか、やや不安だが、これを達成する前提であれば想定EPS約2千円に対してPER約60倍で想定されている公募価格も、妥当な水準とみる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中予 07/3予
売上高(百万円)
205
424.5%
1,077

514
103.1%
2,188
営業利益(百万円)
13
527.7%
81

-86
269.6%
300
経常利益(百万円)
12
612.9%
84

-102
213.1%
263
当期利益(百万円)
2
3971.7%
69

-108
110.8%
146
総資産(百万円)
純資産(百万円)
221
175
1,192
854
--
--
--
--
株主資本比率(%) 79.1% 71.7% % --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.3%
1.0%
7.0%
8.1%
--
--
--
--
発行済株式数 71.63 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
24
2,439
967
11,926
-1,522
--
2,038
--
配当(円/株) -- -- -- --
05.3期は8ヶ月20日決算
事業概要
携帯電話等小型組み込み機器向けのソフトウエア開発・販売
 アクロディアは、ユーザーインターフェースを快適に動かし、ユーザーに意識されないミドルウエアを提供することに関連した事業として、コンサルティングと受託開発、自社製品開発販売の3事業を展開している。

 コンサルティング事業は、移動体通信事業者(キャリア)とソフトウエア開発事業者に対するソフトウエア立案・設計・販売等を支援する顧客コンサルティングを行っている。コンサルティングによって各顧客のニーズを吸い上げることで、そのソリューションを受託開発と自社製品開発販売に繋げて行く。ライセンス販売の拡大に繋げるためのビジネスの起点となっている。

 受託開発事業では、主に携帯電話向けソフトウエアの開発・販売について、キャリアや携帯電話メーカー等、ミドルウエアベンダー等からの受託開発を行っている。主として、自社製品開発販売事業につながる当社製品の試作やライセンス販売後に、携帯電話への製品搭載を受託している。

 自社製品開発販売事業では、主として携帯電話小型組み込み機器向けのソフトウエアの基盤となる技術の研究開発や、キャリア・携帯電話メーカー等に対する自社ミドルウエアのライセンス販売を行っている。主な製品は、自社開発した4製品と他社から譲り受けた1製品があり、更に現在は1製品を開発中。製品概要は以下の通り。

1. Vivid Message
絵文字への変換や3Dグラフィックス等によって、より動きのある電子メール・コミュニケーションを提供するミドルウエア。
2. Vivid UI
 従来固定されていた携帯電話のメニュー等のユーザーインターフェースをユーザーの嗜好に合わせて自由に選択したり、使い勝手の良いものに変換するためのミドルウエア。基本的なグラフィックから、より高度な3DグラフィックスやFlash Liteなどの追加機能のサポートも可能で、携帯電話端末に限らずに多様なプラットフォームにサービスを実現することが可能。
3. Vivid Audio
 携帯電話等による電子メールの送信時に、送信者が自分のボイスメッセージをDJ風のラップ調に変更したり、好みのBGMやサウンドエフェクトを付加して相手に送信できるようにするミドルウエア。
4. Vivid Ring
 予めグループ登録をしている家族・友人等の送信側が設定した楽曲を受信側の端末に流す、「着メロ」ではなく、「かけメロ」を実現するミドルウエア。
5. X-Forge
 高性能のゲームを制作するにあたって必要とされる開発環境の集合体をパッケージングした、次世代モバイルゲームの強化に有用なプラットフォーム。
6. Vivid Panorama
 ユーザーがデジタルカメラ搭載の携帯電話を動画撮影のように移動する操作をすることで、簡単にパノラマ画像を作成することができるミドルウエア。
収支の状況
業績は倍々での成長状態
 自社製品開発販売事業で韓国を中心とした海外での販売が貢献したこと、受託開発事業で試作案件の売上が増加したこと等が寄与したことによって、06.3期は増収増益となった。

 ただし、06.3期については、韓国の1社に対して、一部地域を除くワールドライセンスの独占権を販売したことで、総売上高の約58%を占める売上631百万円を1社で計上しているほか、販売手数料232百万円を計上している。こうした大規模案件は、今後も毎期発生する保証はなく、06.3期に固有の事情と考えたほうがよいだろう。

表1 06.3期 事業部門別の販売実績(百万円)
自社製品開発販売事業 780
受託開発事業       259
コンサルティング事業   37
合計            1,077

 07.3期の会社発表業績予想では、06.3期の大幅増収要因が韓国の1社に対する売り上げ計上であったにもかかわらず、更にこれを上回る増収とそれに伴う増益を予定している。目論見書の記載と第一四半期の実績をみても、これだけの増収の背景となる要素は見つからない。会社側では販売見込みがなにかあって、強気な見通しにしていると思うが、実証できるものが何も示されていない。今の段階では、今期見通しについては、会社発表からは若干割り引いて見ておいたほうがよいように思う。

 アクロディアの税効果会計適用後の法人税等の負担率は、05.3期が約85%、06.3期が約17%と、急激に変動している。これは両年度ともに交際費等永久に損金に算入されない項目によって約30%税率が向上していることと、06.3期に外国税額控除が算入され税率が低減していることが影響している。

 外国税額控除については、06.3期に特殊事情によって海外での売り上げが大きく計上されたことによる一時的なものと考えられる。一方、「交際費等・・」は毎期発生しているが、詳細な内容は開示されていない。このため、今後も引き続き発生するリスクがあると考えざるをえない。

 アクロディアの主要な販売先であるキャリアや携帯電話メーカーとの取引では、ライセンス販売に関わる契約締結・検収が下期に偏重される傾向にある。このため、アクロディアの売上高も下期に集中する傾向にある模様。

株式の状況
ストックオプションの大量行使は、07年10月以降
 06年6月時点のアクロディアの発行済み株式数は58,910株で、上場にあたっての公募が6,000株、売出しが6,000株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のようにあり、このうち6,720株は上場後1年以内に行使可能となる。この分を潜在株式として認識し、上場時点の発行済み株式数は71,630株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格    行使期間
04年7月  1,840株  1万円 07年7月〜14年6月
同上    2,360株  1万円 04年8月〜14年6月
同上      70株  1万円 07年7月〜14年6月
05年3月   550株  1万円 05年8月〜14年6月
05年6月  1,150株  25千円 07年7月〜15年6月
同上     120株  25千円 07年7月〜14年6月
06年3月   500株  25千円 07年7月〜14年6月
同上      30株  25千円 07年7月〜14年6月
同上    4,480株  25千円 08年3月〜16年3月
07年9月  5,750株  25千円 07年10月〜16年9月

 目論見書での想定発行価格は12万円で、この価格に基づく公募によるアクロディアの手取り概算額は、約639百万円とされている。資金使途は、研究開発費に約108百万円、設備投資に約26百万円、残額を事業拡大に伴う運転資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は、株主名簿では5,800株となっている。既存株主に対するロックアップは付されていない模様。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは約1割、ストックオプションの行使に伴う希薄化効果は向こう1年間では約1割(但し、その後には大量に行使可能となるものが控えている)となっている。既存株主には、取引先などの法人も多く含まれており、彼らが継続保有することを前提とすれば、VC、SOを含めて考えても、株式需給面では、特別に留意する必要もないと思われる。

情報開示の状況
開示はあるが、コンテンツは少ない
 アクロディアのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージだけしかない。一応、今後は開示していこうという姿勢は感じられる。



IPOを申し込む時に便利な銀行・証券会社はどこか?管理人が解説します > 「IPOのための証券会社・銀行選び」

 | 2006年IPO一覧(既上場)  | IPO初値分析・株式投資 |
本資料における個別銘柄に関する注意事項
 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
その他の重要な注意事項
本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。
SEO [PR]  カード比較 冷え対策 株価 動画無料 ライブチャット 小説 SEO