3238セントラル総合開発IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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セントラル総合開発(3238 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:不動産業

かなり堅めの公募価格の想定なので、さすがに割れることはないか
 過年度には保有資産の評価減や売却損などを計上したことから当期利益の数値は小さめになっているが、こうした特殊な要素が見込まれていない07.3期の業績見通しが、セントラル総合開発の実力と考える。逆に、この水準以上の成長も見込みにくい状況。

 07.3期見通しベースのEPS約180円に対して1,500円付近で想定されている公募価格はPER約8倍強となる。業績が安定的で伸びが見込みにくいこと、将来も減損損失の計上等のリスクがあること等のネガティブ要素はあるものの、最近の市況の悪さや東証二部上場のケースでの値動きの悪さも織り込んだ価格帯と考える。

 高い初値を形成することも考えにくい一方、公募価格を割り込むことも考えにくい水準。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3会予
売上高(百万円)
50,759
-3.4%
49,009

15,517
3.3%
50,609
営業利益(百万円)
3,215

3,894

353

--
経常利益(百万円)
2,248
30.6%
2,935

-204
-8.1%
2,698
当期利益(百万円)
417
232.1%
1,385

-110
4.8%
1,451
総資産(百万円)
純資産(百万円)
71,543
4,991
73,450
5,289
77,342
5,065
--
--
株主資本比率(%) 7.0% 7.2% 6.5% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.1%
8.4%
4.0%
26.2%
--
--
--
--
発行済株式数 7,880 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
52.9
633
175.8
671
--
643
184.1
--
配当(円/株) 10 15 -- 20

事業概要
マンション分譲を中心とする不動産販売事業と不動産賃貸・管理等
 セントラル総合開発グループは、当社セントラル総合開発と連結子会社1社から構成されており、分譲マンション・戸建て住宅の販売を行う不動産販売事業と、オフィスビルの賃貸・管理を行う不動産賃貸・管理事業、建設資機材の卸を行う商事事業と、保険代理業などを行うその他の事業の4事業を行っている。

 不動産販売事業では、主にマンション分譲のデベロッパー事業を首都圏と近畿圏を中心に全国展開しており、ファミリータイプの自社ブランド「クレア」シリーズマンションの販売を行っている。

 不動産賃貸・管理事業では、東京に4棟と、広島・福岡に各1棟のオフィスビルを所有し、賃貸事業を行っている。また、自社保有のオフィスビルを中心に、ビル・マンションの設備、警備、清掃等の管理事業とリニューアル事業を行っている。

 セントラル総合開発は、1966年に業績低迷のために同業大手の水野組(現 五洋建設)の支援を受けた経緯があり、現在でも、資本関係はないものの五洋建設との取引ウエイトが大きくなっている。06.3期実績では全体の売上高のうち、約13%を占める。

情報開示の状況
ないよりマシ
 セントラル総合開発のウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連のニュースリリース、資料だけとなっている。ないよりはマシといった程度。
収支の状況
資産の評価減等の特別損失の発生さえなければ、利益水準は安定的
 06.3期は、不動産販売事業では、売上げ戸数は1,197戸となり、対前期比で+約4%増だったものの、郊外型の分譲が多かったために、売上高では対前期比で減少となった。

不動産賃貸・管理事業では、マンション管理戸数が新規に770戸を追加して総管理戸数は5,400戸となったが、管理委託費の値下げ等があったために、売上高ではほぼ前期並みとなった。

 費用面では、不動産販売事業が好調であったことから、広告宣伝費が減少したこと等で抑制され、経常利益では対前期比+約30%の増益となった。

 06.9中間期は、不動産販売事業での販売戸数は294戸、不動産賃貸・管理事業での新規管理物件は2棟105戸の受託となった。中間期時点では経常赤字の決算となっているが、不動産販売事業での分譲マンションの竣工時期が下期に集中する傾向にあることが影響している。

表1 事業の種類別セグメントの販売実績(百万円、前期比%)
              06.3期   06.9中
不動産販売     37,505 -5.2% 9,658
不動産賃貸・管理  5,148 -0.1% 2,368
商事          6,139 +4.6% 3,383
その他          216 +14.3%  106
合計         49,009 -3.4% 15,516

表2 不動産販売事業でのマンション販売の状況(戸、前期比%)
       06.3期     06.9中
発売実績 1,144 -10.8%  610
契約実績 1,058 -21.7%  564
販売実績 1,197  +4.6%  294

 07.3期の会社発表の業績見通しは、ほぼ前期並みの水準となっているが、中間期の進捗をみても、妥当な線になっていると考えられる。基本的には、今後の成長はあまり見込めないというイメージになる。

 過年度には、遊休資産や採算性の低いオフィスビル・賃貸マンションの評価減や売却を行ったことで特別損失を五年間累計で約51億円計上している。低稼働資産の処理は06.3期までにほぼ完了しているとのことで、07.3期見通しでは、こうした特別損失の発生は織り込まれていない模様。

 セントラル総合開発の有利子負債依存度は高く、総資産に占める有利子負債の割合は06.9中間期末で約71%となっている。ただ、不動産開発の業態では特に珍しいことではなく、同業他社と比較して極端に高いわけでもない。

株式の状況
ストックオプションなくベンチャーキャピタルの保有ウエイトも大きくない
 06年9月時点のセントラル総合開発の発行済み株式数は6,680千株(取引単位は千株)で、上場にあたっての公募が1,000千株、売り出しが1,200千株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売出しが200千株予定されている。オーバーアロットメント分については、主幹事である新光証券を割当先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプション等の希薄化要素は存在しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は7,880千株とした。

 目論見書での想定発行価格は1,500円で、この価格に基づく公募によるセントラル総合開発の手取り概算額は約1,353百万円とされている。資金使途は、不動産販売事業の用地取得のための運転資金に充当する予定。

 会社関係者2名には180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象の株式数は1,278千株。ベンチャーキャピタルはロックアップ対象とはなっていないが、その保有株数は60千株程度であり、特に影響はないと考えてよい。その他の既存株主も金融機関が主となっており、上場後に売却する可能性は低いと考えられる。



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