3237イントランスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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イントランス(3237 マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:不動産業

短期保有には悪くない銘柄
 中古不動産を取得してバリューアップし、再生した状態で販売する事業形態のため、個別案件の売却動向に業績は大きく左右される。このため、今後も今のまま右肩上がりで業績が伸びていくかを見極めるのは、難しい。

 07.3期の見通しベースでのEPS約8,500円に対する想定公募価格のPERは約15倍と、最近の市況動向を反映したのか、穏当な想定になっている。ただし、08.3期には思ったほど業績が伸びないことを前提とした想定価格になっている可能性もあり、年度を越えて保有することにはチャンスもある一方で、リスクも伴う。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3会予
売上高(百万円)
1,940
39.6%
2,708

4,829
206.4%
8,299
営業利益(百万円)
353
79.1%
632

820
82.4%
1,152
経常利益(百万円)
305
86.4%
568

766
76.2%
1,001
当期利益(百万円)
172
71.4%
295

416
86.5%
550
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,300
485
6,329
780
5,001
1,195
--
--
株主資本比率(%) 21.1% 12.3% 23.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
13.2%
35.5%
9.0%
37.8%
15.3%
34.8%
--
--
発行済株式数 64.2 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
2,679
7,549
4,593
12,142
6,475
18,618
8,567
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
プリンシパルインベストメント事業とソリューション事業
 イントランスは、主に東京都内23区を中心に、商業ビル・オフィスビル・レジデンス等で、物件価格3億円〜20億円の中古物件を対象とした不動産再生事業として「プリンシパルインベストメント事業」と、「ソリューション事業」を行っている。

プリンシパルインベストメント事業では、不良債権、企業の資産リストラ、所有者の経済的理由等で市場に放出された物件や、イントランスが直接アプローチをした不動産所有者が保有する物件を対象に、自社のバリューアップノウハウによって不動産の価値が高められることが可能と判断した物件について、自己勘定によって取得し、エリアの特性やニーズに合わせたバリューアッププランを策定・実施の上、購入を希望する投資家等に対して販売している。

 ソリューション事業では、販売用不動産として取得した物件に付加価値を付けて売却するまでの間、当該物件の入居者から賃料を受け取る賃貸管理事業と、建物管理やクレーム対応、清掃、巡回等のプロパティマネジメント事業、都市再開発物件に対する購入提案やコンサルティング業務を行って成約後に手数料を受け取るコンサル事業を行っている。

情報開示の状況
財務データはダウンロード可能な状態で開示
 イントランスのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、財務ハイライトとニュースリリース。財務ハイライト・財務諸表については、データ・グラフでちらでも見ることができ、更にスプレッドシートでのダウンロードが可能になっていて、非常に親切な作りになっている。今後の開示にも期待できる。
収支の状況
個別案件次第だが、今期は目標達成ペースに見える
 目論見書では、06.3期からプロパティマネジメント事業を立ち上げたこと、都市再開発案件を期中に手掛けたことを要因として、販売が伸びているという記述しかない。

表1 事業別の06.3期販売実績(百万円、前期比%)
プリンシパルインベストメント 2,285  +23.0%
ソリューション           422 +422.0%
合計               2,708  +39.6%

 イントランスの業績は、その年度内に物件売却が何件発生するかによって大きく左右される構造になっている。近年の売却件数の推移は以下の通り。
表2 売却案件数の推移(件)
05.3期 06.3期 06.9中
5    4    3

 07.3期の会社発表の業績見通しに対する中間実績の進捗率をみると、売上高で約半分、利益ベースでは7〜8割程度の進捗になっている。上述のように個別案件の売却時期とそれぞれの利益率に業績が左右される結果、売上高と利益でこうした若干アンバランスな進捗になっているとみられる。
 とりあえず、足元の状況では、通期業績の達成に問題はないというイメージ。

株式の状況
ストックオプションは当面行使できないが、VC保有株は即売却が可能
 イントランスは06年5月に1:2の株式分割を実施し、06年5月末時点の発行済み株式数は57,200株となっている。上場にあたっての公募が7千株、売出しが4千株(売り出し元はOA分を含めて会社関係者)、オーバーアロットメントによる売出しが1,500株予定されている。ストックオプションの未行使残高が下記のようにあるが、行使できるようになるまでは猶予があるので、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、64,200株とした。

表3 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
06年3月 1,000株 32,500円 08年12月〜13年11月

 目論見書での想定発行価格は13万円で、この価格に基づく公募によるイントランスの手取り概算額は880百万円とされている。資金使途は、全額をプリンシパルインベストメント事業における販売用不動産の取得資金等の運転資金に充当する予定。

 会社関係者とその関連法人には180日間のロックアップが付与されている。対象となる株数は、売り出し考慮前で50.8千株、売り出し考慮後で46.8千株、オーバーアロットメントが実行されれば45.3千株となる。

 この一方、ベンチャーキャピタルの保有株式計6.8千株にはロックアップはかかっていない。取得時期は最新のもので04年12月の第三者割当増資によるものなので、上場後に即売却することが可能な状態になっている。ボリュームとしては極端に大きくはないが、一応留意する必要はある。



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