3233ファンドクリエーションIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ファンドクリエーション(3233 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:不動産業

業績は急成長中だが、不動産ファンドへの現在の市場評価からすれば、妥当な公募価格
会社発表での今期業績見通しに基づくEPSは約6,700円で、想定されている公募価格20万円のPERは約30倍となる。

 足元の業績は急拡大中ではある。次期以降も、現在のような年に数倍のペースで増益になる状態を維持できる確証があれば話は変わってくるかもしれないが、今の段階では、同業他社のPERと比較して特に割安感はない。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 04/11 05/11 06/5中 06/11予
売上高(百万円)
610
238.0%
2,063

868
165.2%
5,471
営業利益(百万円)
216
404.1%
1,089

138

--
経常利益(百万円)
213
412.4%
1,090

147
266.9%
4,000
当期利益(百万円)
86
623.7%
624

69
277.7%
2,356
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,121
625
2,648
1,347
2,694
1,410
--
--
株主資本比率(%) 55.7% 50.9% 52.3% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
19.0%
13.8%
41.2%
46.3%
5.5%
4.9%
--
--
発行済株式数 350.588 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
246
1,782
1,779
3,841
197
4,020
6,720
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
アセットマネジメント事業と、企業・不動産物件への投資や証券仲介業務を行うインベストメントバンク事業
 ファンドクリエーショングループは、ファンドクリエーションと連結子会社7社から構成されており、ファンドの組成・運営等を行うアセットマネジメント事業、不動産物件への投資、上場企業・未上場企業への投資、証券仲介業務等を行うインベストメントバンク事業と、その他の事業を行っている。

 アセットマネジメント事業では、日本の不動産を収益源とした毎月分配型の外国投資信託、中国の不動産を収益源とした外国投資信託、日本の不動産を投資対象としたJ-REITを運用している。受託資産残高は06年5月末で約780億円。

アセットマネジメント事業での収益源としては、投資信託の管理報酬・信託報酬、顧客が保有する資産の管理・保全に関する業務委託報酬、J-REITの資産運用報酬、投資顧問報酬のほか、SPCが不動産を取得・売却、管理・保全する際にフィーを受け取っている。

 インベストメントバンク事業では、自己資金による不動産投資を行う不動産投資部門と、自己資金による株式等証券投資や証券仲介業を行う証券投資等部門がある。

 その他事業としては、ファンドクリエーションがアセットマネジメントを受託する有限会社が保有する物件についての債権譲渡担保登記に関すると数量と、不動産ファンドスキームの中でSPC設立に関する手数料を受け取っている。また、子会社で美術品投資等を行っている。


収支の状況
上期の進捗状況は良くないが、通期では大幅な増収増益を維持する見通し
 05.11期実績は、全体では順調に業容を拡大しており、前期と比較して増収増益となった。06.5期中間期実績でも、アセットマネジメント事業については好調を維持している。一方、インベストメントバンク事業では、中間時点での不動産投資部門の売却実績がなく、株式市場の低迷を受けてブローカレッジフィーが伸び悩んだ。更に、SPCで調達した物件取得費用の金利負担によって匿名組合出資損を計上したことで、同部門では営業損失を計上した。

 06.11期の会社発表業績見通しでの営業収益は、アセットマネジメント事業では、不動産を対象とした公募の投資信託に対して東京都心部に立地する築浅の居住系物件等を組み入れることや、不動産アセットマネジメント受託残高の増加によるフィーの増加を織り込んでいる一方、国内株式等を対象とした投資信託では市況の影響によって運用成績が芳しくなかったことなどで、合計では1,247百万円、前期比でマイナス約13%の減収の見通し。

 インベストメントバンク事業では、不動産開発案件や収益物件バリューアップ案件等の売却に伴う匿名組合分配金や、国内外の未上場株投資等の売却益や証券仲介事業での金融機関との取引先拡大によって、合計で4,116百万円、前期比でプラス約656%の増収が見込まれている。

 以上によって、営業収益全体では、5,471百万円、前期比でプラス約165%の増収となる見通しで、増収に伴って、順調に増益となる見通しとなっている。要は、アセットマネジメント事業では、下半期に失速、その分は上半期には収益計上のなかったインベストメントバンク事業での大型案件の収益計上によって十分カバーして、対前期比で大幅な増収となる見通し。

表1 事業部門別販売実績(百万円、前期比%)
                05.11期   06.5中  06.11会予
アセットマネジメント  1,504 +241.9%  759    1,247
インベストメントバンク  544 +242.2%  104    4,116
その他事業        13  +22.0%    3     108
合計           2,062 +238.0%  867    5,471

株式の状況
ストックオプションの未行使ボリュームは結構大きい
 ファンドクリエーションは06年3月に1:2、7月に1:10の株式分割を実施し、06年9月の発行済み株式数は291,928株となっている。上場にあたっての公募が18,000株、売出しが14,200株(売り出し元は、会社関係者4,000株、ベンチャーキャピタル3,200株、藍澤証券5,000株、他法人2,000株)とオーバーアロットメントによる売り出しが3,000株予定されている。ストックオプションの未行使残高が40,660株あり、全数が上場後1年以内に行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、350,588株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議   対象株数 行使価格  行使期間
04年1月  17,200株  625円  06年1月〜14年1月
04年10月  9,860株 10,000円 06年10月〜14年10月
05年2月   8,000株 19,500円 07年2月〜15年2月
05年9月   1,980株 19,500円 07年9月〜15年9月
05年9月   3,620株 52,000円 07年9月〜15年9月

 目論見書での想定発行価格は20万円で、この価格に基づく公募によるファンドクリエーションの手取り概算額は約3,558百万円とされている。資金使途は、インベストメントバンク事業における不動産関連資産への匿名組合出資に1,400百万円、企業投資資金に1,300百万円を充当する予定で、残額は今後アセットマネジメント事業で組成を計画しているファンドのシードマネーに充当する予定。

 藍澤証券と会社関係者2名、法人2社に対しては180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象者の保有株数合計は261千株で、このうち11千株は売り出し対象になっているので、実際のロックアップ対象は250千株となる。従って、大半の発行済み株式はロックアップ対象となる。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は、株主名簿では16,000株となっているので、売り出し対象3,200株を除いた上場後の売却可能数は、12,800株となる。こちらにはロックアップは付されていない。相対的には、ストックオプションの行使影響が最もリスクが大きい。

情報開示の状況
一応開示はあるが、もう少し工夫してほしい
 ファンドクリエーションのウエブサイトには、投資家向けの情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、実質的には財務ハイライトだけとなっている。他で事業紹介等、業務内容の解説をしているページはあるものの、もう少し工夫があってもいいのではないかと思う状況。


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