IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
野村不動産ホールディングス(3231 東証)IPO |
ストライクど真ん中の公募価格設定になりそう 05.3期と06.3期の実績と比較して07.3期の当期利益の見通しが大きくなっているのは、過年度に財務体質改善のための特別損失を計上したことによるものであり、07.3期の水準が本来あるべき姿。従って、事業の成長性が高いわけではない。 想定されている公募価格3,200円は、今期の見通しベースEPS約160円に対してPER20倍と、見事に高くも無く安くも無い水準で設定されている。 連結データ(肩は対前期比(%))
野村不動産ホールディングスは、野村土地建物(非上場)を親会社とし、当社と連結子会社25社、持分法適用会社と関連会社10社から構成されている。主な事業は、住宅事業、ビル事業、資産運用開発事業、仲介・販売受託事業、その他の事業の5つに区分される。野村不動産ホールディングスは持ち株会社であり、それぞれの事業は子会社等が行っている。 住宅事業では、野村不動産等が、マンション・戸建て住宅・宅地等の開発分譲事業と、マンション分譲後の管理業務の管理組合からの受託、管理に付随する修繕工事等の請負を行っている。 ビル事業では、オフィスビル・住宅・商業施設等の開発・建設と直接賃貸および他のビル所有者からビルを貸借して転貸している。又、ビル所有者からの運営管理の受託や、オフィスビル等の清掃業務、野村不動産が所有し賃貸中の「横浜ビジネスパーク」の地域冷暖房事業を行っている。 資産運用開発事業では、不動産投資市場向け収益不動産の開発・販売や、野村不動産オフィスファンド投資法人からの委託に基づく資産の運用、不動産を対象とした私募ファンドの運用、不動産証券化商品を対象とした証券投資顧問業務などを行っている。投資法人からの運用委託については、現状のオフィスファンド投資法人からのものに加えて、居住用施設を投資対象とした野村不動産レジデンシャル投資法人からの運用を受ける予定。 仲介・販売受託事業では、グループ外の分譲事業主からのマンション・戸建て住宅の販売受託などを行っている。その他事業では、建築・土木工事の設計監理と、フィットネスクラブ事業を行っている。 |
06.3期は、全体では売上高で若干の増収、利益面では増益となった。セグメント別では、住宅事業のうち住宅分譲部門で、「PROUD」ブランドの認知向上に取り組んだものの、期中の販売計上戸数は4,104戸と、対前期比で899戸減少となったことにより、減収・営業減益となった。 ビル事業では、テナントビルの高稼働率の維持や不採算のサブリース契約を解消し、プロパティマネジメント業務・ビルマネジメント業務の受注拡大に取り組んだ結果、増収・営業増益。 資産運用開発事業セグメントでは、収益不動産の売却を進める一方、金融機関が保有するオフィスビル10棟・賃貸マンション1棟を取得し、物流施設・商業施設・不動産関連有価証券の各分野を投資対象とするファンドを設立したことで、大幅な増収・営業増益となった。 仲介・販売受託セグメントでは、売買仲介部門でインターネットの活用と事業法人に対する提案型営業をすすめ、インターネットサイトの登録数は06年3月末で86千人と1年間に約66%増加したこと等で増収・営業増益。 その他事業セグメントでは、フィッネスクラブ事業で1年間に4店舗を新規出店し、全17店舗体制、06年3月末の在籍会員数は、約113千人に達した。一方で、注文住宅事業とゴルフ場運営事業から撤退したことから、セグメント合計では、対前期比減収減益となった。 住宅 ビル 資産運用 仲介販売 その他 連結 05.3売上高 251,535 42,761 7,459 18,224 25,912 345,894 05.3営業利益 23,903 6,459 4,606 5,010 -203 35,741 05.3利益率 9.5% 15.1% 61.8% 27.5% -- 10.3% 06.3売上高 222,341 44,932 37,140 21,416 24,489 350,319 06.3営業利益 21,951 7,158 14,223 5,591 323 44,267 06.3利益率 9.9% 15.9% 38.3% 26.1% 1.3% 12.6% * 売上高は外部顧客に対する売上高 05.3期と06.3期実績は共に、経常利益と比較して当期利益が小さくなっているが、05.3期については、ゴルフ場運営事業と注文住宅運営事業からの事業撤退損失を約83億円、06.3期は減損損失を約43億円とサブリース事業の将来の転貸差損の見込み額約58億円を特別損失に計上したことが原因。会社サイドでは、これらの計上によって財務内容の健全化は一段落したとの判断であり、現状では当期以降に多額の特別損失が発生する予定は無い模様。 07.3期の会社発表業績見通しで、売上高は対前期比で微増ながら、当期利益では大幅増収の見通しとなっているのは、前期までに特別損失等の特殊要因があったが、今期は予定されていないことによるものであり、今期並みの利益水準が、むしろ本来あるべき姿といえる。
野村不動産ホールディングスは06年4月に1:500の株式分割を実施し、06年4月時点の発行済み株式数は、113,325千株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が36,000千株、売出しが5,000千株(売り出し元は野村土地建物)、オーバーアロットメントによる売出しが6,000千株予定されている。ストックオプション等の希薄化要素は存在しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、149,325千株とした。 既存株式の約95%超は野村土地建物が保有しており、ベンチャーキャピタル等の保有はない。また、筆頭株主であり、売り出し人である野村土地建物に対しては、180日間のロックアップが付されている。野村土地建物は上記の保有シェアであり、公募・売り出し以外の株式は当面はほとんど市中に流通しないと考えてよい。 目論見書での想定発行価格は3,200円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約109,220百万円とされている。資金使途は、70,000百万円を借入金の返済に、残額を資産運用開発事業等における販売用不動産の取得のための運転資金に充当する予定。
野村不動産ホールディングスのウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、財務ハイライト、上場関連資料、IRカレンダー等。項目的には、上場の前段階で必要な情報は全て網羅されている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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