3230スター・マイカIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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スター・マイカ(3230 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:不動産業

足元では高い成長性を持つ
 06.11期の会社発表業績予想では、売上高で対前期比+約45%、利益では+約120%の大幅な増収増益を見込んでいるが、中間期までの進捗をみると、達成には問題は無さそうにみえる。

 この06.11期見通しベースのEPS約5,100円に対して、想定されている公募価格14万円はPER約28倍となる。足元の状況をみると、当社の業績拡大は、06.11期で頭打ちになるとは考えにくいので、PERでも30倍以上40倍程度までの成長性は織り込んでもよいのではないかと考える。従って、株価的には、少なくとも15〜20万円以上の水準が妥当とみる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 04/11 05/11 06/5中 06/11予
売上高(百万円)
844
123.7%
1,888

1,894
45.9%
2,754
営業利益(百万円)
175
96.3%
344

469

--
経常利益(百万円)
171
76.4%
302

447
124.1%
677
当期利益(百万円)
98
79.9%
176

263
127.7%
401
総資産(百万円)
純資産(百万円)
3,596
801
3,982
1,939
4,675
2,276
--
--
株主資本比率(%) 22.3% 48.7% 48.7% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.8%
12.2%
7.6%
9.1%
9.6%
11.6%
--
--
発行済株式数 78.037 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,255
10,264
2,257
24,844
3,375
29,160
5,139
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
不動産ファンド運営事業と、不動産投資事業、アドバイザリー事業
 スター・マイカの主な事業は、不動産ファンド運営事業と、不動産投資事業、アドバイザリー事業に3区分される。

 不動産ファンド運営事業としては、不動産投資ファンド「スター・1号ファンド」の組成・運営を行っている。上場REITや他社の運営する私募不動産ファンドと異なる点は、投資対象を主に居住用の区分所有マンション(ファミリータイプ)としている点。区分所有マンションは、一物件当りの投資規模が小規模であり、投資対象案件が多数に分散するので、金融機関からの資金調達が難しい上に、管理オペレーションが煩雑なので、一般には投資対象としにくい。スター・マイカでは、小規模投資であるがための流動性や投資対象の分散によるリスク軽減効果等に着目して、運営している。スター・マイカは、ファンドの運営受託に伴うアセットマネジメントフィー(管理報酬、成功報酬)と、自社出資分に対する投資成果とを受け取っている。

 不動産投資事業では、居住用不動産に投資対象を限定しないで、賃貸物件を取得し、運用・販売している。スター・マイカでは、不動産取得後、空室率や修繕管理など不動産投資特有の不確実性を出来るだけ解消した上で、投資家に不動産を販売している。

 アドバイザリー事業では、金融と不動産のノウハウを活用して、スキームの立案や金融機関等の関係者との調整、契約書類の作成、所有権移転手続き、資金決済手続き、不動産管理などの、証券化のアレンジャー業務や不動産仲介業務等、顧客に対するアドバイザリー業務を行っている。

収支の状況
中間期の進捗率からは、通期見通しの高い対前期伸び率も達成に問題なし
 05.11期は、運営している不動産ファンドにノンリコース・ローンのコミットメントラインを設定してファンドの取り扱い規模が急速に拡大したことと、自社保有物件の取得・売却、大型アドバイザリー案件の獲得等を進めてきた。これらが業績に貢献したことに加えて、05.11期中に、2社の営業譲渡を受けたこともあって、05.11期は前期と比較して大幅な増収増益となった。

【表1 事業部門別の販売実績(百万円、%)】
              05.11期 前期比 06.5中
不動産ファンド運営   187  +157.2%  187
不動産投資       1,467 +121.7%  1,603
アドバイザリー      232  +113.3%  102
合計           1,887  +123.7%  1,894

 06.11期に関しては、中間期での売上高は前通期の実績に匹敵する規模になっており、通期での対前期比+45%は、問題なく達成する勢いになっている。利益ベースでは、前期比で倍増以上の増益を見込んでいるが、これも中間期の進捗率から想定すると問題ない。今期については、会社発表で見込まれている通りの高い成長性が確保されるだろう。

株式の状況
ストックオプションの行使による希薄化効果は大きい
 スター・マイカの06年8月時点の発行済み株式数は55,100株で、上場にあたっての公募が10千株予定されている。上場時の売り出し予定はない。ストックオプションの未行使残高が下表のように存在し、うち12,937株は上場後1年以内に行使可能となるので、潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、78,037株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
02年11月 5,000株  50千円 03年1月〜22年12月
04年2月  3,807株  35千円 04年3月〜14年2月
05年5月  4,130株  60千円 07年7月〜15年5月
05年5月   263株  60千円 07年9月〜15年5月
06年2月   125株  78千円 08年3月〜16年2月

 スター・マイカの株式13千株を保有している現在第三位の大株主は、キャピタルゲインを目的としておらず、上場後6ヶ月間の保有を約束しているとのことだが、これをベンチャーキャピタルに含めると、VCの保有株式数は13,820株となる。

既存株主に対するロックアップは無い模様。上記第三位の代株主が当面は持ち株を売却しないとすれば、ストックオプションによる希薄化効果が大きいことは懸念材料だが、その他の株主からの売却圧力は大きくないと考えられる。

 目論見書での想定発行価格は14万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約1,258百万円とされている。資金使途は、500百万円を当社が運用するファンドに自ら出資するための投資資金として、残額を当社の不動産投資事業における投資物件の取得資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示水準は高い
 スター・マイカのウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、財務ハイライト、株式情報、IRカレンダー等。項目的には、上場の前段階で必要な情報は全て網羅されている。



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