3068WDI IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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WDI(3068 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

想定公募価格帯で、当面は十分な評価が織り込み済み
 幾つかの有名ブランドでのレストランチェーンを展開しており、ブランドの知名度は高いと思われる。が、業績自体は、ほぼ横バイ状態であり、成長性は見込みにくい。07.3期の見通しでは、特別利益の計上が予定されていることから、利益額が本来の実力よりも上振れしている。実質的な07.3期見通しのEPSは約50円程度となる。

 このEPSを元にした想定公募価格帯のPERは20倍強の水準となり、成長性が見込みにくい銘柄としては十分な評価が既にされている。当面は公募価格以上の市場評価は望みにくい。将来的には、公募資金をもとに新規の店舗展開を図ることで業績を向上させることが出来るか、が今後の評価のポイントとなると考える。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3会予
売上高(百万円)
18,279
-0.2%
18,238

8,977
2.9%
18,765
営業利益(百万円)
448
8.8%
487

199

--
経常利益(百万円)
474
41.0%
668

268
-19.0%
541
当期利益(百万円)
159
206.5%
489

142
52.1%
743
総資産(百万円)
純資産(百万円)
9,543
876
8,771
1,484
9,340
1,458
--
--
株主資本比率(%) 9.2% 16.9% 15.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.0%
18.2%
7.6%
32.9%
2.9%
9.7%
--
--
発行済株式数 6,331.92 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
25.2
138.4
77.2
234.4
22.4
230.3
117.3
--
配当(円/株) 10 12 -- 12

事業概要
自社開発・他社ブランド15業態を展開するレストラン事業
 WDIグループは日本・海外で店舗を展開する外食事業を行っている。営業形態は15業態で、06年10月末時点の直営店舗数は国内77店舗、海外18店舗となっている。

 ハードロックカフェ、トニーローマ、グランド・セントラル・オイスターバー&レストランなどの海外有名ブランドの輸入や海外出店と、カプリチョーザなどの国内優良ブランドの発掘・展開、センチュリーコート、レインボー・ロール・スシ、ブリーズ・オブ・トウキョウ等の自社オリジナルブランド開発を3本の柱として多店舗展開を行っている。

 フランチャイズ展開としては、カプリチョーザ、トニーローマ、巨牛荘の3業態で国内91店舗、海外9店舗の規模になっている。

 主な業態の出店状況は以下の通り。
業態名(形態)  国内(うち直営 / FC) 海外(うち直営 / FC)
カプリチョーザ     132(48 / 84)      6(4 / 2)
トニーローマ        7(2 / 5)       20(13/ 7)
ハードロックカフェ     8(8 / 0)         --

情報開示の状況
平均的な開示水準だが、上場関連のニュースリリースはない
 WDIのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務ハイライトとなっている。上場前段階としては、平均的な開示水準だが、ニュースリリースに上場承認の件が出ていないのは残念。

収支の状況
07.3期は売上高はほぼ横ばい、特別利益の計上で当期利益は増益見通し
 06.3期実績では、お客さまの目の前でハンバーグを焼き上げる「ストーンバーグ」や、ジンギスカンブームを背景として「くろひつじ」の新業態をオープンさせた。また、海外市場でも、「トニーローマ」の新業態をオープンさせた。一方で、子会社での店舗売却を行ったことで、売上高では新店舗の増収効果が相殺され、対前期比で若干の減収となった。

利益面では、持分法利益が営業外収益に反映されたことで、対前期比で大幅な増益となった。

表1 事業部別の06.3期販売実績(百万円、前期比%)
カプリチョーザ      6,705  -5.5%
トニーローマ       3,565 +13.6%
ハードロック・カフェ   3,060 +1.7%
ババ・ガンプ・シュリンプ 746 +12.8%
センチュリーコート     697  -3.8%
その他           3,461  -5.1%
合計           18,238  -0.2%

 07.3期の業績見通しでは、事業の中核であるカプリチョーザの既存店売上高をほぼ前年度並みと見積もり、新規出店による売上高の増加等を考慮して、対前期比+2%程度の伸びを見込んでいる。

 経常利益では、持分法利益が減少することと株式上場関連費用の計上等で営業外収支が前期よりも悪化することにより対前期で減益、逆に当期利益では、店舗売却益を特別利益に計上することを織り込んで増益の見通しとなっている。この特別利益の計上見通しのために、経常利益よりも当期利益が大きくなる見通し。

 リスク情報としては、シンジケートローンでの資金調達に関して財務制限条項が付いている点と、有利子負債依存度が比較的高い点が目論見書では挙げられている。ただし、前者の制限条項は、赤字決算ではないこと等がトリガーになっているので、足元の業績推移からみれば、発生可能性は低いとみるのが妥当。

後者についても、総資産に占める有利子負債のウエイトは06.3期末で約57%であり、営業利益の約3割を金利負担で失っている状況ではあるが、現在の金利水準を前提とするなら、取り立てて問題視するような水準になっているわけではない。

株式の状況
ストックオプションなし、VC保有株なし、半分弱の株式にはロックアップ
 WDIは06年11月に1:10の株式分割を実施し、06年11月の発行済み株式数は5,531,920株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が800千株、売出しが770千株、オーバーアロットメントによる売出しが230千株(OAを含めた売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプション等の希薄化要素はない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は6,331,920株とした。

 目論見書での発行価格の想定仮条件は1,000〜1,150円で、この平均価格1,075円に基づく公募によるWDIの手取り額概算は、約777百万円とされている。資金使途は、全額をWDIと子会社の新規出店のための設備投資に充当する予定。

 会社関係者2名と法人1社には180日間のロックアップが付されている。ただし、発行価格の2倍以上での市場売却は可能となっている。ロックアップの対象株式数は、売り出し考慮前で3,724千株、OAを含めた売り出しが全て実施された場合では2,724千株となる。



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