3067東京一番フーズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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東京一番フーズ(3067 マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

会社の考える本音の株価は公募価格の1/10でしかない
 07.9期の会社発表業績見通しをベースとしたEPSは約16千円で、これを基にした想定公募価格29万円のPERは約18倍となる。新規出店によって事業規模を拡大して、業績は伸びているので、割安感のある公募価格になっているといえる。PER25〜30倍の45万円辺りが当面の上限か。

 ただし、一年前に実施した第三者割当増資の時の発行価格が3万円だった点が気にかかる。他社でもよくある話ではあるので、特に東京一番フーズだけということではないが、会社として適正な株価が3万円だと考えて増資したのだろうから、今回の公募価格も、その程度の価格にすべきではないのか。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/9 06/9 07/3中予 07/9会予
売上高(百万円)
2,302
36.5%
3,144

2,996
34.0%
4,214
営業利益(百万円)
174
78.7%
311

--

--
経常利益(百万円)
158
106.2%
326

775
40.1%
456
当期利益(百万円)
88
74.4%
153

460
75.9%
270
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,593
418
2249
686
--
--
--
--
株主資本比率(%) 26.2% 30.5% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
9.9%
21.0%
14.5%
22.4%
--
--
--
--
発行済株式数 16.753 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
5,254
24,959
9,161
40,948
27,458
--
16,117
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
ふぐ料理店「とらふぐ亭」の運営
 東京一番フーズグループは、東京一番フーズと子会社1社から構成されており、直営店舗である「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」の運営を主たる事業としている。子会社は、当社東京一番フーズに対して、主要食材であるとらふぐを供給している。

 国産養殖とらふぐを主に長崎県から仕入れていることと、ふぐ調理の実務研修を行い、ふぐ調理師免許取得者の育成を行っている点が特徴。

 店舗展開では、06年9月末時点で東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に34店舗を展開している。03年11月に出展した町田店以降は、経営効率上の判断によって、大型店から中・小型店にシフトしている。また、有限会社ふぐよしフーズとは、将来のフランチャイズ展開を考えた実験店舗についての業務委託契約を締結して経営指導を行っている。

表1 期末店舗数の推移
01.9 02.9 03.9 04.9 05.9 06.9
4   6   9   12  22  34
収支の状況
上期利益>通期利益となるのは、季節要因による構造的なもの
 06.9期は、期末時点の店舗数34店舗、来客数は約50万人となり、売上高は対前期比+約36%の大幅増加となった。更に利益面では、低価格の中国産養殖ふぐの国内流通量が増加したことで、国産養殖ふぐの市場価格も下落し、仕入れ単価が低下したことや販売管理費が前期よりも少なくなったことが貢献し、売上高の対前期伸び率を上回る大幅な増益となった。

 07.9期については、関東地区で積極的に新規出店を展開し、期中には直営16店舗の出店を計画している。これによって累計店舗数は50店舗となる。店舗数の増加に応じて、増収増益になる見通しとなっている。

 東京一番グループは冬の季節商品的な意味合いの強いふぐを取り扱っていることから、冬季=上期に業績が偏重する傾向にある。売上高の上期・下期の比率は、05.9期実績での比率は、73%:27%となっている。

 この影響で、利益面では、過去から継続して下期については赤字決算となっている。

株式の状況
過去の第三者割当増資の発行価格が異常な安値
 東京一番フーズは05年8月に1:5の株式分割を実施し、06年9月の発行済み株式数は14,453株で、上場にあたっての公募が2,300株、売出しが500株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のようにあるが、行使可能になるので猶予があることから、潜在株式としては認識しない。以上から上場時点の想定発行済み株式数は、16,753株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
05年10月 465株 24千円 07年10月〜15年9月
06年3月  358株 30千円 08年4月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は292千円で、この価格に基づく公募による東京一番フーズの手取り概算額は約594百万円とされている。資金使途は、全額を新規出店費用に関わる設備資金に充当する予定。

 株主名簿ではベンチャーキャピタルの株式保有はなく、既存株主に対してのロックアップは付されていない。

 最近の第三者割当増資は05年10月に売り出し人他1名の会社関係者を割当先として実施されている。この時の発行価格は24千円。更に06年3月にも、従業員持ち株会などを割当先として実施されており、この時には30千円だった。今回の上場にあたっての公募増資と比較すると1/10程度の価格で1年前〜2年前に増資を行っていたことになる。

 過去の第三者割当増資の際も、適正と考えた価格で割当てているはずであり、倍の価格で公募するというならともかく、一年が経過した程度で、価値が10倍に見積もられている点については、納得できない。

情報開示の状況
ニュースリリースを掲載して欲しい
 東京一番フーズのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務ハイライトとなっている。あとは上場関連のニュースリリースがあればよいと思う。ニュース(新着情報)がサイト更新だけでは寂しい。



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