3066JBイレブンIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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JBイレブン(3066 名証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

事業上のリスクが幾つかあるため、想定公募価格以上では買いづらい
 07.6期の会社発表業績見通しでは、繰越損失が残っていることから実質的な法人税負担が考慮されていない。この分を考慮したEPSは約80円となり、想定されている公募価格のPERは約15倍となる。

 現在以上の業績の伸びが見込めるのであれば、この水準から買うことも可能だが、後述のように業績を下振れさせるリスクが数点あるので、想定されている公募価格以上の価格帯で買うことには相当なリスクが伴うと考える。

 過去から業績にかかわらず10円の安定配当を継続している点からは、極端に株価が下がった場合には、配当利回り目的として狙う手はある。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/6 06/6 06/9 1Q 07/6会予
売上高(百万円)
3,411
14.5%
3,905

1,056
12.6%
4,397
営業利益(百万円)
203
-4.8%
193

38

--
経常利益(百万円)
158
1.6%
160

31
7.7%
173
当期利益(百万円)
-11

8

29
1909.5%
159
総資産(百万円)
純資産(百万円)
3,442
691
3,528
700
3,594
722
--
--
株主資本比率(%) 20.1% 19.8% 20.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.6%
--
4.5%
1.1%
0.9%
4.0%
--
--
発行済株式数 1,164.8 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
593.5
6.8
601.0
24.6
619.8
136.8
--
配当(円/株) 10 10 -- 10

事業概要
ラーメン・中華定食など飲食店の経営
 JBイレブンは、極旨ら〜めん「一刻魁堂」と中華定食「中華食堂」を主力業態として、主に郊外型の大型専門店にて多店舗展開している。

 地域別の出店状況は、06年10月末で愛知県35店舗、岐阜県8店舗、三重県3店舗、静岡県1店舗で計47店舗を全て直営で経営している。また、店舗食材の一時加工については、名古屋センターに集約している。

 JBイレブンの業態別の特徴と06年10月末の店舗数は以下の通り。
■クイックサービス部門
郊外型店舗の席数100席以上の極旨醤油ら〜めん「一刻魁堂」25店舗
ショッピングセンターのテナント型ラーメン専門店「亀松」2店舗
ラーメンと朝かゆをメインとするフードコート内店舗「SAKURA櫻」1店舗
■ファミリーサービス部門
中華料理をセット・定食で提供する席数80〜90席の郊外型大型店舗「中華食堂」16店舗
■カジュアルサービス部門
四川省剣門麻婆豆腐と揚州炒飯をメインとする専門店「龍虎厨房」「龍虎餐房」2店舗
女性層をターゲットとして、炒飯・中華あんかけ焼きそば、アジアンスイーツ、中国茶バーを提供する「J.B.Chang」1店舗

情報開示の状況
開示なし
 JBイレブンのウエブサイトには11月27日時点では投資家向け情報開示のページは設置されていない。会社概要が掲載されている程度にとどまる。
収支の状況
07.6期見通しは達成ペースだが、業績リスクも幾つか考えられる
 06.6期は、売上高ではクイックサービス部門で期中に7店を新規出店した効果で対前期比で増収となった。

ファミリーサービス部門では、かつてJBイレブンの主力業態であった中華ファミリーレストラン「11ばん」を業態単位で撤退させている途中であり、6店を退店し、他の業態に転換している。一方で「中華食堂」業態は、「11ばん」からの業態変更を含めて、期中に9店を出店し、部門全体では前期並みとなった。

 カジュアルサービス部門では対前期比で増収となっているものの、業態転換を行っている途上で、期末店舗数自体は、前期末比で2店減の3店となった。

表1 部門別の販売実績(百万円、前期比%)
クイックサービス    2,379 +22.5%
ファミリーサービス   1,262  -0.2%
カジュアルサービス   258  +28.6%
その他            4  +49.2%
合計           3,904 +14.5%

 費用面では、営業費用で本社組織体制の強化に伴って経費が増加したことによって、営業利益は対前期比で減益となった。また、改装・退店に伴う固定資産除却費と減損損失を特別損失に計上したことから、当期利益は前期の赤字から黒字に転換したものの、利益幅は経常利益と比較して大幅に圧縮される結果となった。

 07.6期は売上高では前期を大きく上回る見通しとなっているものの、経常利益ではその増収効果があまり出てこない業績見通しとなっている。また、繰越損失が残っていることから、07.6期についても、従来と同様に実質的な法人税負担がされない見込みとなっている模様。

 税務上の繰越欠損金は06.6期末で約142百万円なので、07.6期の業績見通しが達成されれば、ほぼ損失は一掃されると思われ、08.6期からは法人税負担が発生する可能性が高い。

 07.6期は第一四半期の実績の進捗ペースでは通期見通しを達成できる可能性は高い。しかし、従来からそうなのだが、売上高営業利益率が低めになっていて収益性に課題があること、07.6期の増収見通しが増益につながっていないこと、有利子負債依存度が比較的高く、金利負担が営業利益の2割を占める状況であること、過去には毎期退店関連の損失等を特別損失に計上しており、今後も発生する可能性は十分考えられること、の4点が業績上のリスクとしてある。

株式の状況
ストックオプションは当面行使不可、VCの保有ウエイトも高くない
 JBイレブンは06年9月に1:2の株式分割を実施し、06年10月の発行済み株式数は914,800株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が250千株、売り出しが100千株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が87,800株あるが、当面は行使できないので、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、1,164,800株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
05年9月 87,800株   900円 07年9月〜10年3月

 目論見書での想定発行価格は1,260円で、この価格に基づく公募によるJBイレブンの手取り概算額は約277百万円とされている。資金使途は、全額を新規出店等の設備資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は株主名簿からの推計では49,600株。ベンチャーキャピタルを含む全既存株主にはロックアップは付されていない模様。



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