2134燦キャピタルマネージメントIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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燦キャピタルマネージメント(2134 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

現在の市況下では他社比較での割安感は無いが
 個別案件の状況によって業績が変動しやすい構造と考えられるので、08.3期以降の見方は難しいものの、07.3期の会社発表業績予想は半期の進捗ペースから見ると、特に問題は無さそうに見える。会社発表見通しベースのEPSは約27,000円で、これに対する想定公募価格のPERは20倍弱の水準となる。

 来期以降にもう少し成長余地があると考えれば、公募価格には割安感があるものの、現在の市況下では同業他社でもPER20倍程度の水準に低下しており、他社との比較感では妥当な水準。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3予
売上高(百万円)
236
147.4%
584

701
189.2%
1,689
営業利益(百万円)
77

224

--

--
経常利益(百万円)
81
155.9%
207

339
72.3%
357
当期利益(百万円)
55
105.5%
113

201
81.8%
205
総資産(百万円)
純資産(百万円)
160
88
835
650
--
--
--
--
株主資本比率(%) 54.7% 77.9% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
50.5%
62.5%
24.8%
17.3%
--
--
--
--
発行済株式数 7.35 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
7,466
11,937
15,340
88,501
27,347
--
27,891
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
ファンドの組成・管理と、不動産・企業等への投資と証券化による流動化事業
燦キャピタルマネージメントグループは当社と連結子会社1社から構成されており、不動産・企業・事業等に対する投資を行う投資マネージメント事業を行っている。

 事業区分としては、投資物件を金融商品化して顧客である投資家に提供するファンド事業と、さまざまな投資対象の調査や投資の実行を行う投資次行、投資案件の投資利回りを向上させるためのバリューアップや金融・投資関連のコンサルティングを行うソリューション事業を行っている。

 ファンド事業では、投資案件のリスクとリターンに応じて、物件売却に伴うキャピタルゲインを得ることを主目的としたキャピタル型投資ファンドや、ランニングでのインカムゲインを得ることを主目的としたインカム型投資ファンド等の複数のパターンのファンドの組成・管理を行っている。

 投資事業では、投資スキームの検討・組成に伴うアレンジメントフィー、各投資案件の管理に対するアセットマネージメントフィー、一定以上の利回りの投資利益が獲得できた場合の成功報酬が主な収益となる。また、06年3月からは再生を目的としたゴルフ事業投資も開始している。


収支の状況
個別案件の状況に業績は左右されやすい構造か
 06.3期は、ファンド事業では前期と比較して終了ファンド数が減少したことで成功報酬が減少した結果、対前期比で-約64%の減収となった。

一方、投資事業では組成案件が増加したことで、アレンジメントフィー・アセットマネージメントフィーが増加したことや、組成ファンド用の自己勘定による取得物件の売上が計上されたこと、既存の組成案件での成功報酬が増加したことで、対前期比+1,000%を越える増収となった。ソリューション事業でも、M&A案件によるフィナンシャルアドバイザリーフィーが増加したことや、リノベーション案件のプロデュースフィーが増加したことで、対前期比+約48%の増収となった。

全体としては、売上高は対前期比+約147%の増収となった。ただし、売上高が対前期比の全体額では10億円以上の増加になっていることと比較すると、営業費用で組成ファンド用の自己勘定による取得物件のコストを計上したことで利益額は圧縮され、利益の増分は小さい。

表1 事業の種類別セグメントの利益状況
        ファンド 投資 ソリューション 連結
05.3売上高    136   33   65    236
05.3営業利益  118    26   28     76
05.3利益率   87.1%  79.2%  42.5%  32.5%
06.3売上高     48  429  105   584
06.3営業利益   35   259  78   224
06.3利益率  72.4%   60.3%  74.2% 38.4%

 個別案件の状況が業績にストレートに反映しやすい事業構造のためか、07.3期業績予想と中間実績を比較すると、売上高では半分弱の進捗率にとどまることに対して、利益面では、年間の利益見通しをほぼ半期で稼ぎきった形になっている。上期の収支について、売上とコストの計上にタイムラグが無ければ、もう少し通期の見通しでは上方に振れる可能性もあるとみる。

株式の状況
ベンチャーキャピタル保有分はロックアップ非対象で約1割のシェア
 燦キャピタルマネージメントは05年10月に1:10の株式分割を実施し、06年10月時点の発行済み株式数は6,100株となっている。上場にあたっての公募が1,000株と売り出しが900株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売り出しが250株予定されている。

オーバーアロットメントの250株については、主幹事である日興シティグループ証券を割当先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプションの未行使残高が下表のようにあるが、行使可能となるまで相当な期間を要するので、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、7,350株とした。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
06年8月 77株 50万円 08年9月〜16年8月

 目論見書での想定発行価格は52万円で、この価格に基づく公募による燦キャピタルマネージメントの手取り概算額は約468百万円とされている。オーバーアロットメント対応の第三者割当増資分と合わせた約586百万円の資金使途は、428百万円を燦キャピタルマネージメントが組成・管理する不動産ファンドへの匿名組合出資形態等の共同出資のための資金とし、残金は運転資金に充当する予定。

 売り出し人である会社関係者5名には180日間のロックアップが付されている。ロックアップの対象株式数は、売り出し考慮後・オーバーアロットメント非考慮で4,000株となる。発行済み株式数の約半数がロックアップ対象となる。

 直近の第三者割当増資はベンチャーキャピタルを割当先として06年3月に実施されたもので、この際の割当価格は50万円。この割当価格そのものは、上場にあたっての公募・売り出し価格に近いもので、前述のストックオプションの行使価格と共に、新規株主にとっては良い話となる。ただ、ベンチャーキャピタルの保有株式数は850株あり、株式シェアとしては約1割程度だが、これはロックアップ対象とはなっていない。

情報開示の状況
平均的な開示水準
 燦キャピタルマネージメントのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連のニュースリリースと業績予想、財務ハイライトとなっている。上場前段階としては、平均的な開示水準。

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