IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
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市場で最近注目をされることの多い不動産再生事業を手掛けてはいるものの、売上高・利益に対するウエイトでは、当社の場合はマンション販売代理事業がメインとなっている。この事業分野でみれば、売上高・利益ともに、ここ2年はほぼ横這いで推移しており、今後の大きな成長は見込みにくい状況である。 今期予想EPS約8,500円に対して、PER約25倍で想定されている公募価格は、上記の要因を考えれば順当な値付けと思える。最近のヘラクレス上場銘柄が好調な初値形成となっている中にあっても、当社の場合には初値が大きく高騰することは考えにくい。
当社グループは当社と連結子会社4社から構成されており、京阪神地区を中心とした近畿圏と、首都圏・福岡を主な営業地域としている。事業は、マンション販売代理事業、不動産再生・流動化事業、住宅設備備品販売事業の3つに区分される。 マンション販売代理事業では、開発物件の計画段階からデベロッパー各社に対してマンションの商品企画・販売企画を提案し、デベロッパーの代理として、モデルルームに当社社員を派遣してマンション販売を行っている。販売活動から、契約締結後のローン事務・引渡し業務等を行って、デベロッパーから販売手数料を得ている。 不動産流動化事業は、原則としてSPCが土地を購入して、賃貸マンションを建設し、投資家等に信託受益権を販売するもので、当社は、匿名組合出資の形で資金を拠出し、SPCから企画手数料や販売手数料を得ている。 不動産再生事業は、デベロッパーが分譲マンションとして建設しながら未販売の状態にあるマンションや、法人・個人の所有する中古マンションを、一棟または区分所有ごとに購入し、リニューアル後販売する事業。福岡で住宅・都市設備公団が躯体段階まで建築して内装工事が未了のまま放置している2棟124戸のマンション(西福岡マリナタウン)を05年2月にSPCが取得し、内装工事完了後の05年6月から分譲を開始している。 住宅設備日品販売事業では、連結子会社が、カーテン・照明・窓ガラスのUV加工等の住宅設備備品の販売をマンション購入者に対して行うほか、モデルルームのコーディネートを請け負っている。 |
05.6期は、マンション販売代理事業で、首都圏での大型物件を受託したことから、契約件数は近畿1,266件、首都圏488件、九州248件となり、対前期比で+約15%の増加となった。また、不動産流動化・再生事業でも、それぞれ100戸規模の案件の開発業務を受託した。 05.12中間期でもマンション販売代理事業では、引き続き順調に推移し、前通期の売上高と比較すると、ほぼ半分の進捗になっている。不動産流動化・再生事業では、前期に取得した中古マンションのリニューアル販売と、賃貸レジデンスの一棟売りによる仲介手数料を計上し、半期で既に前通期並みの売上高実績が計上されている。 06.6期の会社発表業績予想(個別)では、下期での利益ウエイト偏重傾向が織り込まれていると推測される点と、これまで営業赤字を計上していた住宅設備備品販売事業が黒字化することによって、前期と比較して売上高はほぼ横這いだが、大幅な増益の見通しとなっている。 売上高で最大のシェアを占めるセグメントのマンション販売代理事業は、売上高・利益ともに目立った変化は足元では見られない。ほぼ安定的なビジネスといえる。 マンション販売代理事業については、住友不動産を相手先とする契約が多く、全体の売上高に対する住友不動産向けの売上高の占めるウエイトは、04.6期で約30%、05.6期で約15%、05.12中間期で約10%と、徐々に低下する傾向になっているが、特定の顧客に販売先が集中する状況になっている。
当社は06年2月に1:3の株式分割を実施し、発行済み株式数は14,856株となっている。上場にあたっての公募が3,000株、売り出しが500株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売出しが500株予定されている。オーバーアロットメント分については、主幹事である大和証券SMBCを割当先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプションの未行使残高は下表のように1,335株あり、全数が上場後1年以内に行使可能となる。従って、ストックオプションの全数を潜在株式と認識し、上場時点での想定発行済み株式数は、19,691株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 02年6月 165株+585株 26,234円、38,900円 05年12月〜10年11月 05年5月 498株 76,667円 08年7月〜13年6月 06年1月 87株 116,667円 08年7月〜13年6月 株主名簿でのベンチャーキャピタルの保有株式は1,695株で、ロックアップは付されていない模様。ストックオプションによる希薄化効果とベンチャーキャピタルの保有ウエイトは共に10%前後であり、とりたてて大きいボリュームではない。 目論見書での想定発行価格は22万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は630百万円とされている。資金使途は、第三者割当増資分を含めて、全額を事業用地仕入れ資金等に充当する予定。
当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関のニュースリリース、会社概要だけとなっている。財務ハイライトやマネジメント・メッセージなどは現状でも開示できるはずであり、あと一歩の開示努力を願いたい。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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