IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
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過年度の決算実績では、メインの事業を建設事業から不動産投資事業にシフトを図っていたことから、減収増益のトレンドになっていたが、06.5期からは業態転換を完了して、増収に入る見通しとなっている。現在では不動産投資がメインとなっているので、今後の業績の想定は保有物件の質と量次第となるが、この質と量に関しては、目論見書からの判別は困難。 06.5期から07.5期にかけて会社発表では増益の見通しであり、想定されているEPS約4,000円〜4,200円をベースとすると、公募価格として想定されている60万円はPER約15倍と、割安感のある価格設定となっている。
当社は首都圏を中心に、商業施設の不動産にかかわる賃貸業、不動産開発、売却、管理を主たる業務としている。当社の業務は、不動産投資事業と、賃貸事業、建設事業の3つに区分される。 不動産投資事業では、入手した不動産物件情報の事前調査を行った上で商業施設としての開発可能性を検討し、自社での取得や賃貸、仲介物件としての開発の可能性を判断する。これに基づいて、テナントやオーナーに対して商業施設としての開発を企画・提案し、リーシングを行うことや、既存のたてものに対してのリノベーション、コンバージョンを提案し、商業施設として再生することで、収益物件化を行う。 また、既存の貸借権を取得してテナントリーシングを行い、収益物件化した貸借権自体を投資対象として商品化し、こうした商品化した不動産物件を投資ファンド等に仲介・販売、或いは、流動化させた金融商品として信託受益権を仲介・販売することを行っている。 賃貸事業では、取得・賃借した商業施設に対してテナントリーシングや企画・コンサルティングを行うことで再生し、高収益物件として運営またね商品化を行っている。特に、パチンコ・ゲームセンター等のアミューズメント事業の展開に注力しており、一部店舗では歩合賃料方式によって物件の陳腐化を回避して、長期的な営業を図っている。また、不動産投資案件についてのプロパティマネジメントを受託している。 建設事業では、不動産投資事業から派生する商業施設の建築を受注したり、再生物件についてのリノベーション、コンバージョンの施工・監理や、賃貸事業に伴って発生する建物・設備のメンテナンス等を行っている。 |
当社の過去数年間の業績をみると、長期的に減収増益のトレンドとなっている。これは、01.5期に大規模小売店舗立地法改正による駆け込み需要があって以降、当社の当時の主力事業であった建設事業のニーズが落ち込んできていることが原因となっている。こうした傾向を受けて当社では、主力事業を利益率の低い建設事業から、相対的に高利益率の事業である賃貸事業と不動産事業へ、事業形態をシフトさせている。このために、減収だが増益の傾向をとっている模様。 また、04.5期までに、従来手掛けていた飲食事業からの撤退に伴う事業整理損や、賃貸事業の不採算物件からの撤退に伴う事業整理損などを計上しており、建設事業の大幅な縮小と賃貸事業の不採算物件処理はほぼ完了しているとのこと。今後は、不動産投資事業を中心とした利益成長が見込まれる。 不動産投資事業は05.5期に初めて売上高を計上し、06.5期の業績見込みでは、不動産投資事業での大型物件の組立・売却が発生したことで、対前期比で大幅な増収を見込む一方、賃貸事業では、前期を下回る想定となっている。 07.5期業績見通しでは、不動産投資事業で、前期に取得した物件の売却や、企画仲介業務収入の獲得を図ったことで、前期と比較して大幅な増収を見込んでいる。更に、賃貸事業でも、新規物件による増収を見込み、増収の計画となっている。 当社は現在、賃料の増額請求や、補修工事費の確認調停、損害賠償請求訴訟など5件の係争中の案件を抱えている。これらの案件について想定される損失に対する引当て処理は既に終わっており、敗訴になった場合にも業績に与える影響は軽微で、当社が既に受けている許認可・登録項目に対する影響はないとのこと。直接経営に与える影響は会社サイドの説明のように軽微かもしれないが、事業規模と比較して5件の係争案件が発生するという点では、顧客や第三者に対する誠実な対応に関して、なにかしらの問題があるような印象を受け、投資家としては不安感が残る。
当社は06年2月に1:4の株式分割を実施し、06年6月時点の発行済み株式数は8,744株となっている。上場にあたっての公募が1,500株、売出しが500株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売出しが300株予定されている。ストックオプションの未行使残高は下表のように324株あり、上場後しばらくすると行使可能となる。このため全数を潜在株式として認識し、上場時点での想定発行済み株式数は、10,568株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年11月 324株 57,500円 06年11月〜14年11月 目論見書での想定発行価格は60万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は809百万円とされている。資金使途は、約289百万円を新規案件と既存店の改装等のための設備投資資金に、約519百万円を借入金の返済に充当する予定。 株主名簿ではベンチャーキャピタルの保有株は確認できず、またロックアップも全ての既存株主に対して付されていない模様。
当社ウエブサイトにはすでに投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは、上場関連のニュースリリース・資料だけとなっている。財務ハイライトやマネジメント・メッセージの掲載が望まれる。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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