7827オービスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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オービス(7827 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想

主幹事コスモ証券でのIPO応募の解説 > コスモ証券
セクター:その他製品

木材輸送の燃料コスト高騰懸念等があり、足元での業績の伸びは見込みにくい
 06.10期会社発表の業績見通しではEPSは約130円となる。想定公募価格2,030円はこのEPSをベースにするとPER約16倍となる。売上高が今期あまり伸びない見通しとなっており、将来的な成長期待も大きくは無い点や、木材輸送にかかる燃料費の高騰等のリスクを考慮すると、目処となるPER水準は18倍程度と考えられる。公募価格には若干の割安感はあるが、ほぼ公募価格近辺での価格形成になると想定する。

 ストックオプション等の希薄化要素はなく、ベンチャーキャピタルの保有ウエイトも高くないことから、株式需給の面では比較的安心感はある。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 04/10 05/10 06/4中 06/10会予
売上高(百万円)
8,928
6.5%
9,507

4,807
0.1%
9,520
営業利益(百万円)
367
66.7%
612

251
-20.2%
489
経常利益(百万円)
299
86.9%
558

236
-26.2%
412
当期利益(百万円)
182
94.3%
353

128
-37.8%
220
総資産(百万円)
純資産(百万円)
10,657
2,115
10,705
2,457
10,933
2,554
--
--
株主資本比率(%) 19.8% 23.0% 23.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
2.8%
8.6%
5.2%
14.4%
2.2%
5.0%
--
--
発行済株式数 1,732 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
105
1,221
204
1,419
74
1,475
127
--
配当(円/株) 20 20 -- --

事業概要
梱包用材の製造・販売、プレハブハウスの製造・販売・リース等
 当社グループは当社と連結子会社2社の計3社で構成され、梱包用材等の製造・販売、プレハブハウスの製造・販売、仮設建物等のリース、一般建築の請負、カラオケハウスとゴルフ場の運営、不動産の賃貸・売買を事業内容としている。

 事業区分は、木材事業とハウス事業、アミューズメント事業、不動産事業の4区分。木材事業では、ニュージーランドから松を輸入し、国内の本社工場・東海工場の2工場で製材を行い、梱包用材・ドラム用材、土木建設仮設用材、木材チップ等を製造・販売している。また、連結子会社では、木材運搬船によって当事業で使用する原木の輸送を行っている。

 アミューズメント事業では、カラオケハウス12店舗とゴルフ場1箇所の運営を行っている。

収支の状況
今期は売上高で前期比ほぼ横ばい、減益の見通し
 05.10期の実績では、木材事業での受注で、上期は梱包用材やパレット用材などが好調であったものの、下半期では上期発注分の在庫過多や、競合製品であるチリ材の供給過多によって、受注環境は厳しくなった。原料となる木材の輸入については、自社の木材専用運搬船を保有していることで、用船相場よりも安価な用船料で輸送を行うことが出来たことが利益面では貢献している模様。アミューズメント事業は、カラオケ部門・ゴルフ場部門ともに競合の激化・マーケットの縮小によって苦戦している。
【表1 事業の種類別セグメントの利益状況(百万円、%)】
        木材  ハウス アミューズ 不動産  連結
04.10期
売上高    4,634  3,039    1,151   101  8,927
営業利益    414   55     44    71  367
利益率     9.0%   1.8%    3.9%  69.9%  4.1%
05.10期
売上高    4,970  3,288    1,041  206  9,507
営業利益    551   129     44   78   612
利益率    11.1%   3.9%    4.2%   8.5%  6.4%
06.4中
売上高    2,582  1,691     476   56  4,806
営業利益    243   81      18   18   250
利益率     9.4%   4.8%     3.9%  33.5%  5.2%
売上高は外部顧客に対する売上高を使用

 06.10期の会社発表業績予想では、売上高では対前期比でほぼ横這い、利益ベースでは減益の見通しとなっている。売上高では、木材事業で販売数量が減少・販売単価が上昇することの結果、微増、ハウス事業では民間の工場・倉庫等の重量鉄骨タイプの受注を増加させて前期並み、アミューズメント事業では4店舗の閉鎖を織り込み減収の見通し。利益ベースでは、木材事業で、船舶燃料コストが原油価格の高騰影響によって大幅に増加すること等が、減益の背景になっている模様。

 当社工場は2工場あるが、ともに建設以来15年程度が経過している。このため、工場の移転を含めた設備の更新を検討中となっている。設備更新によって生産量の向上等も見込めるが、一方で建設コストは約20億円超が見積もられている。20億円を10年定額で償却すれば毎年の償却負担は2億円となり、現状での営業利益が4億円近辺の当社にとっては、大きな収支影響をもたらす可能性がある。

株式の状況
ストックオプションなし、VC保有株も多くない
 当社は06年3月に1:3の株式分割を実施し、06年8月時点の発行済み株式数は1,332千株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が400千株、売り出しが100千株予定されている。ストックオプション等の希薄化要素はない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、1,732千株とした。

 目論見書での想定発行価格は2,030円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約740百万円とされている。資金使途は、設備資金に100百万円、残金は借入金の返済に充当する予定。大半の公募資金は有利子負債の返済に宛てられることになるが、当社の株主資本比率は20%台と低いので、この公募資金の使途には納得感がある。

株主名簿記載のベンチャーキャピタル保有株式数は81千株。ロックアップ対象とはなっていないが、ボリューム的には大きくない。

情報開示の状況
一応開示あり
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連のニュースリリースと資料、業績見通しとなっている。マネジメントメッセージぐらいはあってもいいとは思うが、上場前に必要な財務情報はとりあえず掲載されている格好。


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