7772ナノテックスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ナノテックス(7772 札証)IPO

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セクター:精密機器
身内のための上場ではないことを願うばかり
 今期は減収減益の会社発表予想となっている一方、想定EPS約2,500円に対して、PER約50倍となる、非常に高いバリュエーションでの公募価格の想定がされている。

 情報開示の体制が上場承認後に素早くとられていないこと、公募資金の使途が不明瞭であること、などの点も指摘事項としては、あげられる。投資会社である親会社のために、また16万円の行使価格でストックオプションを持つ関係者のために、上場するのではないことを願う。

事業概要
光計測装置、情報機器、精密計測装置の開発・製造・販売
 当社は7708フォトニクスの子会社で、光計測事業と情報機器事業、精密計測事業の3事業を行っている。

 光計測事業では、光学レンズの性能評価のパラメーターである光学的伝達関数(OTF)を測定する技術をコアコンピタンスとして、実質的な世界標準である英国規格に沿って精密にOTFの測定を行うOTF測定装置の開発・製造・販売を行っている。装置の利用先・販売先は、光学メーカーとなる。また、測定装置の他に、携帯電話に組み込まれている量産レンズ等のOTF検査装置についても、開発・製造・販売を行っている。

 情報機器事業では、携帯電話ネットワークを用いたデータ伝送技術をコアコンピタンスとして、携帯電話ネットワークを用いて救急車内から病院へ心電図の伝送を行う心電図伝送装置、衛生電話用データ通信・FAXアダプタ、公衆回線を使って動画と音声・データを多重伝送できる動画伝送装置、複数の公衆回線を束ねて高速化を行う回線束ね装置などの開発・製造・販売を行っている。

 精密計測事業では、ナノメートルオーダーの精密計測技術や測定プローブ加工のための精密加工技術、測定アンプを実現するためのアナログ・デジタル電子回路設計技術をコアコンピタンスとして、非接触で物体の位置や振動をナノメートルオーダーの分解能で測定する非接触変位計と、半導体ウエハー等のシリアルナンバーを読み取るID認識装置の開発・製造・販売を行っている。

 また、当社は、光通信用受動部品の研究開発・検査に使用する米国社製スペクトラムアナライザの日本総代理店として輸入・販売を行っていたが、米国での新製品開発が停滞していること、市場の短期的な拡大が見込めないことから、05年6月に総代理店契約を解消し、事業から撤退している。

収支の状況
今期は減収減益の会社発表見通し
 05.6期は、光計測事業ではカメラ付携帯電話の高画素化が進行し、レンズ系への結像特性評価の要求が高度化してきたことから、レンズ系の性能検査がOTFを使用したものにシフトしてきた。これを背景に、OTF測定装置の出荷が増加している。

 情報機器事業では、回線束ね装置について丸紅テレコムを総販売代理店として販売を行い、心電図伝送装置の販売が大手医療機器メーカー向けに好調となった。また、精密計測事業でも、液晶テレビやデジタルカメラ、DVDレコーダーの販売が好調であることを背景として、これらに関連した位置決め用途やハードディスク検査装置向けの静電容量型変位計の出荷が順調に推移した。

 05.12中間期についても、上記とほぼ同様の販売状況となっている。ただ、情報機器事業と精密計測事業では半期の前通期実績に対する進捗率がほぼ半分であるのに対して、光計測事業では2割強程度の進捗にしかなっていない。

 06.6期の会社発表業績見通しでは、対前期で減収減益の見通しとなっているが、光計測事業分野での販売実績の減少が大きく影響している模様。

 当社は06年3月に社会保険労務士から、時間外労働時間の計算が実情と相違していることの指摘を受けている。このため、06.6期には追加的な労務費が計上される可能性があると考えられるが、こうした追加コストが会社発表の業績見通しに織り込まれているのかどうか、更には発生の可能性があるのか、については記載がない。

 04.6期の利益水準が低くなっているのは、半導体ウエハー用平坦度測定装置の販売価格の下落と、製品の欠陥対策などで製造原価が増加したことによる。また、事業撤退に伴う特別損失を計上したことで、当期赤字となった。

株式の状況
ストックオプションとVC保有ウエイトは、そこそこのボリューム
 06年4月時点の発行済み株式数は21,120株で、上場にあたっての公募が2,000株、売り出しが1,000株(売り出し元は親会社フォトニクス社)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように4,213株あり、うち3,513株については、上場直後から大半が行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、26,633株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
04年10月  3,513株  88,000円  04年12月〜07年12月、ただし役員・従業員は上場当日以降、他の者は上場後6ヶ月経過後
06年5月   700株  160,000円  08年5月〜13年5月

 目論見書での想定発行価格は125千円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約213百万円とされている。資金使途は、設備投資・借入金の返済・運転資金に充当する予定となっている。資金使途が不明瞭だが、これは親会社自体が下記のようにベンチャーキャピタルであり、上場しないと親会社の利益に貢献しない、つまり親会社にとっては上場自体が目的となっている面が影響していると考えられる。公募自体は上場基準を満たすため程度のものという趣旨と思われ、特段の意味は無いのだろう。

 公募・売り出し後も、親会社であるフォトニクスは過半の株式を保有する状態になるが、フォトニクス社は投資会社=ベンチャーキャピタル、インキュベーターであり、将来的には保有株式を売却する可能性がある。ただし、フォトニクス社と別の法人株主1社には180日間のロックアップがかけられているので、上場後すぐに売却することは出来ないことになっている。ロックアップの対象となっている株式数は、13,830株。

 株主名簿での親会社以外のベンチャーキャピタルの保有株式数は、合計4,420株で、こちらはロックアップ対象とはなっていない。

情報開示の状況
開示体制は、まだ
 6月9日時点で、当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページは、まだ設置されていない。決算広告が掲載されているだけとなっている。

 親会社が最も重要な株主だということであれば、わざわざウエブ上で経営情報を公開することの必要性・重要性は低いわけで、開示体制が上場承認以降に素早くとられていない点も、上場が親会社を向いたものであって、一般投資家のことは考慮されていないのではないかという疑念の元となる。


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