IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アルファクス・フード・システム(3814 ヘラクレス)IPO |
良心的な公募価格設定になるか 想定公募価格10万円に対して06.9期見通しベースEPS約4,700円でのPERは約20倍強となる。売上高・利益面ともに、比較的高い成長率を実績で残しているので、PERではもう少し高い水準、約30-40倍程度で評価されてもよいように思える。 最近上場した似たような業種としては、小売・卸売り関連のシステム業を行っているイーサポートリンク(2493 ヘラクレス)があったが、こちらは強気と思える公募価格の設定だったためか初値は公募価格水準にとどまった。 イーサポートリンク社と比較すると、当社の公募価格の想定は良心的に見える。 連結データ(左肩は対前年比(%))
当社は外食業界に特化した基幹業務システムのASPによる提供から、飲食店舗にて利用するPOSシステム、オーダーエントリーシステムの自社規格商品の販売、周辺サービスの提供までをワンストップで行っている。事業区分としても、飲食店経営管理システムをインターネット経由で提供するASPサービス事業、当社企画のオーダーエントリーシステムやPOSシステム等のハード機器の販売を行うシステム機器事業、その他他社機器やサプライ品等を販売する周辺サービス事業に、3区分される。 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)は、アプリケーションソフトの期間貸しのことで、ASP利用者であるユーザーが、インターネットを利用してASPサービス提供企業が所有するサーバーにあるアプリケーションソフトウエアの機能を利用できるサービスを指す。ユーザーはASPを利用することで、高価なクライアントサーバーを自社で開発する初期費用と時間が節約され、恒常的には、システムのバージョンアップ費用、システムの保守・メンテナンス費用、店舗における各種データ入力の作業負担等が軽減される。 ASPサービス事業では、顧客の外食企業に対して、1.売上分析システム、2.勤怠管理システム、3.在庫管理・在庫分析・受発注処理、4.セントラルキッチン等の基幹業務システムをASPで提供している。顧客の外食企業本社やエリア本部は、インターネット端末で上記1.-4.のシステムを利用し、各店舗から送信された諸データを当社独自の帳票に加工・分析されたデータとして閲覧し、経営判断に用いることができる。 オーダーエントリーシステム(OES)は、外食店舗において、来店客からの注文を入力して注文内容をリアルタイムに厨房に伝えるとともに、会計時には注文情報をPOSへ伝送することで、即時に飲食代金を精算できるようにする店舗効率化システム。 周辺サービス事業では、外食企業関連商品のワンストップサービスの一環として、ウエブサービスによる外食関連情報の発信や、飲食店向けリアルタイム席予約システム「R2」の運営顧客誘致、事務管理簡素化のためのポイントカード端末やクレジット端末、自動釣銭機端末、キャッシュカウントマシーン等と、他社製品・POSシステム・オーダーエントリーシステムに係わる各消耗品の販売を行っている。 |
会社発表の06.9期業績予想では当社企画のオーダーエントリーシステムとASPサービス事業の伸びを見込んで、売上高で+約31%の増収、+約77%の経常増益の見通しとなっている。中間期の通期見通しに対する進捗率は若干高いように見えるが、当社の主な顧客である外食産業での特性等によって、当社の収益構造では、経常利益ベースで、上期にウエイトが高くなる傾向にある。過年度の実績での上下比率は、おおむね6:4となっている。これを踏まえると、今年度の通期見通しの水準は、決して保守的ではなく、妥当な水準に思える。 売上面では、特にシステム機器販売事業での伸び率が高い。これには、POSシステムの新バージョンとオーダーエントリーシステムの新商品を本格的に市場投入したことが貢献している模様。また、06.3中間期では、システム機器販売での大型の受注を獲得したことが、反映している。 【表1 事業部門別の販売実績と見通し(百万円、%)】 05.9期実績 前期比 06.3中 06.9見通し 前期比 ASPサービス 686 +21.8% 392 861 +25.5% システム機器 303 +196.5% 466 789 +160.2% 周辺サービス 375 +67.7% 92 140 -62.6% 合計 1,365 +53.5% 952 1,791 +31.2% 主な販売先は、「どん」と「あきんどスシロー」となっている。特に06.3中間期では、「どん」向けでの特需があった模様で、全売上高に占める「どん」向け売上高のシェアは、約40%となっている。経年的に特定の顧客への依存度が高ければ問題になるが、当社場合には、経年的に10%程度で推移していた特定顧客向けのシェアが一時的に40%になったということなので、特に課題点とは考えられない。 05.9期の当期利益には、投資有価証券売却益約86百万円(税前)の特別利益への計上が含まれていることから、経常利益<当期利益となっている。また、繰越損失が04.9期まで残っていたことから、05.9期の法人税負担も軽減されている。06.9期見通しについては、本来の税率がほぼ適用されているとみられる。
当社は06年6月に1:3の株式分割を実施し、06年8月時点の発行済み株式数は22,926株となっている。上場にあたっての公募が1,600株、売出しが1,230株(売り出し元は500株が会社関係者で、残り730株はベンチャーキャピタル)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように579株存在し、上場後1年程度で行使可能となることから、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の発行済み株式数は、25,105株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年7月 579株 19,334円 07年8月〜12年7月 目論見書での想定発行価格は10万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約122百万円とされている。資金使途は、データセンターサーバーの増設・設置に充当し、残額は運転資金とする予定。 株主名簿でのベンチャーキャピタル保有株式数は3,897株(VCらしき海外法人を含む)で、うち730株は売り出し対象となっている。上場後に売却可能性があるものは、売り出し対象を除いた3,167株となる。ロックアップは全ての既存株主に対して付されていない模様。
当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージのほか、財務ハイライト、上場関連の資料・ニュースリリース等となっており、上場前段階としては、必要かつ十分な開示内容。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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