3812ゲームオンIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ゲームオン(3812 マザーズ)IPO

セクター:情報・通信業
高騰が期待できる銘柄だが、半面、懸念材料も
 高成長中の業態であり、先行して上場しているオンラインゲーム会社の状況をみる限り、今期予想EPS13千円に対してPER約57倍となる想定公募価格74万円の水準は決して高いものではない。

 懸念材料としては、06.12期の会社発表業績予想で、売上高の伸びの割には利益の伸びが低い点と、公募・売り出し合計で約17千枚と比較的「当たりやすい」規模である上に、ストックオプション約4千枚とベンチャーキャピタル保有分約33千枚があり、売り物が大量に控えている点の二点がある。

事業概要
オンラインゲームの運営等
 当社は、オンラインゲームサービスを中心とした事業を展開しており、オンラインゲーム運営部門とその他部門とに区分される。

 オンラインゲーム部門では、主に海外で開発・運営されているオンラインゲームタイトルの中から、日本市場にマッチするタイトルを選定し、当該タイトルのライセンサーと契約することで、配信・運営等のライセンス供与を受ける。更に、当該タイトルについては、ローカライズを行い、ベータサービスを経た上で、正式有料サービスを開始する。

 オンラインゲーム運営部門では、当社のオンラインゲームユーザーから継続的に利用料を徴収し、ライセンス使用の対価として、契約に基づいてライセンサーへロイヤリティ等を支払っている。

 現在運営しているオンラインゲームタイトルは、アイテム課金型では「眠らない大陸クロノス」「レッドストーン」「シルクロードオンライン」、月額課金+アイテム課金複合型では「天上碑」「ミュー〜奇蹟の大地〜」がある。

その他部門では、インターネットカフェ等へのソフトウエアライセンス許諾によるライセンス利用料の徴収、ゲームポータルサイトの運営による広告料金の徴収、携帯電話機向けコンテンツの企画・運営による利用者からの利用料徴収を行っている。

収支の状況
成長性は申し分ないが、06.12期予想の経常利益の伸び率は売上比較では小
 05.12期は新たにMMORPG「レッドストーン」のベータサービスを1月から、正式有料サービスを2月から開始した。またMMORPG「シルクロードオンライン」のベータサービスを11月から、正式有料サービスを12月から開始し、期末時点で当社が運営するオンラインゲームは全5タイトルに増加した。

 その他部門では、インターネットカフェへのソフトウエアライセンス許諾は、期末時点で807店舗、ゲームポータルサイトの会員数は60万人超となった。

 オンラインゲーム業は、現在非常に成長率の高い業態であり、当社の場合も、今期の売上高見通しは前期比で倍と、高い成長性を持っている。ただ、05.12期は利益の対前期比が売上高の対前期比を大きく上回っているものの、今06.12期予想については売上高ではほぼ倍の増収が見込まれていることに対して、経常利益では同程度の倍増、当期利益では実質的な法人税負担が開始されるために、+約50%程度に留まる見通しとなっている。

法人税負担については、繰越欠損金の消失によるもので、仕方がないのだが、経常利益で売上高の対前期比並みにしか伸びない見通しとなっている点は、今後の業績予想の際には要注意ポイントだろう。

株式の状況
ベンチャーキャピタルの保有ウエイト大
 当社は06年6月に1:8の株式分割を実施し、06年6月時点の発行済み株式数は71,200株となっている。上場にあたっての公募が3千株、売り出しが14,130株(売り出し元は、親会社等法人5,764、ベンチャーキャピタル8,366株)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように5,704株存在し、このうち4,304株が上場直後から行使可能となっているため、潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、78,504株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
02年4月  1,800株  6,250円  04年5月〜12年3月
同上      80株  6,250円  04年5月〜12年3月
03年10月 1,016株  12,500円  05年10月〜12年3月
同上    1,408株  12,500円  05年10月〜12年3月
05年7月   264株  25,000円  07年7月〜15年7月
05年8月   968株  25,000円  07年8月〜15年8月
05年7月   168株  25,000円  07年12月〜15年12月

 目論見書での想定公募価格は74万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は2,200百万円とされている。資金使途は、900百万円を新規タイトルの獲得等の設備資金に充当し、残額を自社タイトルの開発等のための研究資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は、売り出し考慮前で41,824株となっている。このうち売り出し対象が8,366株あるので、上場後に売却される可能性があるのは33,458株となる。既存の全株主に対して、ロックアップは付されていない模様。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは4割超であり、売り圧力としては相当大きい。

情報開示の状況
平均的な開示水準
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライト程度となっている。上場前の開示水準としては、平均的なもの。


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