3811ビットアイルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ビットアイル(3811 ヘラクレス)IPO

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セクター:情報・通信業
事業の説明は不十分だが、高度成長中であることは間違いなし
 IT関連の事業で、業績は問題なく高成長中。何が当社の強みで何がドライバーとなって業績が向上しているのかの説明については、目論見書の記載は十分とは言えないが、今中間期の進捗を見る限りでは、今期の増収増益見通しについても達成は可能と考えられる。

 法人税の実質負担を考慮した場合の今期予想EPSは約8,500円で、公募価格で想定されているPERの水準は70〜80倍となる。足元の成長性の高さからは、特に割高感はなく、順当な価格付けに思える。当面の市場評価はPER100倍を越える高いものとなると予想する。

事業概要
インターネットデータセンターの運営等の総合ITアウトソーシング事業
 当社はトランクルーム事業等を展開する寺田倉庫(非上場)と、倉庫の活用方法の一つとして共同で事業を立ち上げたジョイントベンチャーとして設立された。顧客企業の情報通信環境をバックヤードから支えるアウトソーシング事業を中心として、主にiDCサービス、マネージドサービス、ソリューションサービスの3事業を行っている。

 iDCサービスは、当社が運営するデータセンターのインフラストラクチャーを顧客企業に安全・安定的に提供するサービスで、サーバやネットワーク機器を最適なセキュリティ・電源設備・空調設備環境の中で預かるコロケーションサービスや、複数のプロバイダやキャリアへの接続を提供するネットワークサービスを中心に提供している。

 マネージドサービスは、iDCサービスを利用している顧客企業を中心に、ハード面を含めたサーバ環境の構築から、その管理・運用までをサポートするサービス。具体的には、サーバや通信機器の障害対応や定期的な運用・装置を顧客に代替して行う運用サービスや、顧客企業のシステムやネットワークにセキュリティソリューションを提供するセキュリティサービス、当社の所有するサーバのストレージ領域を顧客企業に提供するストレージサービス、サーバや通信機器を顧客企業にレンタル方式で提供するレンタルサービスを行っている。

 ソリューションサービスは、多数の顧客企業のサーバを管理・運用する際に得たノウハウ・ネットワークを活用し、顧客企業の新しいITビジネス構築のサポートを提供するサービス。顧客企業のニーズにあったシステムやネットワークをコンサルティング・提案・構築するシステムインテグレーションサービスと、顧客企業と提携してASPサービスの開発・運用に必要なインフラストラクチャーを提供したりアプリケーションを共同開発するASPサービスを行っている。

収支の状況
06.7期は大幅な増収増益となる見通し
 当社の主力事業であるiDCサービス分野では、慢性的に供給過剰となっていた利用率が、2003年度には上昇しており、需給バランスが改善の方向に向かっている。こうしたことを背景に、05.7期には経常黒字化している。

 05年2月に当社はモバイルメディアサービスからの事業撤退をし、モバイル事業部をコネクトテクノロジーズに売却した。モバイル部門の売上高が04.7期に約14億円、05.7期に約5億円が計上されている。連結売上高をみると、05.7期は対前期で減収となっているが、モバイル事業部門を除けば、増収になる。05.7期の当期黒字額が大きいのも、この事業売却益236億円の計上によるもの。

 当社は事業設立当初であったことから、赤字決算を過去に計上しており、05.7期に黒字転換したところになっている。このため、累積損失が06.1中間期末の時点で約1億円残っている。05.7期末段階では約12億円だったものが、半期決算でここまで圧縮されており、今期末には累積損失は解消されると考えられる。また、この影響によって、過年度には実質的な法人税の負担が発生していない。

 06.7期の業績予想が会社から発表されており、前期と比較して大幅な増収増益の見通しとなっている。成長産業であるから、不自然な水準ではないものの、目論見書には、この大幅な業績向上の見通しを説得できる材料は記載されていない。中間期までの進捗をみると、達成は可能だと考えられるが、若干根拠が希薄な印象を受ける。また、上記のように当期利益は法人税が控除されていないため、06.7期予想の名目EPS約14,000円は、実質的には8,500円水準である。

株式の状況
VC保有約4千株はロックアップ対象となっていない模様
 当社は06年4月に1:2の株式分割を実施し、06年6月時点の発行済み株式数は27,474株となっている。上場にあたっての公募が2,500株、売出しが1,612株(売り出し元は会社関係者等)予定されている。ストックオプションは下表のように1,780株あるが、このうち1,720株は上場後一年以内に行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行株式数は、31,694株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
04年5月   720株   10万円  06年5月〜14年5月
05年3月  1,000株   25万円  07年3月〜15年3月
05年10月   60株   25万円  07年10月〜15年10月

 目論見書での想定発行価格は60万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は1,368百万円とされている。資金使途は、現在進行中のインターネットデータセンター増床に関する設備資金に充当する予定。

 三菱UFJ証券に対しては、180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象株式数は48株だけとなり、全体への影響はほとんど無いと見て構わない水準となっている。一方で、ベンチャーキャピタルの保有株式数は3,994株あり、こちらはロックアップ対象とはなっていない。

情報開示の状況
上場前段階としては、十分な開示水準
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと上場関連の資料、財務ハイライトとなっており、上場前の段階としては、十分な開示水準になっている。


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