3049エノテカIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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エノテカ(3049 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

(8月4日赤字箇所訂正)
公募価格はほぼ妥当な水準か
 当社はワイン専門商社という上場会社としては特殊業態ではあるが、一般的な小売店舗業態での平均的なPERは20倍程度となっていることに対して、当社の07.3期会社発表の業績予想ベースのEPSは約16千円、想定公募価格帯でのPERは約23倍となっている。

 08.3期以降もこれまでと同様な業績の拡大が維持できるかについての判断は難しいが、足元の業績の伸び率をみると、PER25倍程度までの、公募価格の水準はほぼ妥当なところと考えられる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 04/3 05/3 06/3 06/9中予 07/3会予
売上高(百万円)
6,899
-14.2%
5,922
27.6%
7,557

3,780
12.2%
8,482
営業利益(百万円)
--

161
144.3%
392

--

--
経常利益(百万円)
234
-84.8%
36
1497.1%
568

191
14.8%
652
当期利益(百万円)
100
-69.8%
30
771.0%
262

105
42.4%
373
総資産(百万円)
純資産(百万円)
7,388
1,673
8,317
1,601
8,417
1,862
--
--
--
--
株主資本比率(%) 22.6% 19.3% 22.1% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.2%
6.0%
0.4%
1.9%
6.7%
14.1%
--
--
--
--
発行済株式数 22.96 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
4,340
72,846
1,310
69,744
11,411
81,076
4,573
--
16,246
--
配当(円/株) -- -- -- -- --

事業概要
ワインの輸入販売・卸売・小売
 当社はワイン事業専門商社として、ワインの輸入、ショップ営業、卸営業、通販サービスを行っている。

 ショップ部門では、直営ワイン専門小売店舗「ワインショップ・エノテカ」を札幌市・新潟市・横浜市・東京都・柏市・名古屋市・大阪市・八尾市・芦屋市・広島市・安芸郡・福岡市に配し、同小売店舗「レ・カーヴ・タイユヴァン」を東京都・横浜市・名古屋市・大阪市・京都市に展開している。

 「ワインショップ・エノテカ」では、フランスの、特にボルドーワインを中心に他国を含めて1,000種類以上の品揃えを配している。「レ・カーヴ・タイユヴァン」は、パリの三ツ星レストラン「タイユヴァン」が経営するパリのワインショップを日本国内で展開しているもので、「タイユヴァン」のオーナーが厳選したブルゴーニュワインを中心に約700種類を揃えている。

 卸営業部門では、全国の百貨店・高級スーパー・主要高級ホテル・全国有名レストラン等に自社直輸入のワインを納入している。営業拠点は、東京都港区の本社のほか、札幌市・名古屋市・大阪市・福岡市・沖縄市にある。

 通販サービス部門では、当社ホームページやウエブサイト上の他社ショッピングモールを通じて、インターネットを中心とした通信販売を行っている。

収支の状況
05.3期の減収減益は特殊要因によるもの、07.3期は業績拡大の見通し
 06.3期は期中の新規出店は1店で、期末時点の店舗数は、2ブランド合計で25店舗となった。ショップ部門の売上高は店舗増分の寄与と、夏季のシャンパン・スパークリングワイン等の売上げ増加によって、対前期比+約16%となった。ただ06.3期については、対前期伸び率ではむしろ営業所を国内で順次開設した卸営業部門によるところが大きく、この部門では対前期比+約63%の増収となった。

【表1 事業部門別の販売実績(百万円、%)】
          06.3期  前期比
ショップ部門   4,340  +16.6%
卸営業部門    2,297   +63.0%
通販サービス部門 929  +16.1%
合計        7,557   +27.6%

 当社の主力販売商品であるワインは、12月のクリスマス時期を中心に需要最盛期を迎える傾向が強いため、当社の業績は上期に比較して、下期に売上・利益が偏重する傾向にある。過年度の傾向をみてみると、売上高では、上:下で、40-45:60-55、営業利益では概ね30:70のウエイトとなっている。07.3期の見通しについても、この過年度の傾向に沿っている模様であり、当07.3期の最終的な着地についても、12月の販売実績がどうなるかにかかっている面が強い。

 リスク面では、取り扱い商品の約8割が海外からの輸入で、主にユーロ建てでの取引となっていることによって、為替差損リスクがある。当社では為替予約等のリスクヘッジを行っているが、急激な相場変動があった場合には、影響があることが考えられる。

 04.3期から05.3期にかけての減収は、レストラン事業部を会社分割したことに伴うもので、04.3期の売上高のうち約1,346百万円を占めている。両決算期の間の減収幅は977百万円なので、レストラン事業を除くと、実は増収となっている。

株式の状況
VCはロックアップ非対象、ストックオプションもそこそこのボリューム
 当社は06年3月に1:5の株式分割を実施し、06年8月時点の発行済み株式数は17,000株となっている。上場にあたっての公募が5,000株予定されている。ストックオプションの未行使残高が1,115株あり、このうち960株については上場後しばらくして行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は22,960株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
04年6月   960株  35,000円  06年12月〜14年6月
06年1月   155株  96,000円  08年3月〜15年1月

 目論見書での想定発行価格は37万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約1,820百万円とされている。資金使途は、約725百万円を設備資金に、540百万円をエイジング用ワイン購入などの運転資金に、残額を借入金返済に充当する予定。

 既存主要株主に対しては、180日間のロックアップが付与されている。ロックアップ対象株式はストックオプションを含めて5,075株。ベンチャーキャピタルはロックアップ対象となっておらず、合計で2,925株を保有している。

 概算では公募5千枚に対して、ストックオプションで1千、ベンチャーキャピタルからの放出可能性で3千枚が存在する。VCやSOのウエイトは極端に高いわけではないが、株式の需給面ではタイトな状況とは言えない。

情報開示の状況
ニュースリリースを掲載して欲しい
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務ハイライトだけとなっている。後は、上場関連のニュース・資料の掲載をして欲しいところ。特に、ニュースリリースについての掲載ページが存在しない点は、残念。


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