3044パワーアップIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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3044パワーアップIPO

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セクター:小売業
高い成長性にはそろそろ翳りも見え始めるが
 05.11期までは高成長を続けてきたものの、そろそろ成長に陰りが見え始める段階になっていると考える。成長に陰りが見えるとはいえ、今までのハイペースが鈍化するということであり、業績が低下するほどの状況ではない。
 今期の想定EPSは、堅実に見積もって前期実績に+20%増の60円、第一四半期のペースを維持すれば80円と推測する。これに対しての公募価格のPERは約15〜20倍となり、同業他社と比較すると一定の割安感はあるだろう。

 公募の割安感と共に、飲食店業態なので株主優待も期待が大きくなるところではある。株主優待の有無については会社からのコメントは無いが、公募がとれれば下値不安もなく、優待目当てに長期保有することも可能な銘柄と考える。

事業概要
イタリア家庭料理店「元祖にんにくや」等の店舗運営
 当社は、イタリア家庭料理店「元祖にんにくや パワーアップグループ」の店舗運営を主たる業務としている。店舗は全国各地の大規模商業施設にテナントとして出店する直営店方式を主体としている。運営店舗の概要は以下の通りで、「ガーリック・きっちん」の店舗形態については、出店地域である広島県で他の類似店舗と差別化するために、この名称を使っている。

店舗名       店舗数  業務内容
元祖にんにくや    40  イタリア家庭料理レストラン
ガーリック・きっちん  1  イタリア家庭料理レストラン
にんにん        2   イタリア家庭料理フードコート店

収支の状況
ここまでは順調に業績を拡大してきたが、そろそろ成長鈍化傾向か
 05.11期は、北海道2店舗、東北1店舗、関東2店舗、東海1店舗、九州3店舗の合計9店舗を新規出店した。新規出店による店舗数の拡大に応じて、業績は基本的に右肩上がりの状態を継続している。

 下表は都道府県別での販売状況だが、店舗数が1になっている都道府県をみれば、既存店の売上高対前期比がわかることになる。そうした視点でみた場合、岩手・栃木・群馬など東日本では既存店の売上高は前期と比べて約80%前後に低下している。

 また、関東での出店が今期は2店で、茨城と埼玉に対前期比が記載されていないことから、ここでの2店が今期の新規出店であることがわかり、逆に2店舗ある千葉と神奈川では期中の新規出店がないことになる。このため、千葉・神奈川での前期比が期中の出店に影響されずに正確に出ていると考えられるが、この2県でも売上高の前期比は80〜90%となっている。

一方で、関西では京都で前期比約95%、奈良では前期を上回る販売実績となっており、総じて西日本での既存店の販売は、堅調になっている。

 以上を踏まえて、既存店合計での売上高対前期比が06.11期には平均で90%程度で推移すると仮定すれば、現在の当社の総店舗数が約40店であるために、期初に新規出店したとしても4店分は、既存店の売上減少のカバーに回る計算となり、増収に寄与しない。期中に新規出店するとすれば、倍の8店分程度が既存店のカバーとなり、新規出店の効果はより小さくなる。

 第一四半期の売上高実績では前通期の売上高に対して、約28%の進捗率に留まっている。ここまでは高成長を続けてきたものの、今期辺りからは、成長が鈍化する可能性があると推測する。

株式の状況
筆頭株主へのロックアップ効果が大きく、VC保有株の影響は小さい
 当社は06年4月に1:20の株式分割を実施し、06年6月時点の発行済み株式数は4,512千株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が500千株、売り出しが500千株(売り出し元は会社関係者)、オーバーアロットメントによる売出しが150千株予定されている。オーバーアロットメントについては、主幹事である野村證券を割当先とした第三者割当増資の可能性がある。

ストックオプションの未行使残高が下表のように60千株あるが、行使可能となるまでに約2年間の猶予があるので、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は5,162千株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
06年4月  60千株   565円  08年5月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は1,200円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は536百万円とされている。資金使途は、全額を設備資金に充当する予定。

 主要な会社関係者の株主5名には180日間のロックアップが付されている。ロックアップ対象株式は、第三者割当が実施されなかった場合には、3,968千株、第三者割当増資が実行された場合には、4,118千株となる。ただし、発行価格の2倍以上での売却は可能なオプション付き。

 一方、ベンチャーキャピタルの保有株数は合計で360千株あり、こちらにはロックアップは付されていない。会社関係者である筆頭株主のシェアが約8割と非常に高く、これに対してはロックアップ付きとなっている。ベンチャーキャピタルのウエイトは相対的に低く、特に株式需給バランスに大きな影響を与えるものとはなっていない。

情報開示の状況
開示はまだない
 当社ウエブサイトには、6月9日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場に関するニュースリリースも発表されておらず、会社概要ぐらいしか参考になる資料は掲載されていない。


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