2493イーサポートリンクIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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2493イーサポートリンクIPO

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セクター:サービス業
公募価格の設定には強気すぎる印象
 売上高は10〜15%の幅で経年的に増加、今期も増加する見通しとなっており、業績は順調。問題は一株当り利益の見方で、過去の実績はEPS約1万円水準で、一件想定公募価格はPER50倍と、成長企業としては妥当なバリュエーションにみえるが、過年度では法人税の実質負担がない上に、特別利益でカサ上げされている年度がある。

今期予想ベースの法人税考慮後のEPSは約4千円であり、想定公募価格50万円はこの段階で既にPER100倍を超える。このため、公募価格には強気な印象を受ける。

事業概要
青果などの生鮮品・花卉の流通システム事業と業務受託
 当社は、生鮮青果流通業界を構成している事業者に対して、ITを用いたビジネスプロセスアウトソーシングサービスとして、システム事業と業務受託事業を行っている。当社には子会社・関連会社はないが、生鮮農産物・加工品の卸売り、青果専用センター運営を主な事業とする「その他の関係会社」が1社ある。

 野菜や果物などの生鮮食品は、一定の規格のある工業製品とは違って、産地や気候、その年の出来・不出来などによって、色・サイズ・品質等がまちまちで、商品に全国共通の商品コードをつけることが難しい。また、生産地から量販店に並ぶまでの商品の流れの情報をデータベース化して手中的に管理することが困難であった。

 当社のシステム事業では、生鮮青果流通業界を構成する事業者に対して、イーサポートリンクシステムで、生産者・加工業者・中間流通業者・配送業者がそれぞれ利用できるサービスを提供している。例えば、生産者や出荷団体などのサプライチェーン上流の計画・予定情報を、加工業者・中間流通業者・配送業者等の下流で共有化して、段取り・準備作業を効率化するなどのメリットがある。

 業務受託事業では、生鮮青果流通業界を構成する事業者に対して、上記システムをベースとした事務代行サービスを提供している。

 具体的には、量販店からの発注をEDI等で受信し、受注処理を行う受注代行や、売上・仕入れ計上後に発生した値引き等の修正を行う計上代行、請求書の発行、発送、請求書と入金額の照合を行う売掛管理代行など。

収支の状況
法人税負担の有無に注意要
 05.11期はシステム事業でイーサポートリンクシステムに対する改良や各種機能開発を行ってユーザーの利便性を高め、データ件数が順調に増加したことで、売上高は対前期比+約16%増となった。業務受託事業では、バナナ関連業務の増加や、東北・北海道・九州地区の量販店からの受注業務が増加したことで、売上高は対前期比+約9%増となった。

 当社では事業規模の拡大を図るために、新サービスとして、XML-EDIを活用した青果標準受発注サービスの開発に着手した。現在は、要件定義作業を行っており、将来は量販店との業務提携も視野に、アライアンス企業以外の量販店向け納品業者に対してサービスを提供していく方針だが、今のところは収益貢献していない。

 当社では事業開始以来、03.11期まで経常損失・当期純損失を計上しており、04.11期から黒字化している。このため、04.11期と05.11期はともに実質的な法人税負担がない。特に04.11期には、賠償金収入を特別利益に計上しているために、当期利益が経常利益を大幅に上回る結果となった。会社発表の06.11期業績予想では、法人税負担が織り込まれている模様。

株式の状況
VC保有は約6千株、ストックオプションは小規模
 06年6月時点の当社発行済み株式数は26,881株で、上場にあたっての公募が2,200株、売出しが1,000株(売り出し元はベンチャーキャピタル)予定されている。ストックオプションの未行使残高は下表のように687株あり、このうち294株は上場直後から行使可能となるので、潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は29,375株とした。

【表1 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格 行使期間
04年8月   294株  18万円  06年8月〜10年8月
05年2月   393株  18万円  07年2月〜11年2月

 目論見書での想定発行価格は50万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約1,009百万円とされている。資金使途は、イーサポートリンクシステムに205百万円と、青果受発注システムに804百万円で、全額をシステム設備資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は6,877株あり、このうち1,000株は上場時の売り出しにかかっているので、上場後に市中放出の可能性があるのは、5,877株となる。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは、無視できないボリュームだが、ストックオプションについては、特に留意が必要な規模ではない。

情報開示の状況
平均的なレベルで開示済み
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトだけとなっている。上場前の開示水準としては、平均的なレベル。


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