2492インフォマートIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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2492インフォマートIPO

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セクター:サービス業
ストックオプション等の残量が大きいことが最大の問題点
 Eマーケットプレイス関連という伸び盛りの業態であり、会社発表の今期業績見通しは、第一四半期の進捗率では、特に問題ない。今期の会社予想ベースでのEPS(希薄化考慮後)は約5.5千円で、想定されている公募価格のPERは約63倍と、この種の業態としては、特に高すぎる水準とはいえない。

 ただし、ストックオプション等による希薄化効果が、向こう一年で最大30%程度あることから、株式の需給面では不安が残る。

事業概要
フード業界向けのeマーケットプレイス運営や、ASP受発注システムサービス等
 当社はインターネットを活用したフード業界の企業間電子商取引プラットフォーム「FOODS Info Mart」を運営している。事業構成は、食品食材市場eマーケットプレイスを運営するEMP事業と、フード業界専門のASP受発注システムと商品規格書データベースシステム「FOODS信頼ネット」を提供するASP事業の2事業。06年5月末時点での「FOODS Info Mart」の利用企業数は、売り手10,068社、買い手2,251社の合計12,319社となっている。

 EMP事業は、売り手企業が取り扱い商品を「商品カタログ」に、買い手企業が調達情報を「調達カタログ」に掲示し、検索・商談・取引機能、自動取引マッチングシステム、決済代行システム、付加価値コーナー等の活用によって、全国の利用企業と効率的に取引マッチングから、商談・取引・受発注・決済までをワンストップで提供している。

 当社は、eマーケットプレイスの運営者として商談・取引の場を提供し、年間契約のもと、一定のシステム利用料を顧客企業から受け取る。決済代行システムでは、取引額に対して一定の割合で手数料を受け取っている。アウトレットマートでは、売買取引の当事者として、出品者から商品を仕入れ、購入者へ販売している。

 売り手企業は、食品製造・卸売り業・生産者等、買い手企業は、外食・小売・メーカー・卸売り業等から構成されており、06年5月末時点の利用企業数は、売り手1,928社、買い手1,994社の合計3,922社、商品カタログ数は、61,763件、調達カタログ数は7,303件。

 ASP事業は、買い手企業の本部・店舗と、取引先である売り手企業との間で日常的に行われる受発注業務をインターネット上で行う仕組みで、顧客からはシステム利用料を受け取る。また、ASP受発注システムに必要な商品マスタの作成・設定、店舗レクチャーのサービス料として、導入店舗数に応じた初期費用を受け取っている。更に、売上日報システム、支払い代行サービス、受発注運用支援サービス等のオプションサービスを提供して、利用企業からはそれぞれの料金に応じて一定のシステム利用料を受け取っている。

収支の状況
業績は利用企業の増加に比例
 基本的には、利用企業数の増加に比例して、販売実績が伸びるという構造。EMP事業では、TV番組等を活用した販売促進活動や都道府県別に地方自治体、地方銀行等との協業で利用企業を積極的に募集するなどによって利用拡大に取り組み、ASP事業では、売上日報システム等の新システムをリリースすること等、付加価値の拡大の通じての拡大を図っている。

 04.12期の税引き後利益が経常利益よりも大きくなっているのは、法人税等調整額約164百万円がマイナスで計上(利益に対してプラス)されていることによるもの。05.12期には正常値に戻っている。

 当社からは、06.12期について第一四半期実績と、中間・通期の見通しが発表されている。第一四半期の進捗ペースでは、中間・通期の見通しはインライン。

株式の状況
ストックオプションが大量に存在
 当社は05年12月に1:5の株式分割を実施し、05年12月時点の発行済み株式数は28,180株、上場にあたっての公募が1,600株、売出しが2,000株(売り出し元は三菱商事と三井物産)、オーバーアロットメントによる売出しが400株予定されている。オーバーアロットメントについては、主幹事である大和証券SMBCを引き受け先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプションの未行使残高が12,445株存在する。このうち、最後に決議された95株以外は、上場後即〜一年以内に行使可能となることから、12,350株を潜在株式と認識する。以上から、上場時点での発行済み株式数は、42,530株とした。

【表2 ストックオプション等の未行使残高の状況】
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
00年10月発行 1,850  5万円   --
   同上    1,000   同上   --
01年10月    1,955  4万円  03年10月〜11年10月
02年3月       75  6万円  04年3月〜12年3月
03年3月      190  6万円  05年3月〜13年3月
04年3月      185  6万円  06年3月〜14年3月
04年10月    6,940  7万円  07年1月〜14年10月
05年1月      160  7万円  07年1月〜15年1月
05年11月      95 12万円  07年11月〜15年11月
* 合計は文中値と不一致

 ストックオプションの行使による希薄化効果は約30%と、最近上場した案件の中では非常に高くなる。公募・売り出しの総数との比較でみても、約4倍のストックオプション残高であり、公募で取得することの意味があまり無いぐらいのストックオプションの規模になる。更に、ベンチャーキャピタルの保有株式数は2,085株あり、ベンチャーキャピタルを含めた全既存株主にはロックアップは付されていない。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは5%程度と、それほど高いウエイトではないが、公募規模が小さいために、これでも公募枚数とほぼ同等となる。

 目論見書での想定発行価格は345千円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約527百万円とされている。資金使途は、「Foods Info Mart」システムと社内業務システムに関わる設備投資に160百万円を充当し、残額については、更なる事業拡大に対応したシステム拡充に充当する予定。

配当については、会社発表の業績見通しの中で、配当性向30%を基本方針としている旨が記載されている。IT系の企業としては、配当していること自体、及び配当性向に基づく配当方針を明確化していることが、珍しい。

情報開示の状況
開示はまだ
 7月10日時点で、当社サイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場後も大半の株主が社員・役員(=ストックオプション保有者)となるので、確かに積極的な情報開示は不要かもしれないが。


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