2491バリューコマースIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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バリューコマース(2491 マザーズ)IPO

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セクター:サービス業
先行上場した同業他社と同じような展開になると想定
 最近上場したファンコミュニケーションズやアドウェイズと同業態であり、業界の状況としては成長過程にあり、今後も高成長が見込める事業分野。

一方、当社の今期予想EPSは約5千円だが、法人税の実質負担を考慮すれば、6掛けの約3千円となる。想定されている公募価格のレンジはざっとPER100倍程度となるが、これも、先に上場した同業他社と同じような水準設定になっている。当社の今期業績予想は、若干保守的な印象がある点が違いとしてある。全般的な状況としては、先例と同じように、当社の場合も市場では高評価されるだろう。

事業概要
成功報酬型のインターネット広告配信・管理サービス、検索エンジン最適化サービス等
 当社グループは、インターネット上でのEコマース・オンラインマーケティングにおけるパフォーマンスマーケティング事業を行っている。また当社では、設立当初からホスティング・ドメイン名登録サービスを行っていたが、パフォーマンスマーケティング事業に経営資源を集中させるために、当ホスティング事業を2005年に売却し、当事業から撤退をしている。

 パフォーマンスマーケティング事業は、広告主に対してインターネットを介した成果報酬型のオンラインマーケティング手法を提供するサービスで、当社グループではアフィリエイトマーケティングサービスと検索エンジン最適化(SEO)サービスを提供している。

 アフィリエイトマーケティングサービは、商品やサービスをWebページ上で販売しているEコマースサイトや、会員登録・カタログ請求の受付をしているサイト等、オンラインでビジネスを展開している企業(ECサイト)の広告を、法人・個人等のホームページ運営者のサイト(パートナーサイト)に掲載し、パートナーサイトは、商品の購入や会員登録、カタログ請求の実績等広告掲載の成果に応じて報酬を得るサービス。

 ECサイトに対しては、ASPサービスとアフィリエイトマーケティングサービス運用業務受託・コンサルティングサービスの2種類のサービス形態をとっている。ASPサービスでは、小中規模のECサイトを展開する顧客向けに、当社の独自プログラムを用いて、アフィリエイトマーケティングサービスを提供している。顧客は、管理画面を通じてプログラムを運営し、自社の広告・販売活動を行う。サービス料金は、システム利用にかかる基本運営費とパートナーサイトの成功報酬、当該報酬額に応じた当社へのコミッションを支払う仕組みになっている。

 アフィリエイトマーケティングサービス運用業務受託では、ECサイトを運営する企業に対して、アフィリエイトマーケティングサービスでの最適な広告効果を得られる広告方法の立案・運営・管理等を当社が一括して受託している。

 ECサイトは業務受託契約に従って、毎月定額のサービス料金や成果に応じた報酬を支払う。また、アフィリエイトマーケティングサービス運用業務受託と共に、サイト制作やGoogle等の他媒体への広告出稿等、オンラインマーケティングに対する包括的なコンサルティングサービスも行っている。

 検索エンジン最適化サービスは、顧客のホームページが検索結果の上位に表示されるようウエブサイトの最適化を行うサービスで、2005年10月に買収した連結子会社で行っている。

収支の状況
業績は順調だが、まだ法人税の実質負担がされていない点が要注意
 パフォーマンスマーケティング事業は、アフィリエイトマーケティングがECサイトを運営する顧客にとって、広告効果だけでなく、有力な販売チャネルとしての認知度が向上していることから、着実に成長している。

 また、2005年4月に、ヤフーが当社株式の過半数弱を公開買付けする形での資本提携を伴う業務提携に合意し、ヤフーのショッピング事業をはじめとする各事業と当社アフィリエイトマーケティングサービスの業務提携が開始されたことも、業績に貢献している。

 当社アフィリエイトネットワークの規模は、2005年12月時点での承認済みECサイト数で1,729サイト(対前年同期比+37.1%)、パートナーサイト数で148,624サイト(対前年同期比+63.5%)に拡大している。

 一方、従来当社の連結子会社であったルックスマート・ジャパン社の解散に伴う損失約62百万円を05.12期には特別損失に計上している。05.12期は前期と比較して当期減益の決算となっているが、この一時的な要因によるものであり、全体としては増収増益基調にあることは間違いない。

 ただし、税引き後利益でみた場合には、過年度では評価性引当額によって、実際の法人税等の負担率が10%以下の水準まで引き下げられている。06.12期の会社予想でも、ほとんど法人税負担は考慮されていない模様であり、今後法人税が法定実効税率並みに課税された場合には、税引き後利益では大きな減益影響となる。

 06.12期の中間期・通期での業績予想が会社から発表されているが、これと第一四半期実績の進捗率を比較すると、第一四半期の進捗は好調であり、単純に倍(中間期)・4倍(通期)すると、業績予想を超えてしまうことになる。季節要因による今後の経費支出増等の減益要素があるのかもしれないが、単純比較だけで見れば、今期業績については上方修正される可能性があるかもしれない。

株式の状況
ストックオプション残高とVC保有株数には一応注意が必要
 当社は04年12月に1:10の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は84,670株となっている。上場にあたっての公募が5,850株、売出しが3,250株(売り出し元は会社関係者2,944株とベンチャーキャピタル306株)予定されている。ストックオプションの未行使残高は下表のように7,989株残っている。

 このストックオプションのうち06.3月に決議されたもの以外は、上場後1年以内に行使可能となるので、潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、97,788株とした。

【表1 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
02年7月   4,460株  2万円  04年7月〜12年7月
04年3月   2,620株  1万円  06年3月〜14年3月
05年3月    68株 265千円   07年3月〜15年3月
06年3月    811株 公募価格 08年4月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は28万円〜34万円で、この平均価格31万円に基づく公募による当社手取り概算額は約1,656百万円とされている。資金使途は、事業拡大のためのサーバー・ソフトウエア開発等のシステム投資資金に約972百万円、優秀な人材の採用と業務耐性の拡充のための資金約87百万円、残額は将来の国内外有力企業との提携のための資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は公募・売り出しの考慮前時点で12,227株となっている。このうち306株は売り出し対象となっているので、上場後に売却可能性がある株数は約12千株となる。ベンチャーキャピタルを含めた、全既存株主に対して、ロックアップはかけられていない模様。

情報開示の状況
開示なし
 6月28日時点で、当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。電子公告のタブがあるものの、コンテンツは掲載されていなかった。当社の場合は公募と売り出し合計で約1万単位の比較的規模の大きい案件であり、上場後の株価形成の点でも、早急に開示したほうが良いと思う。


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