2123応用医学研究所IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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応用医学研究所(2123 マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

割安感も割高感もない公募価格になりそう
 親会社と他の製薬会社からの受託研究を請け負っている事業モデルであり、今後の大きな成長が望める業態ではない。

 今期の会社発表業績見通しベースでのEPS約55円に対して、想定公募価格は約22倍となっている。他の製薬関連事業の銘柄での平均的なPERは20〜25倍程度にほぼ収まっており、当社の公募価格も、業界平均を狙ってきていると考える。このため、想定される公募価格には、特に割安感も割高感もない感をうける。


個別データ(肩は対前年比(%))
決算期 04/9 05/9 06/3中 06/6 3Q 06/9会予
売上高(百万円)
583
107.4%
1,209

674

1,085
22.3%
1,478
営業利益(百万円)
159
97.2%
313

152

279

--
経常利益(百万円)
157
97.1%
309

145

269
5.2%
325
当期利益(百万円)
66
158.5%
172

80

149
4.8%
180
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,089
556
1,459
843
1,712
913
1,693
982
--
--
株主資本比率(%) 51.1% 57.8% 53.3% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
14.4%
11.9%
21.2%
20.4%
8.5%
8.8%
--
--
--
--
発行済株式数 3,300 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
20.1
168.6
52.1
255.5
24.3
276.7
45.2
297.6
54.5
--
配当(円/株) -- -- -- -- --
* 04.9期は6ヶ月決算

事業概要
医薬品・医薬部外品等の研究開発の受託
 当社は医薬品分析に特化した受託試験機関として、製薬関連企業向けに医薬品の開発プロセスにおける医薬品の品質保証と薬物動態に関するアウトソーシングサービスを提供している。

 事業の区分としては、安定性試験と医薬品保管を行う品質保証事業と、生体試料中薬物濃度測定試験を行う薬物動態事業の2つに分けられる。

 安定性試験には、物理化学的測定と微生物学的測定がある。物理化学的測定では、医薬品の品質が湿度・温度・光条件等の影響を受けて、どのように経時的に変化するかを定量的に評価する。微生物学的測定とは、医薬品の経時的品質変化のうち、微生物学的手法を用いて評価する。

 薬物動態事業には、医薬品の九州・分布・代謝・排泄の様態を追跡する薬物動態試験があり、当社はそのうち吸収を追跡する生体試料中薬物濃度測定試験を行っている。

 両事業区分ともに、主な業務内容は、試験計画・研究計画の策定、試験・研究の実施、委託者への報告書の提出、その他関連するコンサルティング等。

 シミックは、04年7月に当社発行済み株式の全数をエスエス製薬から譲り受け、当社を完全子会社としている。
収支の状況
売上高の06.9期見通しにはやや強気な印象
 05.9期は、品質保証事業で大手新規顧客の獲得と既存顧客の受注大口化に成功したことなどが、売上高に貢献している。ただし、04.9期から決算期を変更したことで、04.9期は6ヶ月決算となっている。売上高・経常利益の対前期比がほぼ倍となっているのはこのためであり、実質での売上高・利益の対前期比はほぼ横這いといえる。目論見書では04.9期を1年間のみなし決算とした場合のPLが掲載されている。これによると、04.9期を補正した後での05.9期の対前期比は、売上高で+4.6%、経常利益で-6.1%となる。

06.9期見通しでは、品質保証事業で顧客からの試験依頼の増加に対応するために研究所・検体管理センターの新築・増設を行ったほか、薬物動態事業では、製薬企業への当社単独の営業や、臨床試験受託機関各社との連携を行っていることなどを背景に、05.9期実績に比較して+約22%の増収を見込んでいる。

【表1 事業部門別の販売実績(百万円、%)】
            05.9期  06.3中
品質保証事業    1,027  574
薬物動態事業     180  99
合計          1,208  673

 06.3中間期時点での進捗率を考えると、通期の見通しは、特に売上高に関してやや強気な印象を受ける。05.9期が04.9期(12ヶ月決算に補正後)と比較して経常減益となっている実績もあるので、06.9期の見通しについても、もう少し明確な増収要因を示してもらわないと、若干信用しきれない面がある。ただし、経常利益についての第三四半期までの進捗率は高く、利益ベースでの通期見通し達成確度はある程度見込めると考える。

株式の状況
ストックオプションとベンチャーキャピタル保有分は無し
 当社は05年9月に1:2の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は2,900千株(取引単位は100株)となっている。上場にあたっての公募が400千株、売出しが400千株(売り出し元は親会社である2309シミック)予定されている。ストックオプション等の希薄化要素は存在しない。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、3,300千株とした。

 目論見書での想定発行価格は1,220円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約468百万円とされている。資金使途は、業務処理能力向上のための設備投資に330百万円、借入金の返済に138百万円を充当する予定。

 ベンチャーキャピタルによる既存株式の保有はなく、全ての既存株主に対してロックアップは付されていない。現状の株主構成では、親会社シミックがほとんどを保有しているが、公募・売り出し分を考慮しても、経営権を確保した状態のままでの売却余力を、まだ持っている。

情報開示の状況
開示なし
 当社ウエブサイトには8月21日時点で、投資家向け情報開示のページは開設されていない。電子広告のページは存在するが、コンテンツは掲載されていない状態であり、上場関連のニュースリリース・資料も掲載されていない。



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