IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ミクシィ(2121 マザーズ)IPO |
高成長が期待される、本年有数の銘柄 今期の会社発表業績ベースでのEPS約13千円に対して、想定公募価格は155万円と、既にPER100倍超えで想定されている。最近上場したインターネット関連広告事業等の会社ではPER100倍以上で株価が推移しているところも多く、当社の足元の成長性を考えると、納得感のある公募価格ではある。 上場段階での株式需給も良いと考えられ、初値での高騰も期待できる。ただ、リスク要因としては、ベンチャーキャピタルの売却による需給懸念がある点と、今年度以降の業績伸び率はさすがに低下傾向(06.3期が高すぎる)になることが考えられる点とが挙げられる。 個別データ(肩は対前期比(%))
当社は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「mixi」の運営を行うインターネットメディア事業と、IT系求人情報サイト「Find Job!」の運営を行うインターネット求人広告事業の2つの事業を展開している。当社は設立以来、インターネット求人広告事業を中心に事業展開していたが、04年2月からインターネットメディア事業を開始し、現在ではインターネットメディア事業は売上高で求人広告事業を上回る規模の、当社の主力事業となっている。 SNS「mixi」はサイト上の広告料とプレミアム会員からのサービス利用料等を収益源としている。広告サービスでは、「mixi」を広告媒体として、インターネット広告枠を主に広告代理店メディア・レップを仲介して販売している。 当社が販売するインターネット広告枠は、広告主のウエブサイトにリンクするバナー広告、サイト内の検索キーワードに連動して広告を表示するリスティング広告、会員制のウエブサービスの特性を活かして、広告を訴求したい対象となる属性を絞って広告を掲載するターゲティング広告等となっている。 プレミアム会員サービスでは、会員同氏で写真が共有できるフォトアルバム機能、日記を装飾するタグ機能、携帯電話からメッセージのやりとりが出来る機能、日記データの保存容量拡大、メッセージの無期限保存等の追加機能について、有料サービスとして提供し、会員から一定の月額利用料を徴収している。 インターネット求人広告事業では、IT系ベンチャー企業等を主たる顧客層とし、エンジニアやクリエーターなどのIT系職種を中心に、IT系ベンチャー企業等の事務系職種や営業・企画系職種の求人情報を扱っている。事業運営では、広告媒体として、「mixi」を活用することで、求人企業・求職者獲得のための広告宣伝費を抑制し、求人企業が、求人広告の掲載申込みから求人情報入力までをウエブ上で行うことによって人件費を抑制し、低価格でのサービス提供、競合他社との差別化を図っている。 |
07.3期の第一四半期実績が既に開示されている。第一四半期では、インターネットメディア事業で、SNSの認知度向上によって会員数が6月末時点で470万人と増加し、ミュージック等の新しいサービスの付加などを行った。また、インターネット求人広告事業でも、利用企業数・登録求職者数・求人数が順調に推移したとのこと。第一四半期の通期見通しに対する進捗率は、特に問題ない水準であり、実際に会社サイドでも、四半期実績を受けての通期見通しについては、当初通りで据え置いている。 「mixi」の会員数は、06年3月初旬に300万人となって以降、6月末の時点では上記のように470万人と、約4ヶ月で170万人増加している状態であり、現在のところ急成長事業となっている。 主力事業の売上高の対前期比をベースとした事業成長率という点でみれば、IT系産業の伸びは高いものが比較的多い中でも、当社のSNSに関連する事業については、とりわけ高い成長率を示している。この伸び率がどこで鈍化するのかはわからないが、足元の状態では、現在の日本の産業の中でも特別高い成長率を持つ産業と言える。 【表1 事業部門別の販売実績(百万円、%)】 06.3期実績 前期比 インターネットメディア 640 +4,620.6% インターネット広告 1,221 +78.9% その他 30 -37.8% 合計 1,893 +156.1% 05年5月総務省「ブログ・SNSの現状分析及び将来予測」では、05年3月時点の国内のSNS参加者数は延べ約111万人、うち少なくとも月に一度はSNSを利用している参加者数は約80万人となっており、07年3月にはそれぞれ約1,042万人、約751万人に達すると予測している。また、06年3月時点のSNS参加者数は716万人とする報告が総務省から発表されている。 これを基にすると、この業界の伸び率は06.3期が爆発的に高い実績を示したが、07.3期には、前期比+約40%までに落ち着くと予測されていることになる。他社の新規参入もあり、参入障壁が比較的低い業界であることから、今後はあまり高い事業成長率は、期待しないほうが良い印象を受ける。
当社は05年2月に1:2、同年9月に1:5の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は66,000株となっている。上場にあたっての公募が4,500株、売り出しが2,100株(売り出し元はサイバーエージェント1,050株、ベンチャーキャピタル700株、会社関係者350株)、オーバーアロットメントによる売り出しが500株予定されている。オーバーアロットメント分については、主幹事である大和SMBCを割当先とする第三者割当増資となる可能性がある。また、ストックオプションの未行使残高が6,834株存在する。このうち4,000株は上場後即行使可能となるので、潜在株式と認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、75,000株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年2月 4,000株 1千円 06年3月〜14年2月 05年1月 1,435 50千円 07年2月〜14年12月 05年10月 1,315 100千円 07年11月〜15年9月 06年1月 25株 100千円 08年2月〜15年12月 06年4月 59株 250千円 08年5月〜16年3月 目論見書での想定発行価格は155万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約6,919百万円とされている。資金使途は、サービス強化のためのシステム開発と会員数・アクセス数増加に伴うサービス用サーバー設備等の増設に約1,060百万円、事業体制の拡大に伴う事業所拡充にかかる設備投資に約297百万円を充当し、残額は将来の事業拡大の投資に充当する予定。 株主名簿でのベンチャーキャピタル保有株式数は12,300株で、このうち700株は売り出しにかかるため、上場後に市中放出可能性があるものは、11,600株となる。ストックオプションのうち、即行使可能な4,000株とあわせて、約15千株が市中に放出される可能性があり、公募・売り出しの規模が約7千株であることと比較すると、上場後の需給については、緩めの状況が予想される。
当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと、財務ハイライト、上場関連のニュースリリースとなっている。上場前の段階としては、十分な開示内容といえる。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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