8885ラ・アトレIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ラ・アトレ(8885 ヘラクレス)IPO

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セクター:不動産業
高い成長性と割安感のある公募価格
 既に07.3期の業績予想が会社から発表されており、これに基づくEPSは約14,000円となる。28万円近辺で想定されている公募価格はこのEPSに対してPER20倍にとどまる。06.3期実績EPSベースでもPERは約25倍となる。

 不動産販売関連の他社実績PERが不動産市況の好調さを受けて30〜40倍と高くなっていること、IPOの場合にはIT関連と並んで現状では不動産関連銘柄は高く評価されていることを考慮すると、相当な割安感のある公募価格となる。懸念材料は、ストックオプションによる希薄化効果が相当高い点と、07.3期業績予想の下方修正リスクとなる。

事業概要
集合住宅・戸建住宅の開発、企画・設計、分譲とリニューアルマンション販売等
 当社の事業は主に、「不動産販売事業」、「不動産管理事業」、「ゴルフ会員権事業」、「その他事業」の4つに区分される。

 不動産販売事業は、更に新築物件売上部門と再生不動産売上部門に区分される。新築部門では、当社が土地を仕入れて、集合住宅・戸建て住宅を開発・企画・設計・工事監理・分譲するデベロップメント業務、当社がデベロップメント業務用地として検討している土地の中で、最終的に当社プロジェクト基準に達しなかったものの、比較的優良なものについて、同業他社に開発企画プランや一定の手続きを行った上で、土地と事業企画とをセットにして売却するランドプロジェクト業務、他のデベロッパーが開発した物件を当社が新築のまま買取り、販売する新築マンション販売業務がある。

 再生部門では、首都圏の中古マンションを個別に仕入れて全面的にリニューアルして販売するリニューアルマンション販売業務、企業所有の社員寮・社宅・首都圏の賃貸マンション等を対象として、建物1棟全てを購入した後、当社が再生ノウハウを活用し、建物全体に対してデューデリジェンスを施し、専有部分だけでなく共用部分も含めて全面的に改装した後に一般顧客に対して個別分譲するリノベーション業務・インベストメントプロジェクト業務がある。

 不動産管理事業では、自社で保有する不動産の賃貸、インベストメントプロジェクトで所有する販売前物件のテナント等の賃貸、オーナーから借上げた賃貸マンションのサブリース、オーナーから賃貸管理委託を受けた賃貸管理代行を行っている。

 ゴルフ会員権事業では、関東ゴルフ会員権取引業協同組合に属して、関東エリアの既設のゴルフ会員権の売買・売買仲介を行っており、その他事業としては、損害保険の代理店業務や他の業務から派生する業務を行っている。

収支の状況
業績は問題なし、有利子負債依存度の高さだけが懸念
 事業部門別の売上高で最もウエイトが高い部門は、不動産販売事業となっている。この部門で不動産市況が好調なことを背景として、売上高が増加しており、全体の業績を牽引する形となっている。05.3中間期では、新築マンション23戸、リノベーションマンション22戸、中古リニューアルマンション27戸を引き渡し、インベストメントプロジェクトとしてビル1棟を販売した。

 06.3期の決算実績は未監査だが開示されており、売上高は対前期比+約2割、利益では同+約5割と、好調な業績となった。また、09.3期の業績予想も発表されており、約20〜30%の更なる増収増益の見通しとなっている。

 不動産関連の業態では珍しいことではないが、当社の有利子負債依存度は05.3期末時点で76.6%と比較的高い水準になっている。過年度では、営業利益が約330百万円に対して支払利息が約72百万円となっており、営業利益の2割以上が金利で消失していることになる。現状ではなんとか容認できる水準だろうが、今後金利が上昇した場合には、利益圧迫要因になる可能性はある。

 また、減損会計については06.3期から適用する予定であり、現時点では減損損失を計上する可能性は低い模様だが、将来的なリスクとしては存在している。

株式の状況
ストックオプションによる希薄化効果は無視出来ない
 当社は2005年12月に1:2の株式分割を実施し、2005年12月末時点の発行済み株式数は15,648株となっている。上場にあたっての公募が1,000株と売り出しが400株(売り出し元は会社関係者)予定されている。更にストックオプションの未行使残高が下表のように3,668株あり、全てが上場直後から行使可能となっている。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、20,316株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
03年6月    48    45千円  05年6月〜13年3月
03年6月  1,076    55千円  05年6月〜13年3月
99年11月 2,544   12.5千円  00年1月〜10年1月
合計    3,668

 目論見書での想定発行価格は279千円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は264百万円とされている。資金使途は、全額を不動産購入と建設資金としての運転資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は株主名簿では78株のみ。ストックオプションによる希薄化効果は上記から、約2割強の高い水準になる。公募と売り出しの合計では1,400株だが、上場直後の市場での流通量としては、これにベンチャーキャピタルの保有分とストックオプションを合計した約5,000株と考えたほうが良いだろう。また、当社はグリーンシート銘柄としてこれまで取引されており、06年4月の取引価格は40万円前後。

情報開示の状況
上場企業として十分な開示状況
 グリーンシート銘柄として取引されていたこともあり、既に当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは基本的に上場後の企業並みであり、四半期決算短信や事業報告に加えて会社説明資料等、十分なデータが既に開示されている。


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