8735SBIフューチャーズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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SBIフューチャーズ(8735 ヘラクレス)IPO

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セクター:証券・商品先物業
税後利益を抑制する要因さえなくなれば、業績は安定化するだろう
 業績をみると、売上高ではほぼ横這い状態であり、また税後の利益水準が売上高や税前利益と比較して極端に低い構造になっている。税後の利益水準には、法人税の負担率が高いことと、特別損失に計上されている商品取引責任準備金繰入額の増加が大きく影響している。

 今期までの税後利益を抑制しているこの2要因がなければ、EPSは約1,500円(税前利益を1億円、税率を40%、特別損益=0 として計算)となり、公募価格はこうした前提で設定されているように思える。また、業績動向を見る限り、本銘柄には高い成長性は期待できない。

事業概要
インターネット・コールセンターを通じた商品取引受託業務
 当社はSBIホールディングスの子会社で、オンライン取引による商品取引受託業務を主たる事業として、他に外国為替取引事業と商品投資販売事業を行っている。

 商品取引業務で顧客から受け取る委託手数料の体系は、委託者が登録外務員の資格を持つ当社役職員による取引の助言を受けながらオンライン取引を行うサポートコースと、取引の助言を受けずに割安な委託手数料でオンライン取引を行うセルフコースがあり、以下のように、各商品取引所の各上場商品について受託業務・自己売買業務を行っている。

■東京穀物商品取引所
農産物市場 / とうもろこし、大豆ミール、一般大豆、小豆、アラビカコーヒー生豆等
砂糖市場 / 粗糖

■東京工業品取引所
貴金属市場 / 金、銀、白金、パラジウム
アルミニウム / アルミニウム
ゴム / ゴム
石油 / ガソリン、灯油、原油、経由

■中部商品取引所
石油市場 / ガソリン、灯油、経由

収支の状況
売上高はほぼ横這い、利益面では構造的な抑制要因がある
 国内商品先物市場では、05年5月から改正商品取引所法によって商品取引員に対して、純資産額規制比率に基づく規制が導入されることになった影響によって、商品取引員各社の自己玉が減少している。また、石油市場は価格高騰を背景に、過去最高の出来高となっている一方で、石油以外の他市場での出来高は減少している。

 このような背景の中、当社では商品取引受託業務に注力し、商品先物取引にかかわる預かり金と外国為替保証金取引の預かり金との相互振替サービスを開始し、委託手数料の完全自由化に伴うコールセンター取引手数料の引き下げなどを実施した。この結果、期末時点の委託者数は対前期比+2.9%の2,482名、預かり委託証拠金は同9.5%増の5,848百万円となった。

 以上によって、05.3期は商品先物取引の受け取り手数料が前期と比較して順調に増加した一方、受託業務の開始に伴う初期費用として関係団体等への加入費やシステム関連費用等が発生したことで、営業費用が増加し、また、商品市況が堅調だったために商品取引責任準備金繰入額が増加し、特別損失が増加することとなった。また、05.3期当期利益は、評価性引当額による法人税負担の増加分が約35%あり、全体での法人税等の負担率は71.9%の高率となっている。

 05.9中間期末での委託者数は2,698名、預かり証拠金は5,783百万円と前期末と比較して堅調に増加している。しかし、06.3期も前期と同様に、商品取引責任準備金繰入額が大量に特別損失として計上されている上、法人税の負担率も高いままであり、第三四半期までの累計では税引き後赤字決算となっている。通期での会社発表の業績予想でも、前期実績を下回る税後利益が計画されている。売上面ではほぼ前期並みの水準を維持する見通しだが、構造的な要因によって利益の計上が抑制されている。

株式の状況
VC保有ウエイトが比較的高く、ロックアップはない模様
 06年4月時点の発行済み株式数は31,756株、上場にあたっての公募が3,500株、売り出しが2,900株予定されている。ストックオプションの未行使残高は以下のように1,561株残っている。この全数が上場後一年以内には行使可能となることから、全数を潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、36,817株とした。

【表1 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
02年7月  388株   67,952円  04年7月〜08年7月
02年7月   80    69,641    05年4月〜08年7月
05年6月  1,093   98,598    07年6月〜11年6月

 目論見書での想定発行価格は16万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約495百万円とされている。資金使途は、主に商品先物取引システムに対する設備投資に充当する予定。07.3期から3年間でオンライン取引システムの利便性の向上、システムの安定化を目的に495百万円の設備投資を計画している。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は7,920株あり、ロックアップはかけられていない模様。ストックオプションによる希薄化効果は大きくないが、VC保有株数は公募と売り出しの合計数を上回るボリュームとなっている。

情報開示の状況
上場後には高水準での開示が期待できる
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは上場関連の資料だけで、財務データ、決算短信、説明会資料については上場後に掲載される予定であることが明記されている。

 証券・商品先物業の会社は全般的にディスクロジャー水準が高く、当社の場合はこうした業界の水準でみても、SBIグループの開示水準としても、現在のサイトの準備状況を見ても、高い水準での開示が今後期待できる。


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本資料における個別銘柄に関する注意事項
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 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
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