3807フィスコIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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フィスコ(3807 ヘラクレス)IPO

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セクター:情報・通信業
人気化したあと、ベンチャーキャピタルの大量売りが出るパターンか
 06.12期会社予想は対前期で当期減益となっているが、法人税の関係であり、06.12期が本来の水準となる。業績は拡大基調であり、相当な成長期待が見込める上、IPO銘柄としては投資家の認知度が高い企業であることから、人気化する可能性があるとみる。

 ただし、今期予想EPSをベースとした公募価格のPERは既に約70倍と高水準であり、同業種である7833アイフィスの実績PER約60倍、次期見通しベースPER約13倍と比較すると、公募価格は強気な印象を受ける。また、ベンチャーキャピタルの大半はロックアップ対象となっていない点も懸念材料。

事業概要
金融市場に関する情報サービス事業及び投資に係るコンサルティング事業等
 当社グループは、当社及び連結子会社4社、持分法適用関連会社1社、その他の関係会社1社で構成されている。事業は、法人向け・個人向けの情報サービス事業、投資の運用・事務管理を含むコンサルティング事業、教育事業の3つに区分される。

 法人向け情報サービスでは、リアルタイム配信、アウトソーシングサービス、ポータルサービスを行い、個人向けとしては、主にウエブサイト上の会員制サービスである「クラブフィスコ」を通じて、投資情報レポート、メールマガジン、投資セミナーなどを提供している。

 アウトソーシングサービスとしては、金融機関や市場分析情報を必要とする事業法人を対象として、彼らが社内利用や顧客向けのサービスとして情報を加工するにあたっての情報提供サービス等を行っている。

 個人向け情報サービスとしての「クラブフィスコ」では、株式や為替市場に関するメールマガジン(無料)の発行、投資情報レポートや有料メールマガジン、当社独自のテクニカル分析ツール、セミナーを収録したDVDを提供・販売している。

 コンサルティング事業では、投資顧問サービスや私募投資信託の事務管理業務などを行い、教育事業では、個人投資家・金融業界関係者を対象とした教育講座を実施し、日本ファイナンシャルプランナーズ協会の継続教育対象講座に指定されているほか、金融機関・一般事業法人の社員を対象とした株式のテクニカル分析や為替ディーリングに関する教育研修業務の受託を行っている。

収支の状況
繰越損失消滅に伴い、06.12期から法人税負担が発生
 05.12期は、法人向けリアルタイム配信サービスが安定的な収益源となったほか、外国為替市場関連情報に対する需要が拡大していることからアウトソーシングサービスでは、銀行・通貨取引事業者など5社への情報提供を期中に開始した。また、ポータルサービスでは、ヤフー向け有料コンテンツサービスが順調に推移したほか、05年3月からはマイクロソフトに対して株式情報の提供を開始した。更に、当期から、個人向け情報商品の販売を本格化している。

 04.12期の決算期間が半年となっていて単純比較は難しくなっているが、売上高で年率約20%の増加率を維持するペースで、全般的には順調に業績が拡大している。06.12期の業績予想での当期利益が対前期で減益となっているが、これは05.12期までは税務上の繰越損失の認識があったために、実質的な法人税負担がなかったものが、06.12期から正常に法人税を負担することになっただけであり、06.12期の税後利益水準が本来の姿になる。

 セグメント別での利益状況では、最もウエイトの高い情報サービスセグメントで、売上高が増加しているほか、利益率も高くなっており、特に問題点はない。ただ、セグメント別での利益率の高さと比較して連結の売上高営業利益率が低い印象がある。これは、セグメントに区分できない共通費用が大きいことを意味しており、固定費部分の経費全体に占めるウエイトが高いと考えられる。固定費ウエイトが高いこと自体も、今後更に売上高が増加すれば薄まっていくため、むしろ今後の増し分の売上に対する利益率は相当高くなる可能性もある。

株式の状況
ストックオプションは大きくないが、ロックアップなしVC保有株には需給懸念
 06年3月時点の発行済み株式数は28,576株で、上場にあたっての公募が4,000株、売り出しが1,800株(売り出し元は、うち600株がベンチャーキャピタル、残は会社関係者、ロイター等)予定されている。ストックオプションの未行使残高は2,042株あり、このうち500株を除いては上場後1年以内に行使可能となる。ストックオプション1,542株を潜在株式として認識して、上場時点の想定発行済み株式数は34,118株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
02年8月   250株  58,350円  04年7月〜07年6月
03年8月   500株  50,000円  06年7月〜13年6月
04年8月   500株  50,000円  7年7月〜14年6月
新株引受権付き社債 768株 58,341円   --
* 合計は文中値と不一致
 
目論見書での想定発行価格は13万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約508百万円とされている。資金使途は、全額設備資金に充当する予定。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は8,466株あり、このうち600株は上場時の売り出し対象となっている。残りの約7,800株についてはロックアップ対象となっていない上、発行済み株式数に占めるウエイトは20%強の高いウエイトであるため、上場後の株式需給面ではネガティブな影響が考えられる。

 一方で、大株主であるインデックス等には6ヶ月間のロックアップがかけられている。ロックアップ対象となる株式数は売り出し考慮前20,471株で、ここには売り出し対象が1,600株含まれているため、実質的なロックアップ対象は18,871株となる。ただ、会社関係者やインデックス・住友商事等が上場直後に保有株を売却する可能性は元々低いと考えられ、株式需給面ではそれほど有効なロックアップとはならない。

配当政策では、配当性向20%以上の安定配当を目指すとされている。07.12期の会社発表業績予想に基づくEPSは約1,800円なので、配当は少なくとも約400円/株程度は期待できる計算になる。

情報開示の状況
開示内容は上場関連の資料だけ
 06年5月9日時点では、当社ウエブサイトでは投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場関連の資料がニュースリリースとして掲載されているほかは、決算広告が掲載されているだけとなっている。業種柄、ある程度の情報開示は今後されると推測するが、現時点での開示レベルは低い。


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