3806エイチアイテクノロジーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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エイチアイテクノロジー(3806 ヘラクレス)IPO

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セクター:情報・通信業
高成長が十分期待できる
 競争力のある商品を一つ開発したことで、業績は大きく向上している。法人税負担を考慮した06.3期の想定EPSは、6,000円以上となる。公募価格が30万円で予定されているので、公募価格自体のPERは既に約50倍となり、同業他社の平均的PERが約25倍程度であることを踏まえると、高い水準になる。

 ただ当社の場合には、業績の伸びが今後も相当高いことが想定されるので、この点では妥当な公募価格の設定といえ、最近の高成長IT関連銘柄の市場での高い価格付けを前提とすれば、この公募価格からでも2倍程度の市場価格が付く可能性はあるだろう。

事業概要
中堅企業向けの基幹系システムインテグレーション事業
 当社は、業務改善の有力なツールとして基幹系システムの構築ソリューションである「ABYS」を中核に事業展開している。具体的には、販売取引先経由または当社による「ABYS」導入時におけるライセンス販売から始まり、導入後のカスタマイズ、関連する周辺システムの開発を行い、基幹系システムを構築する業務=システムインテグレーション事業を行っている。

 基幹系システム市場では、大企業に対しては大手システムインテグレーターや大手コンサルティング会社によって提供されるERPパッケージがあり、中小企業に対しては、量販店等で販売されている廉価なパッケージ製品を含めた多くのパッケージ商品が提供されている。これらに対して、当社がでは、大企業並みの複雑なシステム化要求があるにもかかわらず、大規模ERPパッケージ導入がコスト的に困難な中堅企業を主なターゲットとしている。

収支の状況
モノカルチュアだが、高い業績伸び率
 上記「ABYS」を中心とした販売・売上が主となっている。同製品の開発が04.3期に一段落し、コンポーネント群が充実してきたことで顧客企業の要求水準に対応できるようになったとのこと。この時期以降、ビジネスブレイン太田昭和などの有力なシステムインテグレーターを販売取引先として獲得しつつ、順調に売上高を伸ばしている。

また、製品開発が一段落したことで、研究開発費も減少しており、売上増加とともに費用の減少によって、05.3期は単年度黒字化している。

 当社は繰り越し損失が残っている状態であることから、05.3期までは法人税の実質的な負担が発生していない。06.3期〜07.3期辺りで繰越損失が解消されると思われ、以降は法人税負担によって当期利益は圧縮される。

株式の状況
ストックオプションとロックアップのないVC保有株が懸念材料
 当社は05年6月に1:3の株式分割を実施し、06年1月末の発行済み株式数は15,210株となっている。上場にあたっての公募が2,000株、売り出しが750株(売り出し人は会社関係者)予定されている。ストックオプション等の未行使残高が2,895株存在する。このうち2,220株が上場後一年以内に行使可能となるため、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、19,430株とした。

【表1 ストックオプション等の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
01年5月   315株  33,334円  03年6月〜10年5月
03年6月   1,155   66,667円  05年7月〜12年6月
05年6月    675 公募価格の半額  07年7月〜14年6月
新株予約権付社債  750  66,667円 04年9月〜06年8月

 目論見書での想定発行価格は30万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約539百万円とされている。資金使途は、研究開発・オフィス拡張等に伴う設備投資資金に充当する予定。

 株主名簿によるベンチャーキャピタルの保有数は4,485株で、ロックアップはかけられていない模様。VCの保有ウエイトは2割以上あり、また先に書いたストックオプション等の希薄化効果は10%を超える水準となる。このため、株式の需給面では、大きな期待はできない。

情報開示の状況
開示水準は平均的
 当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連資料と会社概要だけだが、一定の開示水準は今後期待できる。


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