3799キーウェアソリューションズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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キーウェアソリューションズ(3799 JADAQ)IPO

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セクター:情報・通信業
特定の大手企業に販売先が集中しており、業容の拡大は見込みにくい
 05.3期の当期利益は有価証券売却益、06.3中間期は法人税調整額のマイナス計上で、共に実力よりも大きい利益額となっている。一方で、第四四半期に売上・利益のウエイトが偏重する傾向があるので、06.3期は最終的には05.3期並の売上高・利益水準になると考えられる。

 実力ベースでの当期EPSは前期の経常利益からコストダウン等で若干の増額を想定する一方、特別利益の剥落によって、25円程度と想定する。想定公募価格はこのEPSに対して約30倍となり、同業他社の平均20〜25倍よりも若干高めの水準と考えられ、割安感は感じにくい。

事業概要
各種情報技術のソリューションを中心としたシステム開発と総合サービス
 当社グループは、当社、子会社5社、関連会社2社で構成され、インフラ関連のコンピュータソフトウエアの開発に関するシステム開発事業と、お客さまが情報システムを導入するためのコンサルティングからシステム構築・運用・保守までの一貫した情報技術を請け負う総合サービス事業を主な事業としている。

 システム開発事業での主な市場別での業務内容は以下の通り。

【表1】
市場 / 主なシステム開発実績
ネットワーク / 衛星追跡管制、ロケット飛行安全、衛星運用管制
官公庁 / 貿易保険、指紋識別、航空路管制、国税債権管理、外国郵便物通関
通信 / 顧客料金、電話帳編集、電話番号案内
運輸 / 駅収入管理、座席予約
金融・メディア / 銀行日次業務、預金管理、新聞記事編集、広告管理
民需 / 医療事務、人材派遣業など

 総合サービス事業は更に、以下の4種の業務に区分される。
■システムインテグレーション
 顧客にとって最適な企画・提案を行い、コンピュータシステム構築を一括して請け負う業務。
■サポート・サービス
 顧客のコンピュータ利用時の導入、運用、保守、評価、教育等の各種課題を解決する業務。
■販売
 顧客の要求に応じて最適なコンピュータ・関連機器・パッケージソフトウエア等の他社製品を仕入れ、必要な導入支援を行って販売する業務。
■パッケージ
 自社開発や自社が版権を有するパッケージソフトウエア製品を顧客専用にカスタマイズし、提供・販売する業務。

収支の状況
販売先が特定の大手企業に集中しており、業績の飛躍的拡大は見込み薄
 05.3期は、官公庁向けWEBシステムの開発や法令改正に伴うシステム回収、防災関連システムのほか、金融機関向けと地上波デジタルシステム開発などが売上に貢献する一方、顧客からの受注単価低減の要求があることに加えて地銀向けオープン勘定系システムと携帯電話ネットワークシステム等の構築需要が一巡したことと、鉄道事業者向けシステム開発が次年度に延期となったことから、システム開発事業では対前期で減収となった。

 総合サービス事業でも、ERP事業は好調だった半面、パッケージソフトやハードウエア等の自社製品の販売が不振であったことと、プロジェクトの瑕疵対応に伴う損失処理が発生したことで、売上高はほぼ前期並みとなった。

 05.3期の当期利益の水準が経常利益とほぼ同レベルとなっているのは、投資有価証券売却益の特別利益への計上によるもの。

 05.9中間期は、システム開発事業では次期携帯電話加入者情報システムや貿易保険システムなどが売上貢献し、対前期比で+3.2%の増加となった。一方、総合サービス事業では前期から引き続いてパッケージ等の販売不振が影響しており、対前期比で-9.8%の減収となっている。売上高トータルでは、対前期-2.2%の減収。ただ、コストダウンによって、中間利益では対前期で増益となっている。

 情報システム関連の業態の特徴として、売上高・利益が期末に偏重する傾向があり、当社の場合も第四四半期のウエイトが過年度では高くなっている。06.3期も同様の傾向となる可能性があり、過去トレンドを今期に適用すると、06.3期の売上高は05.3期とほぼ同水準程度と考えられる。第三四半期決算では営業赤字となっているが、特に気にすることは無いだろう。

 過去の売上高・利益の推移をみると、結局売上高・利益ともに微減傾向にある。当社の販売先が日本電気やNTT、JR各社などの大手企業に集中しており、新規の販売先を開拓できない限り、大手企業の定例的なニーズを取るだけとなって、業績の大きな飛躍は望みにくい状況となる。

株式の状況
株式需給へネガティブインパクトを与える要素は無い
 06年5月時点の発行済み株式数は7,560千株(取引単位は100株)で、上場にあたっての公募が1,550千株、売り出しが1,313千株(売り出し元は三菱商事他1社)、オーバーアロットメントによる売り出しが187千株予定されている。ストックオプション等の希薄化要素は存在しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、9,110千株とした。

 目論見書での想定発行価格は700円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約1,018百万円とされている。資金使途は、300百万円を社内統合基幹業務システムや情報セキュリティ対策システムへの投資と八幡山事業所の改修を目的とした設備資金に、300百万円を運転資金に、残額を長期借入金の返済に充当する予定。

 日本電気が当社の主要株主となっているが、日本電気は上場後も発行済み株式の1/3以上を安定的に保有することを目的として、当社会長が保有している株式のうち550千株を上場後に譲り受ける予定となっている。これによって、日本電気の株式保有ウエイトは、発行済み株式数の35%となる予定。

情報開示の状況
投資家向けページは設置済み、上場関連資料が掲載
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは、上場関連の資料・ニュースリリースとマネジメント・メッセージとなっている。一定の開示水準は期待できると思われる。


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