IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
スタイライフ(3037 ヘラクレス)IPO |
インターネット通信販売事業がメインとなっている。既存のネット通販会社との違いは、当社の場合、売上高の伸びは毎期10%程度だが、利益面では05.3期に黒字化されたばかりで、売上高増分の利益率が高く、利益面では今後まだ拡大する余地が残っている点にある。 ただ、黒字化を果たしたばかりであるため、ここまでの決算では実質的な法人税負担はされていない。この分を考慮すると今期のEPSは約6千円程度と想定される。公募価格に対するPERは50倍。当社の足元の利益成長を考えればPER70〜80倍で評価される可能性もあるが、次期の業績の動向がわからない段階で、公募価格以上に高く評価することには、リスクがあると考えられる。
当社は2000年に、ニチメン(現双日)の全額出資の子会社として、ニチメンメディアからインターネット事業部門が独立して設立された。雑誌・インターネット・携帯電話の三つの自社媒体によるメディアミックスの手法で、ファッション衣料・雑貨を、主に20代から30代の女性向けに販売する事業と広告事業を展開している。具体的には、雑誌「Looks!」、インターネット「Stylife」、「nuan+」、「Stylife beauty」、携帯サイト「スタイライフ/Looks!」を媒体としている。 事業区分は大きく、Looks!事業とネット事業に分類され、Looks!事業では、雑誌・商品の販売と雑誌に掲載される美容関連・健康食品関連の広告収入が、ネット事業では商品販売と広告収入が収益源となっている。
05.3期は、Look!s事業では、雑誌を年4回発刊し、ネット事業ではモバイル事業の拡大や有名ブランドアパレルとの業務提携をすすめ、売上高は前期比+約15%となり、通期で黒字化となった。06.3中間期でも雑誌の発刊が半年で2回、携帯コンテンツ会社との提携によってモバイル会員数が増加し、進捗率では前年通期を若干上回るペースとなっている。 第三四半期までのペースを基にすれば、06.3期は売上高の対前期比で05.3期とほぼ同率程度の10%強の伸び率となる模様。更に利益ベースでは、売上高増し分に対する利益率は前期以降高くなっており、通期での税前利益は約2億円の水準になると考えられる。 ただ、当社の場合には前期に黒字化したばかりであり、実質的な法人税負担がない状態となっている。税負担分を考慮すると、今06.3期EPSは実質的には6千円近辺と想定する。
06年3月時点の発行済み株式数は17,830株で、上場にあたっての公募が3,000株予定されている。(上場時点での売り出しはない。)ストックオプションの未行使残高が下表のように888株あるが、このうち上場後1年以内に行使可能となる552株について、潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、21,382株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年12月 205株 15万円 05年3月〜12年11月 05年3月 347株 19万円 07年3月〜14年3月 05年9月 336株 25万円 07年9月〜14年9月 目論見書での想定発行価格は21万円〜30万円で、この平均価格255千円に基づく、公募による当社手取り概算額は約691百万円とされている。資金使途は、社内業務システムにかかわる設備投資に400百万円、残額は業務拡大に伴う運転資金に充当する予定。 ベンチャーキャピタルの保有株式数は4,670株で、公募前段階での発行済み株式数に占めるウエイトは約27%と高い比率になっている。これと比較すると、ストックオプションの行使による希薄化効果は比較的軽微になる。
当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトとなっている。上場関連のプレスリリース・資料の掲載がされれば、上場前段階としては十分な水準となる。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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