IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ハブ(3030 ヘラクレス)IPO |
店舗数の増加に伴って業績が向上する小売業種の典型的パターンを示しているが、今期については、第三四半期実績、第四四半期の見通しともに、利益状況が上期と比較して良くない。このため、今期予想の税後利益はほぼ前期並みの水準にとどまる見通しとなっている。今期予想EPS約6千円に、飲食系小売業種の平均的PER約30倍として、想定株価は1,800円と考える。 当社の場合、株価動向よりも、ストックオプションの行使価格が比較的公募価格に近いことと、情報開示に対して積極的な姿勢が見られることから、(新規)株主重視の経営姿勢が伺える点を高く評価したい。
当社はダイエーの子会社として事業展開を行っていたが、2002年にダイエーが保有していた当社株を加藤義和梶A加ト吉グループの椛コさ来、21LADY鰍ノ譲渡したことによって、渇チト吉の連結子会社、21LADYの持分法適用関連会社となった。 当社の親会社である加ト吉グループは、同社、子会社42社、関連会社35社で構成されており、冷凍食品・冷凍水産品の製造・販売を主な事業としている。その他の関係会社に該当する21LADYは、同社、子会社2社、関連会社1社で構成されており、洋菓子「HIROTA」の運営を主な事業としている。 当社は、上記2社グループが展開する外食事業の担い手として、関東・関西地区で英国風PUBチェーンを06年1月末時点で36店舗運営している。
店舗展開状況は、05.2期中に新規出店を4店、05.8中間期中に1店、05.9〜11月で3店行った。基本的には、店舗数の増加に比例して、業績は向上している状況にある。これまでは山手線沿線をターゲットとした東京中心の店舗展開を進めてきたが、今後は出店エリアを東京50km圏内の神奈川・埼玉・千葉の主要駅周辺に拡大していく予定となっている。 04.2期は退職金制度を廃止したことに伴って全従業員に支払った退職金総額と退職給付引当金との差額約24百万円を特別損失に計上したことによって、当期利益が圧縮されている。05.2期以降には、業績に大きな影響を与える特殊要因は発生していない。 05.8中間期時点での当期利益が68百万円であるのに対して、第三四半期だけでの利益増加額は1百万円、会社発表の業績予想では第四四半期だけでの利益額は8百万円と、上期の進捗と比較すると、下期の利益状況は実績・見通しともに芳しいものではない。経常利益に至っては、第三四半期単独では、赤字になっている状態である。業態特有の季節要因も考えにくい上に、目論見書でも季節要因についての言及は無いため、下期の利益水準の低下の要因等、詳細については不明。 BSでは、当社の出店形態が賃借を基本としているために、家主に対する差し入れ保証金の額が大きくなっている。05年8月末時点の差し入れ保証金は約708百万円で、総資産に対するウエイトは、41.5%。
05年8月時点の発行済み株式数は9,800株、上場にあたっての公募が2,000株、売り出しが1,400株(売り出し元は会社関係者と21LADY)予定されている。ストックオプションの未行使残高は815株あり、このうちむこう1年以内に行使可能となる727株を潜在株式と認識する。以上から、上場時点での発行済み株式数は、12,527株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 03年5月 639株 111,000円 05年5月〜13年5月 04年5月 88株 111,000円 06年5月〜14年5月 05年5月 88株 111,000円 07年5月〜15年5月 目論見書での想定発行価格は140,000〜155,000円で、この平均価格147,500円に基づく公募による当社手取り金の概算額は約263百万円とされている。資金使途は、07.2期以降の新規出店・改装にかかわる設備投資に充当する予定。 ストックオプションの行使による希薄化効果は10%以内で、大きなものとはならない。また、ストックオプションの行使価格を極端に低くしている企業が多い中で、当社の場合には公募価格に比較的近い水準で行使価格が設定されていることも、ストックオプションを持たない新規の株主にとっては喜ばしい点でなる。
当社ウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは上場関連の資料だけだが、目次として掲載されている項目は、ファクトシート、説明会動画、説明会スライド等まで用意されており、今後相当高い水準での情報開示が期待できる。上場前の準備段階としては非常に高いレベルにある。 |
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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