IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
健康コーポレーション(2928 札幌)IPO |
インターネットでの通信販売を主力とした、ほぼ単品健康食品の販売ビジネスであり、足元の業績の伸び率は非常に高い。この製品の好調な売れ行きが今後も持続される前提では、07.3期の会社予想ベースEPS約3,800円が起点となり、56千円付近で想定されている公募価格はPER約15倍と割安感がある。 ただし、これはヒット商品が今後も売上を拡大することが大前提であり、主力製品の伸びが鈍化した場合には、これを取り返すことのできる商品は現在のところ無い状態。将来性は期待できる半面、業績にはリスク要素も含まれる。
当社グループは、当社と子会社である健康ベーカリーから構成され、「カロリーコントロール用健康食品」と健康食品、菓子・パンを販売している。製造については、自社で製造設備は保有しないで、子会社や他社からの仕入れ・製造委託による生産を行っている。子会社・健康ベーカリーでは、パンと菓子の製造・販売を行っている。 主な商品は、カロリーコントロール用健康食品事業では、豆乳クッキーダイエット、フルーティーダイエット、その他の健康食品事業では、濃縮大豆胚軸、はちみつ大豆酢、豆乳とおからで作ったクッキー、豆乳ぷるぷるコラーゲンなど。 販売経路は、自社EC(電子商取引)サイトと「楽天市場」等でのインターネットを通じた通信販売、テレビショッピングによる通信販売、百貨店の食料品売り場での対面型店舗販売、その後に継続購入する顧客への販売等となっている。この中でも、03年6月以降はインターネット通信販売を主要な新規顧客獲得の販売経路としており、その新規顧客獲得数に占めるウエイトは、06.3上期で90%超となっている。
「豆乳クッキーダイエット」を主力製品としてインターネットでの販売に注力した結果、05.3期から06.3中間期まで大きく売上高を増加させている。06.3期の会社発表業績予想は、第三四半期までの進捗を考慮すれば、達成に特に問題は無いとみられる。 健康食品業界は、今後も市場拡大を継続していくことを前提に、07.3期にも大幅な売上高の増加を会社では見込んでいる。06.3期の業績予想の達成可能性は高いと考えられる一方で、市場拡大が見込まれるとはいえ、07.3期にも対06.3期見込みで倍近い売上高の増加を見込んでいる点については、さすがにリスクが含まれているのではないかという印象を受ける。
当社は05年3月に1:100の株式分割を実施し、06年3月時点の発行済み株式数は54,300株で、上場にあたっての公募が4,100株予定されている。ストックオプションの未行使残高は下表のように3,500株あり、このうち1,620株は上場後一年以内に行使可能となるため、潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、60,020株とした。 【表3 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年3月 1,620株 334円 07年4月〜14年12月 06年1月 1,880株 8,000円 08年10月〜14年12月 合計 3,500株 目論見書での想定発行価格は52千円〜56千円で、この平均価格54千円に基づく公募による当社手取り概算額は約187百万円とされている。資金使途は、売上拡大のための広告宣伝費等の運転資金に150百万円を充当、残額については事業拡大のためのM&A資金への充当を検討している。 株主名簿では、ベンチャーキャピタルの株式保有はない模様で、VCを含めた既存株主にはロックアップはかけられていない。ストックオプションの全行使による希薄化効果も数パーセント程度であり、特に注意するほどのボリュームではない。
当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場関連資料だけとなっている。財務ハイライト程度の掲載はお願いしたいところではあるし、今期の業績予想についても証券取引所に開示されているぐらいなら、自社サイトにも掲載するべきであろう。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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