IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アミタ(2490 ヘラクレス)IPO |
環境ソリューション事業という事態にマッチした業態であり、順調に業績を伸ばしている。過年度では、経常利益に比較して当期利益の計上額が様々な要因によって小さくなっており、今後の動向が気になるが、その他に業績動向としては、特に問題点が見当たらない状況。 07.3期会社予想ベースでのEPSをもとにした想定公募価格PERは約27倍となっているが、当社業態のユニークさと足元の成長性を考慮すると、一旦は少なくともPER50倍程度の13,000〜15,000円以上に評価される可能性は高いと考える。ただし、株式需給の点では若干ネガティブな印象。
当社グループは当社と関連会社1社から構成されており、事業者の抱える、環境法令の遵守、不法投棄やゼロエミッション化推進等の廃棄物に関する問題などの環境リスクを低減し、環境関連業務のアウトソーシング化を進める環境ソリューション事業を行っている。 当社グループの事業は、再資源化方法の提案やオペレーションの提供を行う「再資源化業務」、産業廃棄物の中間処理等を行う「再資源化加工業務」、各種コンサルティング等の「その他業務」から構成されている。 「再資源化業務」では、資源発生元の工場等から発生する発生品や発生工程・製造工程の調査分析を行い、適切な再生方法の企画・立案と効率的な物流ルートの検討を行って、資源発生元に対して最適な再資源化提案を行う。これに基づいて、当社グループでは資源利用先や物流業者の紹介を行い、出荷調整や配車手配、代金支払い業務などのオペレーションに関してのサービス提供を行う。 「再資源化加工業務」では、発生品の成分や形状によって、資源利用先の受け入れが困難な場合に、当社グループの再資源化施設において、セメント原料や非鉄原料等への利用が可能な状態に再資源化加工=中間処理を行う。また、再資源化加工に伴って副産物として発生する、セメント焼成用補助燃料、非鉄製錬・製鉄業の代替燃料、非鉄金属材料等については、販売を行っている。 「その他」業務では、不法投棄防止や資源発生元の廃棄物管理体制確立のための支援や、ゼロエミッション化実現のための再資源化提案・省力化提案・コスト削減等のコンサルティング提案、現状の処理委託で発生品が適正に処理・処分されているかの調査代行を行っている。また、地域再生・自然再生事業のプロデュースや、衣食住・農林水産業における政策・経営の両面での調査・コンサルティング業務も行っている。
05.3期は静岡・福島・台湾に事務所を開設した。太陽光発電用電池の製造過程で発生するシリコン切削油の再資源化設備を増強することで、再資源化加工能力を増加し、蛍光X線分析装置の導入によって、分析対応のスピードアップによるサービス提供の早期化を図った。 06.3期は姫路循環資源製造所の生産性が向上したことなどで、前期と比較して約40%の増収となったものの、要員増による労務費の増加や営業外費用の増加等によって、経常利益ではほぼ前期並みとなった。 上表では、05.9中間期までの進捗率が前通期の半分程度となっており、増収トレンドに見えないが、販売ウエイトは下期偏重の傾向にあり、実際の通期決算では、増収となっている。 07.3期の会社発表業績予想では、売上高では姫路と京丹後の製造所での処理量が増加することを前提として、前期に引き続いて大幅な増収を見込んでいる。利益ベースでは要員の増加による労務費の増加を見込んでいるが、経常利益では対前期比+約27%となることを予想している。 当社の場合には、経年的に経常利益と比較して当期利益が小さく計上されている(法人税等の負担割合が高い)が、04.3期は修正申告によるもの、05.3期は減損損失の計上によるもの、06.3期は賃貸借契約解消損の特別損失への計上によるもの。07.3期予想の経常利益と当期利益の比率は正常値となっており、特殊な要因は織り込まれていない模様。
06年5月時点の発行済み株式数は492,170株(取引単位は100株)で、上場にあたっての公募が60千株、売り出し(売り出し元は会社関係者)が60千株予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように59,500株存在し、全数が上場直後から行使可能となるため、潜在株式として認識する。 また、新株引受権付き社債が発行されていたが、06年3月までに全数が消却されているので、これについては非考慮とする。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、611.67千株とした。 【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年6月 59,500株 1,600円 06年7月〜14年6月 目論見書での想定発行価格は6,600円〜7,000円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約366百万円とされている。資金使途は、設備投資と事業所移転費用の資金に約287百万円、システム投資資金に約32百万円、借入金返済資金に約46百万円を充当する予定。 株主名簿でのベンチャーキャピタルの保有株式数は75,410株となっており、発行済み株式数の10%を超えるシェアとなっている。この分に対してロックアップは付されていない模様。
当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは、決算広告だけとなっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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