9422アイ・ティー・シーネットワークIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アイ・ティー・シーネットワーク(9422 東証二部)

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セクター:情報・通信業
成長鈍化傾向を打ち破れるか
 05.3期までは高い成長力を見せていたが、05.9中間期からは一転して鈍化傾向が見られる。会社発表の今期業績も利益ベースでは前期を下回るものとなっている。携帯電話販売事業だけに頼る収益構造を変えるためのソリューション事業も、まだ事業立ち上げ段階であって、収益貢献する規模までは成長していない。

 今期予想EPS約2万円に対して、3738テレパーク等の携帯電話販売会社の平均的PER約30倍を適用すると、当社株価は60〜65万円程度となる。40万円付近と考えられる公募価格には一定の割安感はある。

事業概要
モバイル流通販売事業とソリューション事業
 当社は伊藤忠商事の100%出資によって、同社通信ネットワーク事業部の移動体関連事業の業務委託会社として設立、その後分社方吸収分割によって伊藤忠商事の一次代理店としての地位を継承して事業の主体となって、現在に至る。

 当社グループの主な事業内容は、携帯電話サービスの契約を取り次ぐと共に、携帯電話端末等を販売するモバイル流通販売事業と、携帯電話を用いたマーケティング支援サービス等を提供するソリューション事業となっている。

 モバイル流通販売事業では、通信事業者との代理店契約に基づいて、顧客に対して通信事業者が提供するサービスの契約取次ぎを家電量販店やコンビニエンスストア等の二次代理店や当社の直営店舗等で行い、通信事業者から手数料を受け取る。当社は、NTTドコモの販売代理店として関東甲信越地方に36店舗のNTTドコモキャリアショップを保有するほか、ヨドバシカメラ・ビックカメラ・さくらや等の家電量販店との取引を行っている。

 手数料の内容には、新規契約取次ぎ、機種変更事務、各種料金プランやサービスの変更手続き、故障受付等の業務ごとに支払われる業務代行手数料、機種ごとに一定期間内の販売数量に応じて支払われる販売奨励金・インセンティブ、過去の契約取次ぎやアフターサービス提供の後、契約単位で一定期間にわたって支払われる継続手数料がある。

 ソリューション事業では、携帯電話利用者に対して、リサーチ・商品告知・販促キャンペーン・定期的情報配信等のマーケティング活動を行おうとする法人顧客に対して、必要な情報システムを企画・開発し、又はASP方式による提供を行うと共に、それらのマーケティング活動の実行を支援・代行している。

収支の状況
今期からは成長鈍化傾向が見られる
 05.3期までは、直営店舗の増加とヨドバシカメラ等の家電量販店の巨艦店出店の影響を受けて、順調に収益を増加させてきているが、05.9中間期の進捗具合を見ると、通期ではほぼ前期並み程度に収まりそうな状況となっている。

 会社発表の今期業績予想でも、売上高は対前期比で微増だが、利益水準では前期をやや下回る水準で予想されている。中間期での進捗状況をみると、会社発表値は妥当なものであり、市場の飽和感と、携帯端末単価の低迷によって、今後はこれまでほどの高い成長力は望みにくい状況となりそうである。

 当社グループの売上・仕入れ高はNTTドコモグループに極端に偏った構造となっている。しかし、携帯電話販売の一次代理店としては、事業構造上、当然こうなってしまうものであり、特別に注意する必要はないだろう。

 当社の株主資本比率は相当低い水準となっているが、資産側では受取手形・売掛金、負債側では買掛金と未払い手数料が巨額になっていることが原因となっている。BS上の両サイドで流動資産・負債の整理は必要だろうが、上場にあたっての公募増資によって株主資本比率はある程度改善されることになる。

株式の状況
当面、株式需給には問題無し
 当社は04年11月に1:10の株式分割を実施し、05年9月末時点の発行済み株式数は96千株、上場に当っての公募が12千株と、売り出し15千株(売り出し元は全数が伊藤忠商事)、オーバーアロットメントによる売り出し4千株が予定されている。オーバーアロットメントについては、主幹事である野村證券を割当先とした第三者割当増資となる可能性がある。ストックオプションの未行使残高はあるものの、行使可能期間まで1年以上猶予があることから、潜在株式とは認識しない。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、112千株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
05年4月  1,680株   17万円  07年4月〜15年3月

 目論見書での想定発行価格は37万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は約4,131百万円とされている。資金使途は、約975百万円を店舗拡充・情報システムの整備等を目的とした設備資金に、残額は運転資金に充当する予定。

 既存大株主である伊藤忠商事(売り出し分を含めて93,490株)には180日間のロックアップが掛けられている。最近の野村證券主幹事の場合に多く付けられている「発行価格の2倍以上なら売却可能」というオプションは付与されていない。従って、ロックアップはかかっているものの、元々伊藤忠商事からは売り出し対象分以上には持ち株を売却する意思が無いと考えても良いだろう。

 配当政策では、配当性向30%を目安として配当を行っていく方針である。

情報開示の状況
開示水準は高い
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは、財務ハイライト、株式事務、上場関連資料、業績予想と充実している。親会社である伊藤忠商事も投資家向けの情報開示水準は高く、当社についても、高い開示水準が期待できる。


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