6161エスティックIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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エスティック(6161 マザーズ)

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セクター:機械
業績は安定的に成長しており、底堅い株価推移が期待される
 当社業態の位置付けとしては、自動車部品メーカーとなる。この位置付けで考えればPERは17〜18倍の水準である。当社の場合には、既存部品メーカーよりも今後の業績の成長期待は高くても良いと考えられ、20倍水準を期待する。

 今期の会社発表業績予想ベースのEPSが約2万円であることから、妥当と思われる株価水準は約40万円となる。従って、28万円近辺で検討されている公募価格には、適正なディスカウントがされている模様。

事業概要
自動車向けをメインとしたネジ締め付け装置の製造・販売
 当社グループは、当社及び関連会社Shanghai Esticの2社で構成されており、見込み生産品であるナットランナ、ヘッドナットランナ及び、受注生産品であるネジ締め付け装置の製造・販売・当社製品の修理・点検を主な事業としている。

 ナットランナは、ACサーボモーター、センサー、コントローラで構成され、ACサーボモーターを駆動源とし、センサーからの情報をコンピュータにて解析し、モーターを制御することにより、ボルト・ナット類のネジの締め付け管理を行う工具である。この製品は、機械装置に組み込まれて使用されるので、主にセットメーカーに対して販売している。

 ハンドヘッドランナは、ナットランナをハンディタイプにしたもので、ナットランナが機械装置に組み込んで使用されるのに対して、ハンドヘッドランナは作業者が直接手に持って締め付けを行う工具で、ナットランナと同等の締め付け精度管理ができる。従来締め付けトルクが高くなるに従い、締め付け時に発生する反力が強くなり、人間が手で保持することが困難であったが、パルス制御技術により、締め付け精度を確保したまま、反力のみを軽減することが可能となっている。

 ネジ締め付け装置は、ユーザー仕様に基づき、上記ナットランナを組み込み、全てオーダーメードで設計製作するネジ締め付け専用の自動機械等である。自動車や自動車部品などの組み立て工程におけるネジ締め付けに使用され、特に量産ラインで使用されるケースが多い。

 自動車等の可動製品では、その振動によってネジが緩みやすい環境にあり、ネジの緩みは直接当該製品の品質・機能の低下や安全性の低下につながる問題に影響する可能性が高いために、製品の品質管理上、緩まないねじの締め付けが重要な要素となっている。このために、当社製品群は、自動車メーカーや自動車部品メーカーを中心に、組み立て工程におけるネジの締め付けに利用されることが多くなっている。

収支の状況
会社発表の06.3期業績予想は十分達成可能
 05.3期は、ヘッドナットランナが国内・北米の自動車メーカー・自動車部品メーカーでの認知度が向上してこと、ネジ締め付け装置が国内向けと中国での自動車メーカー向け販売が好調であったことなど、積極的な海外展開での売上高の増加が寄与し、対前期で売上高が増加した。(表1)
 05.9中間期でも、これに引き続いて、国内では中部地域(トヨタ向けと推測)や北米での販売が好調に推移している。

 当社の販売高に占める海外向けの比率は、上表のように年次によって変動はあるが2〜3割程度を占めている。このため、円高進行の場合には、当社業績に影響を与える可能性がある。過年度では、04.3期に約17百万円、05.3期約12百万円の為替差損を計上している。

 当社からは06.3通期の業績予想が発表されている。中間期の進捗状況をみると、売上高では丁度半分、利益では過半となっており、利益予想値はやや低めに発表されている感がある。安全も考慮して、とりあえずは、会社発表値並みの通期実績となることを前提として問題ないだろう。

株式の状況
ストックオプション等の希薄化要素は無いが、VC保有分にはロックアップ無し
 当社は05年10月に1:5の株式分割を実施し、分割後の発行済み株式数は、12,710株となっている。上場にあたっての公募が2,000株予定されている。新株引受権付き社債の発行残高はあったが、05年10月に全て行使されているため、新株予約権等による既存株式の希薄化要素は無い。以上を考慮して、上場時点の想定発行済み株式数は、14,710株とした。

 上場時には、公募の他に1,600株の売り出しが計画されており、売り出し元は会社関係者1,400株、ベンチャーキャピタルから200株となっている。ベンチャーキャピタルの保有株式数は、株主名簿で特定できたもので1,575株ある。このうち200株が売り出し対象となっているので、上場直後に市場流通する可能性がある株式数は、公募2,000株と売り出しのうち1,400株、VC保有分1,575株の計4,975株となる。(社員等の既存株主からの売りは想定外とした場合。) ベンチャーキャピタル保有株式には、ロックアップは付されていない。

 目論見書での想定荘公募価格は、28万円とされており、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約500百万円と想定されている。手取り金の使途は、設備の新設に関する資金として約113百万円、借入金の返済・社債の償還資金として300百万円、技術更新及び新製品の研究開発資金として約87百万円を充当する予定。

 直近の第三者割当増資は、05年3月に5株398,000円(分割考慮前)で実施されている。分割を考慮すると、この時の割当価格は約8万円に相当する。

情報開示の状況
上場前の段階としては、まずまずの開示水準
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと会社概要、業績見通しとなっている。財務状況と上場関連資料の掲載が無いのは残念だが、上場前の段階としては、まずまずの開示水準といえる。





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