3396フェリシモIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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フェリシモ(3396 東証二部)

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セクター:小売業
業績は安定的に成長しているが、株式需給面が懸念材料
05.2期は売上高で対前期比+5%の増加となっており、今期も同程度の売上高増加率は達成できそう。ただ、利益ベースでは、上期予定の広告宣伝費が下期にズレ込みがある模様であり、中間期の実績はこの分カサ上げされていると考えられ、通期でのEPSは150円程度と想定する。

 売上高増加率が示すように一定の成長性は認められることを含めて、PERは小売業平均よりも若干高めの25〜30倍程度を想定レンジと考え、想定株価は4,000〜4,500円とみる。

 株式需給面では、公募・売り出しのほか、ストックオプションの一部が即行使可能であること、オーバーアロットメントの可能性があること、ベンチャーキャピタル保有分にロックアップがかかっていないこと、などリスク要素が多くあり、この点が懸念材料。

事業概要
服飾・服飾雑貨及び生活関連品の通信販売
 当社グループは、当社と関係会社4社で構成され、通信販売事業を行っている。事業は、国内での通信販売、カタログ等の出版、検品加工、化粧品の輸出、広告活動、海外における通信販売、海外における店舗運営に区分される。

 国内での通信販売については、服飾、服飾雑貨、住宅用品・美容健康関連・手芸余暇関連などの生活関連品等を、カタログ・インターネット等を通じて通信販売している。

 検品加工では、当社が中国の仕入先に生産依頼している衣料品の検品加工業務を子会社が実施している。化粧品の輸出については、子会社が化粧品の企画開発・仕入れを行い、当社に販売している。広告活動では、子会社がニューヨークで店舗販売を通じて当社の広告活動を行っている。

 海外における通信販売では、香港・中国で当社の子会社等がインターネット等を通じて通信販売を行っている。海外における店舗運営では、子会社3社が、今後の通信販売事業のための顧客リストの収集、商品の販売、広告活動を目的として、香港・北京・ニューヨークで店舗運営をしている。

 当社は2002年に持ち株会社化を行い、酒類の輸入・小売販売と化粧品の輸入を除く通信販売事業を譲渡して、株式会社フェリシモを新設分割により設立した。その後、持ち株会社制をとる意義は乏しくなったと判断して、2004年には、親会社であるフェリシモを吸収合併し、現在に至っている。このため、開示業績の継続性が2期分しかない。

収支の状況
売上高は微増傾向、今期は経費計上が下期に一部ズレ込み有り
 品目別の販売実績は表1の通り。05.2期実績をみると、20代若年層やベビー市場を狙ったカタログを発行したこと等で、新規顧客の獲得が順調に推移した。顧客数の増加と服飾関連での売上が増加したこと、前期には連結決算に含まれていなかった海外関係会社での化粧品通信販売事業が加わったこと等によって、05.2期の売上高は前期比+5.0%の増加となった。

費用面では、国内の通信販売事業で年度後半に出荷が集中したために出荷コストが上昇したことや、IP電話設備の導入コストが発生したこと等によって、営業費用が増加、営業利益ベースでは前期比-15.3%の減少となった。

 05.6中間期にも、販売面では一応順調な業績となっている。半期ということで年度の進捗率を考えれば、通期ではほぼ前期並み、若干増加するかといった状況となっている。営業費用では、一部の新聞広告・DM等の案内計画が下半期にズレ込んでいる模様であり、下期には若干の費用の上乗せが予想される。

 BS上では現預金のウエイトが総資産の約3割程度と高くなっているが、この現預金ボリュームとほぼ同程度の規模の支払手形・買掛金、未払い金が負債項目に存在する。従って、これはこれで左右のバランスが取れた形となっている。

株式の状況
公募、売り出し、OA、VC、ストックオプションと盛り沢山
 当社は05年6月に1:4の株式分割を実施し、05年12月時点の発行済み株式数は8,756,800株となっている。上場にあたっての公募が1,000,000株予定されている。更に、オーバーアロットメント250,000株については、主幹事証券である大和証券SMBCを割当先とする第三者割当増資が実行される可能性がある。

 ストックオプションの未行使残高は、下表のように451,600株存在するが、このうち357,100株は上場時点で行使可能となっている。最後の一本のストックオプションは行使可能期間が一年後以降に設定されているので潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、10,363,900株とした。ストックオプションが全行使された場合の既存株式の希薄化効果は、約5%程度であり、特に大きなものではない。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格  行使期間
03年12月 157,100株  1,500円  06年2月〜11年1月
同上    200,000株    同上  04年2月〜11年1月
05年5月   94,500株  1,750円  07年6月〜12年5月
合計  451,600株

 上場・公募と同時に、売り出しがオーバーアロットメントを除いて1,600,000株予定されている。売り出し元は全数が会社関係者となっている。この他に、ベンチャーキャピタルの保有株式が171,600株存在する。VC保有分の全体に対するウエイトは低いために、特に気にする必要は無いと考えられるが、公募+売り出し+OA+VC+SOの合計は3,378千株、つまり3万単元超が市中放出対象となる。

 目論見書での想定公募価格は3,000円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、2,970百万円とされている。資金使途は、1,500百万円を事業基盤の強化・拡充を目的とした基盤情報システムの設備資金に、残額を運転資金に充当する予定。

 直近の第三者割当増資は、04年1月に従業員持ち株会と当社役員を対象として実施されたもので、この際の割当価格は3,000円。

情報開示の状況
サイトは通信販売ツールに特化
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。しかし、掲載されているコンテンツは1月10日時点ではマネジメント・メッセージだけとなっており、財務ハイライト等は掲載されていない。また、プレスリリースのページはあるものの、上場関連の資料は掲載されていない。「更に詳しく知りたい方はこちら」と、会社概要ページには誘導されるものの、誘導先の情報は設立年、資本金、従業員数程度となっている。

 基本的にウエブサイトは通信販売ツールと認識されている模様であり、投資家向けの情報開示ツールとしての認識が、現状ではあまりされていない印象を受ける。






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