3029ジェイズ・コミュニケーションIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ジェイズ・コミュニケーション(3029 ヘラクレス)IPO

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セクター:卸売業
意外に業績が伸びていない印象、公募価格は強気すぎるか
 ネットワーク・セキュリティ事業という市場拡大の可能性が高いマーケットが対象ではあるが、当社の場合には、特殊要因を除く業績が直近2期ではほぼ横這いの状態となっており、特段の成長性が感じられない。

 05.12期の特殊要因を除いたEPSは約1万円の水準にある。ネットワークサービス系の他社PERは約25倍となっており、当社に一定の成長性を認めたとしてもPERは40倍程度が上限だと思われる。この視点では、42万円で想定されている公募価格は強気な水準にみえる。

事業概要
不正侵入防止、認証システム等のネットワーク・セキュリティ・ソリューション
 当社グループは、当社と連結子会社1社から構成されており、ネットワーク・セキュリティの分野で、通信事業会社、xSP、一般企業、公共機関等の顧客ニーズや技術要求に対して、主にシステム・インテグレータ、コンピュータ・メーカー、流通企業等のパートナーとなり、自社開発製品や米国・英国の海外提携会社からのハードウエア・ライセンス等の輸入、国内提携会社からの商品仕入れを行い、それらの製商品に技術サービスを付加したシステム構築、ソリューション、サービスの提供及び製品・商品の販売等のネットワーク・セキュリティ事業を展開している。事業は大きく分けて、ネットワーク・セキュリティ・ソリューション事業と、ネットワーク・セキュリティ・サービス事業とに区分される。

 ネットワーク・セキュリティ・ソリューション事業では、主にシステム・インテグレータ等のパートナーとなって、ネットワーク・インフラ、ファイアウォール、不正侵入予防装置、VPN、認証システム等のネットワーク・セキュリティ製品に技術サービス等の付加価値をつけ、顧客のニーズや技術要求を満たしたネットワーク・セキュリティ・ソリューションの提供及び企業向けネットワーク・システムの設計や構築等を行っている。

 ネットワーク・セキュリティ・サービス事業では、ネットワーク・セキュリティにおける技術者の派遣・業務受託サービス、プライバシーマーク・ISMS認定取得等におけるコンサルティングサービス、診断・分析サービスを提供している。また、連結子会社では、セキュリティ専任技術者によるネットワーク・セキュリティ製品を常時遠隔で監視サービスを行い、ネットワークの診断、復旧支援サポートサービス及びネットワーク・セキュリティ製品の保守・メンテナンスサービスやヘルプデスクを行っている。

収支の状況
特殊要因を除くと業績はほぼ横這い
 04年7月に他社OEM供給による自社開発のゲートウエイ型多機能セキュリティ・アプライアンス製品を開発して市場投入した。当製品が販売増加のドライバーとなって、当社売上高は一定の水準を維持している。

 05.12期は売上高では前期と比較して微増、営業利益では約20%の増益となっている。これらの項目と比較して経常利益での増益が大きくなっている。これは、05.12期にデリバティブ利益約77百万円を営業外収益に計上したことによるもの。

 業績全般としては、IT関連事業とはいえ、売上高はここ2期でほとんど横這いの状況であり、利益額に年次変動はみられるが、これも上述のように特殊要因によるところが大きい。ネットワーク・セキュリティの市場自体は拡大余地があると考えられるが、足元の業績動向を見る限りでは、当社に特段の成長性が見られる状況ではない。

株式の状況
VC、ストックオプションによる需給緩和効果は限定的
 当社は04年12月に1:2の株式分割を実施し、05年6月時点の発行済み株式数は11,320株、上場にあたっての公募が1,180株、売り出しが720株(うち240株はVCからの放出)予定されている。ストックオプションの未行使残高は733株あるが、このうち上場直後から行使可能となる596株について潜在株式と認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、13,096株とした。

【表2 ストックオプション未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
03年10月   382株   5万円  05年11月〜10年10月
同上      96株    同上   同上
同上      58株    同上   同上
同上      60株    同上   同上
05年3月    76株   15万円  08年4月〜12年3月
同上      61株    同上   同上
合計      753株 (文中値とは合計不一致)

 ベンチャーキャピタルの保有株式は株主名簿で判明した分は600株であり、このうち240株は上場時の売り出し対象となっているので、上場後に放出される可能性があるVC保有株は360株だけとなり、全体のウエイトとしては小さい。また、ストックオプションによる希薄化効果も、5%程度であり、特に注意するほどのボリュームではない。

 目論見書での想定発行価格は42万円で、この価格に基づく公募による当社手取り概算額は、約465百万円とされている。資金使途は、180百万円を設備投資資金に、東京本社の拡張移転に伴う差し入れ保証金に15百万円、事業拡張・データバックアップのための24時間オペレーションセンター開設に伴う差し入れ保証金に20百万円、九州地区への事業基盤拡大のための九州事務所開設に伴う差し入れ保証金に5百万円、東京本社再移転に伴う差し入れ保証金に50百万円、自社製品の開発に伴う研究開発費に70百万円充当し、残額は借入金の返済資金に充当する予定。

情報開示の状況
一応ページは設置されている状態
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。ただし、現在掲載されている情報は、上場関連のニュースリリース・資料だけとなっている。無いよりはマシという程度だが、一応開示しようとする姿勢は見られる点は評価したい。


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