2476テンプスタッフIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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テンプスタッフ(2476 東証)

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セクター:サービス業
競争の激化と社会保険料の負担率の増加が懸念材料だが、足元業績は問題無し
 153,000円近辺で想定されている公募価格は、会社発表の今期予想EPSに対してのPERが約27倍となる。人材派遣関連業態での実績PERは30〜70倍のレンジとなっており、安全を見ても今期予想ベースではほぼ妥当な価格帯になっていると考えられる。

 業績、特に売上高の伸びからみて、当社の場合は今後も高い成長性が維持されると見られる可能性が高いので、当面はPER50倍の25〜30万円まで見込めると考えられる。

 競争の激化と社会保険料の負担率の増加が懸念材料だが、後者は制度上じわじわと効いてくる形となるので、当面大きな影響とはならない。

事業概要
人材派遣・請負、人材紹介事業、アウトソーシング事業等
 当社グループは、当社及び連結子会社35社・関連会社3社から構成されており、人材派遣・請負、人材紹介事業と、アウトソーシング事業、その他の事業を行っている。

人材派遣・請負、人材紹介事業では、このうち人材派遣に関して一般労働者派遣事業として、労働者派遣を行っている。派遣先の職種は、OA機器操作や営業事務、受付、ファイリング等の一般事務職が連結売上高の50%強を占めるほか、金融事務や貿易事務、経理、研究開発、通訳・翻訳などの専門事務職や、システムエンジニア、プログラマー、ネットワークエンジニア、CADオペレーターなどのIT関連技術職にも対応している。

 人材紹介事業では、有料職業紹介事業として行っている。求人企業と求職者との間で面接を行った結果、双方の合意によって雇用契約が成立した場合に、当社グループは求人企業から紹介手数料を得ている。当社グループと求職者との間での費用発生は無い。当社グループでは、テンプスタッフ・キャリアがこの事業を行っている。

 アウトソーシング事業での受託業務は、申込み受付や受注処理等の事務業務、給与計算、データ入力、テレマーケティング等となっている。その他の事業としては、再就職支援事業と教育研修事業を行っている。

収支の状況
社会保険費用の増加が一巡し、業績は拡大傾向
 05.3期の業績は、景気の回復に伴う企業からの活発な需要を背景として、売上高では対前期比+約18%の増加となった。この一方で費用面では、社会保険の完全加入を目指して加入促進活動を行っていることと、価格面での激しい競争が継続していること等から、利益率は前期と比較して低下しており、営業利益・経常利益ベースでは対前期比約2割の減少となった。05.3期の人材派遣に関する新規登録者数は、対前期比+15.5%増の134,787人となっており、事業のベースの動きとしては、堅調に推移しているとみられる。

 05.9中間期の実績は順調であり、半期での進捗率を考慮すると、会社発表の06.3期業績予想は達成される可能性が高い。会社予想では、経常利益では対前期比+約30%の増益を見込んでいる。

 派遣労働者に対する社会保険料の支払額は、04.3期で約86億円、05.3期で約131億円と規模の大きい費用支出項目となっている。増加の要因は、事業の拡大に伴って派遣労働者数自体が増加したことと、04年4月から加入促進運動を行ったことによるもの。

 社会保険の加入促進活動によって、新規加入に伴う費用増はほぼ一巡し、今後大きく増加するリスクは無いものの、社会保険制度自体の改正によって、今後平成29年まで段階的に会社負担率が引き上げられることが決まっている。会社負担率の増加に伴う費用負担増(毎年0.177%ずつ増加)が、今後毎期計上されることになる。

 当社は税務上、留保金課税、連結調整勘定償却等の項目によって、法定実効税率が約40%程度であるのに対して、税効果会計的擁護の法人税等の負担率は、過去2期では連続して50%程度の水準まで上昇している。今期の業績見通しでも、詳細はわからないが、当期利益/経常利益の比率は40%程度と低い見通しとなっており、法人税の実質負担の多さは今期も変わらない模様。

株式の状況
ロックアップはあるが、VC保有分以外の影響は小さいと想定
 05年9月の発行済み株式数は609,832株、上場にあたっての公募が5,000株、売り出しが130,000株(売り出し元は会社関係者)予定されている。ストックオプションの未行使残高が下表のように5,473株あり、上場後1年以内に行使可能となるので潜在株式として認識する。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、620,305株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議 対象株数 行使価格   行使期間
05年1月   5,473株  97,000円  07年2月〜11年1月

 目論見書での想定発行価格は153,000円で、この価格に基づく公募による当社手取り額の概算は745百万円とされている。資金使途は、200百万円を子会社への投融資に、残額545百万円を設備投資資金に充当する予定。

 主要株主には、180日間のロックアップがかけられている。ロックアップの対象株数は全合計で554,6336株で、このうち130千株は売り出し対象となっているため、実質は424,636株となる。ただし、ロックアップの対象となっているのは創業者を含めた会社関係者と銀行・損害保険会社等の金融法人、事業法人であり、通常はそもそも売却意思が強い株主ではない。むしろ、ロックアップの対象の中にベンチャーキャピタル1社13,000株が含まれ、2社6,000株が含まれていないことに留意するほうがよいだろう。

情報開示の状況
平均的な開示水準
 当社ウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトだけとなっており、上場前の段階としては平均的な開示水準。業績予想と上場関連のニュースリリースは、証券取引所に開示している以上、自社サイトにも掲載して欲しい。


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