9514ファーストエスコIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ファーストエスコ(9514 マザーズ)IPO

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セクター:電気・ガス業
当面、利益計上の見込みがない。現状のBPS水準を超える株価で買う必要性は疑問
 自前の発電所を現在建設中だが、稼動開始の最も早いもので1年後となっている。当面は収支面では利幅が薄い省エネルギー支援サービス事業が中心となる上、新規発電所が稼動開始しても償却費等の初期費用が嵩むことが想定される。従って、今後5年間程度は、利益が増加しない可能性がある。更に電力小売については、競合関係となる既存電力会社の料金値下げが今後も続くことが十分想定され、利益見通しは不透明である。

 大量のストックオプション残高もあり、現時点では、足元のBPS約25万円に対して、他電力会社並みのPBR1.3倍以上の価格(約30万円)で買う必要はない銘柄と考える。

事業概要
省エネ支援と環境貢献を含めた電力の発電・販売事業
 当社グループは当社及び連結子会社5社で構成されるエネルギーサービス事業(ESCO=Energy Service Company)を展開している。ESCO事業は、米国で1970年代後半に省エネルギー支援サービスとして発展し、日本では1990年代後半から導入されつつある。

 当社事業は、顧客企業の省エネルギーを支援することを目的とした「省エネルギー支援サービス事業」、木質バイオマス等を燃料とする新エネルギーによる発電事業で、発電と地球環境の改善を目的とした「グリーンエナジー事業」、「電力小売・市場取引事業」の3種に大別される。(表1)

 連結子会社のうち、4社はバイオマス発電事業会社で、残る1社はそれら発電事業会社の所有・管理を行う中間持ち株会社となっている。

【表1 事業の主な内容】
事業区分 タイプ 主な事業内容
省エネルギー支援サービス 顧客指向型 ユーティリティ消費削減、自家発電代行、エネルギー・マネジメント
グリーンエナジー 環境再生型 新エネルギー発電、廃棄物発電、マテリアルサイクル
電力ビジネス 市場取引型 電力小売、電力・ガス取引、RPS・排出権取引

収支の状況
自前発電所稼動まで最低1年必要、当面は省エネ事業が柱
 事業は3区分としているが、04.6期に売上高が計上されているのは、省エネルギーサービス事業の約25億円だけとなっている。バイオマス発電の事業会社を4つ保有しているが、4発電所全てが現在建設中であり、最短で稼動するもので06年1月予定という状況にある。(表2) グリーンエナジー事業・電力ビジネス事業を立ち上げ、電力の販売が開始されるのは06年1月の予定である。

 従って、05.6期は、現状と同じく、省エネルギー支援サービス事業での売上げが計上されるだけで、06.6期にも、岩国ウッドパワーの半年分の稼動が反映されるだけになる。省エネルギー支援サービスの顧客拡大がされない限り、今後の2決算期については、04.6期と変わらない売上高・利益水準留まることが予想される。

【表2 バイオマス発電所の事業開始予定】
発電所名   岩国ウッドパワー 袖浦ウッドパワー 日田ウッドパワー 白河ウッドパワー
事業開始予定     06年1月     07年10月      06年10月     06年10月
発電容量        1万kW      1.5万kW       1.2万kW      1.15万kW

バイオマスの4発電所(容量計4.85万kW)が全て稼動開始した段階での年間での売上高貢献は、稼働率60%・販売単価12円/kWhと仮定すると、
4.85万kW×稼働率60%×24時間×365日=25,500万kWh
 25,500万kWh×販売単価12円/kWh=30.6億円
となり、08.6期には売上高は約30億円の増加が見込める。利益面では、そこから更に設備償却が開始されるために、3〜5年程度は利益貢献しないと考えられる。既存電力会社の売上高経常利益率並みの10%を適用すると、償却がある程度進行する11.6期以降に3億円程度の経常利益増加が期待できることになる。いずれにせよ、バイオマス発電事業が利益貢献するのは、5年以上先のことであり、現段階で織り込む必要は無いと考えられる。

株式の状況
ストックオプション行使による希薄化懸念が大
 04年12月末時点の発行済み株式数は、6,282株であり、未行使のストックオプション残高が、1,197株(行使価格は、30万円等、行使期間は、02年6月〜10年6月等)ある。これに今回の公募分1,500株を加え、想定発行済み株式数は、8,979株としている。公募後、ストックオプション行使前の株式数7,782株を基準とした時のストックオプション全行使による希薄化効果は、15.4%の高率になる。

情報開示の状況
積極的開示姿勢は無い
 当社のHPには、05年1月時点で、投資家向け情報開示ページは設置されていない。


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