9428クロップスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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クロップス(9428 名証セントレックス)IPO

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セクター:情報・通信業
auの携帯電話事業の好調さを背景に、安定的な成長を持続
 携帯電話販売事業では、最近上場した日本テレホン(9425)がEPS実績5,760円に対して株価は440,000円とPERは70〜80倍、一方で、テレパーク(3738)の場合には、EPS実績18,110円に対して、株価は365,000円、PERは20倍程度と、大きな開きがある。

これに対して、連結拡大影響を除いた当社の足元の実質的な成長率を考慮すると、日本テレホンよりもテレパークに近いPERが妥当と考えられる。05.3期EPS65円に対して、PER20〜25倍として、株価の想定レンジは1,300〜1,600円と推測する。

事業概要
携帯端末販売と、人材派遣・ビルメンテナンス等
 当社グループは、当社及び子会社4社(潟Nロップス・スルー、潟Nロップス・クリエイト、いすゞビルメンテナンス梶A潟Iーウッズ)により構成されている。当社は直営店による携帯端末の販売及び付帯事業サービス全般等を行う移動体通信事業を行っている。また、人材活用事業として、潟Nロップス・スルー、潟Nロップス・クリエイトでは一般労働者派遣・業務請負等を、いすゞビルメンテナンス鰍ナは、清掃・設備管理・施設警備等を営んでいる。潟Iーウッズは、05年4月付けで営業の全部を当社が譲り受け、清算手続きを実施中となっている。

 移動体通信事業については、営業エリアを主に愛知県・三重県・岐阜県の3県に特化し、移動体通信事業者をKDDI1社に限定している。05.3期末店舗数は、愛知県28店、三重県6店、岐阜県1店、静岡県2店の計37店舗となっている。

 業務請負は、流通業でのPOS等の管理業務の請負が中心で、清掃・設備管理については、ビル・病院・店舗・ホテル等を対象としている。施設警備は、いすゞ自動車鰍フ工場が対象。

収支の状況
安定的に成長しているものの、利益率は全般に低く、au頼みの構造
 セグメント別の収支の状況は、表1の通りであり、移動体通信事業では、KDDIのau事業が好調であることを反映して、順調に業績が伸びている。人材活用事業は、表1中では、04.3期から05.3期にかけて、大きく売上高が増加している。これを、表2の事業の種類別販売実績で詳しく見てみると、清掃・設備管理・施設警備部門で大幅に販売実績が増加しており、これが要因となっている。しかしこれは、いすゞビルメンテナンス鰍子会社化したことに伴う影響であり、06.3期以降には大幅な販売増が見込めるものではない。今後の売上高の想定上は、移動体通信事業のうち、携帯端末等販売分野での足元の伸び率約6%をベースに、auの現在の好調な販売状況がどこまで継続できるかがポイントになる。

 なお、表1に示す売上高営業利益率では、人材活用事業の利益率も低いが、移動体通信に関しても、決して高い利益率とはいえない。04.3期から05.3期にかけては、利益率の改善は見られるものの、この改善傾向が今後も継続できるかは微妙である。

 05.3期実績ベースでの当社の全売上高のうち、KDDI向けで約48%、いすゞ自動車向けで約11%を占め、特定顧客に売上が偏重している傾向にある。ただ、現在の携帯端末機販売の市況動向からは、KDDIへの依存度が高いことについて、直接のリスクは高くないと想定する。

株式の状況
ストックオプションは約34万株分あるが、行使開始は約2年後
 当社は、02年9月に1:80の株式分割を実施し、05年7月時点の発行済み株式数は、4,700千株となっている。これに加えて、今回の上場にあたっての公募が、380千株ある。以上を合計して、上場時点での想定発行済み株式数は、5,080千株とした。新株予約権によるストックオプションが下記の通りあるが、行使開始期間が約2年後となっているため、上記計算上では潜在株式としては認識しないこととした。

【表3 ストックオプションの未行使残高の状況】
決議日 対象株式数 行使価格   行使期間
05年3月  341,500   140円   07年4月〜10年3月

今回の上場にあたっての公募による当社の手取り金は、約360百万円(公募価格985円ベース)と想定されており、この使途については、200百万円を借入金の返済に、残額を運転資金に充当する予定とされている。ただ、当社の場合、手元現預金は既に豊富であり、運転資金を増加させることに意義は感じられない。

 利益配分については、「財務体質の強化と今後の事業展開のために内部留保を充実(=配当に対してネガティブ)」と共に「株主資本利益率の向上(=配当に対してポジティブ)」を目指すとされ、業績に応じた配当を実施する方針となっている。

情報開示の状況
ハコはあるものの、現状ではニュースリリースの掲載も無い
 当社HPには、既に投資家向け情報開示のページは設置されているが、7月13日時点では「工事中」で、閲覧できる情報は無い。ハコが作られていることから、今後はある程度の情報開示はされるのだろうが、現状でニュースリリースすら掲載されていないのは、残念である。


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