8938ロジコムIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ロジコム(8938 ヘラクレス)IPO

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セクター:不動産業
関東北部中心の不動産賃貸で業績は安定的
 賃貸用物件毎に、入居状況の変化や新規設備の事業開始等の出入りはあるものの、トータルでは比較的安定した業績の推移となっている。今後の業績が大きく伸びることも想定し難い状況である。

 04.9中間期の状況をみると、過去最高益となった03.3月期実績を超えることは困難と考えられ、当期利益の着地水準は3億円台後半と想定する。この場合、EPSは約2万円となる。不動産賃貸業のPERは会社毎に大きく異なるため、当社の適正なPERの想定も困難だが、成長性が高くない点を考慮すると15〜20倍程度が妥当と考えられる。PER20とすると、株価40万円となり、PBR=約2の水準が当面の上限と考える。

事業概要
法人向けアセットフリーでの不動産賃貸事業を目指す
 当社は、東村山市・東大和市・武蔵村山市・西多摩郡瑞穂町等の東京都西部多摩地域、入間市・所沢市等の埼玉県南部地域を中心に不動産賃貸業を営んでいる。

 当社の不動産賃貸業の特徴は、運送業者・卸売業者・小売業者等の法人がエンドユーザーである点と、賃貸する不動産を当社が保有するのではなく、オーナーが倉庫・店舗等を建築したものを当社が賃借する「資産を出来る限り保有しない」点にある。ただ、アセットフリーの方針に関してはやはり「出来るかぎり」であって、実際の総資産額は、毎期10〜20億円のペースで増加している。

 また、米国子会社が04年7月からオフィスビルを対象とした不動産販売を開始しており、海外でも事業展開している。

 不動産賃貸事業では、当社とオーナーの間で締結した契約に基づいて、一定額の家賃収入を当社がオーナーに対して保証した上で、土地・建物等を全て借り上げ、法人等に転貸する方式としている。サブリースの方式としては、一時金方式・建設協力金方式・事業用定期借地権方式を採用し、中でも一時金方式のウエイトが高い。賃貸業務での売上のうち、倉庫賃貸が約半分を占め、主力事業となっている。(表1)

 また、その他の不動産賃貸関連として、仲介業務・工事請負業務・賃貸管理業務を展開しているが、これらの事業の売上高に占める割合は合計でも約7%程度となっている。(表2)

収支の状況
比較的安定した設備装置産業として業績は推移
 04.3月期の売上高は、「旧関連当事者間での取引を解消」し、工事収入と業務受託収入が減少したことによって対前期比約3億円の減収要因となっている。この分の減収は今後永続的と考えられる。これに伴って、営業利益以下でも対前期で減益となり、当期利益では過年度役員退職慰労引当金繰入額116百万円等を特別損失に計上したことで、対前期約3億円の減益となった。

 04.9中間期では、大型倉庫2件の中途解約等による減収と、直近に竣工した物件の収益化貢献がちょうど相殺される形となっている。

 今後の業績も、大きく変動することはない模様だが、逆に大きな成長も見込みにくい状況であると考えられる。

 営業外費用の中で支払い利息が毎期大きく計上される形になっているが、これは不動産賃貸業の業態特性であり、特に注意する必要はないと考えられる。(表3)

 工事進行中の重要な設備投資案件は、埼玉県大里郡(貸店舗)・立川市(ウイークリーマンション)・豊島区(ウイークリーマンション)・米国加州サクラメント市(貸事務所)の4件あり、今後の投資予定額は約5億円となっている。これは、近年決算期毎の総資産の増加ペースと比較しても、特に水準に問題はなく、竣工後の未入居リスクは当然あるものの、設備投資自体が過大である等の問題点はないものと考えられる。

株式の状況
大量のストックオプションを残す
 当社の04年9月末時点の発行済み株式数は、10,000株で、ストックオプションの残高が1,950株(行使価格6万円、行使期間05.5.1〜08.4.30)ある。ストックオプションについては、行使価格が安く、行使期間にも3ヵ月後には入ることから、全数を潜在株式として認識する。これに今回の公募2,500株を加えて、上場時点での希薄化考慮後の株式数は、14,450株としている。なお、ストックオプションによる希薄化効果は約16%と高率になっている。

情報開示の状況
独自の試みがみられ、高評価。開示に対する信頼性は高い。
 当社HPには、投資家向け情報開示のページは05年2月14日時点で設置されていない。しかし、会社概要のページに決算広告が開示されている他、社長の情報開示に対するコメント付きで、確定申告書類が開示されている。従業員数30人と少人数の会社であり、情報開示にまで人手を割きにくい状況と推察されるが、その中で開示に対する社長のポリシーを発表する等、非常にユニークな試みである。確定申告書類の開示自体は、投資判断に特に影響するものではないが、開示に対する積極的な姿勢ととらえ、高く評価したい。


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